日経平均が最高値を更新するなか、気になるのは身近なモノの値段です。21日、高市政権が誕生した場合、私たちのお金はどうなっていくのでしょうか。5つの疑問を、各分野の専門記者が徹底的に取材しました。
どうなる?「身近なお金5項目」
21日の総理大臣指名選挙で総理に選ばれる公算が大きくなっている、高市氏。
「強い日本経済を取り戻す」
物価高が続くなか、高市総理誕生で“私たちのお金”に、どのような影響が出るのか?
「積極財政」を掲げる高市氏。総裁就任以降、外国為替市場では円安が進んでいます。つまり私たちがスーパーなどで買い物をする時、海外からの輸入品が高くなるのかと思いきや…。
「高市政権が誕生すれば、輸入品の仕入れ価格高騰が予想され、自社努力でカバーできない分を価格に転嫁する動きが進む可能性も。『正直、国には頼っていない』『政権に翻弄(ほんろう)されないよう物価高対策は自社で講じている』とする企業も多く、今や多くのスーパーなどが物流の見直しなどで、コストを減らす工夫をしている。高市政権が誕生しても、すぐ物の値段に影響はなさそう。しばらくは現状の高止まりの状態が続くか」
ある小売り企業は「消費税を減税するほうが消費意欲は上がる」と、本音を漏らします。
では…その消費税、減税の可能性はあるのでしょうか?
日本維新の会は、自民党に対し「食品消費税の2年間ゼロ」を要求しています。ただ、自民党は先週時点では難色を示していました。
「財務省内でも『消費税減税になると厳しい』という受け止め。2年間でも10兆円の財源が必要。一度下げた消費税を元に戻せるのかという問題」
一方で、財務省内には維新に好意的な声もあるといいます。
「仮に自民が維新の要求をのんだ場合でも、『維新は財源の問題に真面目に取り組む党だ』との期待の声も」
“高市政権”…給料は?
経済を重視する高市氏が総理になることで、私たちのお給料は上がるのでしょうか?
「人手不足などに対応するため、来年度も賃上げは行われる見通し」
働き手を確保するため、企業は大手も中小も従業員の給料を上げざるを得ない状況です。そうした中小企業を支援しようと、高市氏は交付金などを拡充する意向も示しています。
「中小企業のトップに話を聞いたところ『賃上げしないと人が集まらない』と話す人が多く、『やれる支援はすべてやってほしい』と(高市氏の)政策に期待している声が多く聞かれた。『補助金などに頼ってばかりでは成長できない』という声もあり、『ビジネス環境をよくする根本的な支援を期待したい』と話す人もいた」
私たちのお金への影響、続いては…。
与野党は、ガソリン税の暫定税率を年内に廃止することで合意しています。実現すれば、ガソリン1リットルあたり25.1円減税されますが…。
「仮に暫定税率廃止の法律が成立しても、年内に施行までやるのは実務上厳しい状況。高市総裁は早く結果を出すことに強い意欲を示す。早ければ12月にも今ある補助金を増やし、暫定税率25円/L分の価格を下げる可能性もある」
そして、気になる「旅行」について、高市総理誕生で円安が進めば海外旅行が遠のくのでしょうか?
「旅行各社、円安が進み海外旅行離れ加速を懸念。海外旅行にお得に行けるプランに力を入れることが予測。今よりお得に海外旅行を楽しめる可能性」
今後の動向について、ある旅行会社は…。
「物価が安く円安の影響を受けにくいベトナム、韓国、タイなどへの旅行商品。現地では自由行動メインのフリープランが増えそう」
果たして、高市総理が誕生すれば私たちの暮らしにどのような変化が生まれるのでしょうか。