戦前から戦後にかけて、日本で独自の発展を遂げてきたのがブリキのおもちゃだ。それを後世に残そうとする博物館の館長の活動に密着した。
ブリキ玩具にかける思い
17日、横浜のみなとみらいにできた長い行列!8月に閉館した「ブリキのおもちゃ博物館」が、リニューアルオープンしたのだ。
明治・大正時代から1960年ごろに日本で製造されたブリキのおもちゃなどが展示されている。
「父親がアメリカ車が大好きで乗っていたので、そういう自分の思い出とシンクロする」
「戦後の団塊の世代だから、ちょうどこういうふうなもので育ったから、青春というか子どものころの思い出が詰まっている」
リニューアルに合わせ、新たな試みもある。それが、ブリキに限らないさまざまなおもちゃの企画展示だ。今回は、地元アーティストのソフビ(ソフトビニール人形)作品を展示。
「これだけ飾られるとまた迫力があって、圧倒されます」
どのおもちゃも、館長を勤めるおもちゃコレクター・北原照久さんのコレクションだ。
これまで、横浜の山手でおよそ40年親しまれた「ブリキのおもちゃ博物館」が、「TOY MUSEUM」として再出発する。
そのリニューアルオープン前日に、北原館長に見どころを案内してもらった。
展示の仕方に関しても工夫を凝らしたという。
こちらは、戦後アメリカの占領下にあったころのおもちゃだ。
「(Q.日本国内で遊ばれた)いえ、ほとんど輸出です。手先が器用で、1ドル360円という時代ですから、世界中から注文がくる。経済大国になっていった立役者」
1950年〜1960年代の高度経済成長期は、鮮やかな色使いの漫画のキャラクターや当時人気だった野球選手のおもちゃも…。
北原館長は、おもちゃを通して、時を経て鮮やかに蘇る当時の風俗や色調を多くの人に感じて欲しいという。
ブリキのおもちゃ以外の展示も
さまざまなジャンルのおもちゃをコレクションしている北原館長。実は、アートのコレクターでもある。
最初はブリキのおもちゃから始まったが、集めているうちにソフビやプラモデル、さらにおもちゃだけでなく、日本の広告や明治から昭和のポスター、マッチのラベルまで、コレクションは1200坪の倉庫に仕舞ってあるという。いつかはそれらをすべて出して、20世紀大博物館をつくりたいと構想しているそうだ。
さらに現代アート作家も応援していて、リニューアルに合わせた新たな試みとして、そうした作家の作品などブリキのおもちゃだけではなく、さまざまなおもちゃの企画展示をする予定だそうだ。
現在は、横浜出身の玩具作家ナガレさんの作品を展示。人の心に芽生える闇をモチーフにした、ナガレさんオリジナルのソフビが飾られている。もちろんこれも北原館長のコレクションだ。
こうした現代の作家の作品や古いおもちゃ広告など、時代や作り手の思い、情熱を感じられるよう幅広く見せる機会をつくれたらということだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年10月20日放送分より)