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鈴木農林水産大臣は23日、“コメ政策”に関して、前政権からの事実上の方針転換を明らかにしました。
鈴木憲和農林水産大臣
「いまの状況は、不足感があるという状況では、もはやないと思っています。来年については、安定的な生産に向けて、需給バランスをとれる生産の目安を示していく」
「いまの状況は、不足感があるという状況では、もはやないと思っています。来年については、安定的な生産に向けて、需給バランスをとれる生産の目安を示していく」
去年、679万トンだったコメの生産量は、今年は748万トンに増える見込みです。そして、来年、関係者によりますと、コメの需要量は、最大711万トンと想定されていて、生産量の見通しもそれに合わせ、711万トン程度とする方向で調整されているといいます。生産量は、約5%の減少する見通しです。
農水省が、コメ需要を見誤ったことでコメ不足が起き、歴史的な高値となった“令和のコメ騒動”。
石破前総理は、2カ月前、価格の値上がりに“コメの増産”で対応すると表明していました。
鈴木憲和農林水産大臣
「石破総理が、どういう思いで、ああいう言い方をされたかは、石破総理から、直接、うかがっていないので、正直わからないんですけど、ずっと増産トレンドで、とれすぎもの、需要を超えたものは、輸出をすればいいという発想だったのかなと推測をしています」
「石破総理が、どういう思いで、ああいう言い方をされたかは、石破総理から、直接、うかがっていないので、正直わからないんですけど、ずっと増産トレンドで、とれすぎもの、需要を超えたものは、輸出をすればいいという発想だったのかなと推測をしています」
鈴木農水大臣は、すぐに海外輸出を増やすのは現実的ではなく、「国内の需要に応じた生産が基本」と説明。そして、価格についても、市場の中で決まるべきものとの考えを示しています。
千葉県のコメ農家は、短期間での方針変更に困惑しつつも、新しい方針を評価していました。
令和の米騒動前、2023年時点では、95%のコメ農家が赤字に陥っていたというデータもあります。
沼南ファーム 橋本英介さん(51)
「備蓄米を放出したり、価格介入を政府はしてきた。それに対して、鈴木大臣はブレーキというか、“市場に価格は任せる”ということをおっしゃっているので、“頑張ればしっかり稼げる”というマインドになりつつある」
「備蓄米を放出したり、価格介入を政府はしてきた。それに対して、鈴木大臣はブレーキというか、“市場に価格は任せる”ということをおっしゃっているので、“頑張ればしっかり稼げる”というマインドになりつつある」
コメの平均価格は、いまも5キロあたり4142円。
増産からの方針転換で、この高止まりが続くという見方もあります。
鈴木大臣は、当面の物価対策として、お米券などの配布などを検討するとしたうえで、こう述べました。
鈴木憲和農林水産大臣
「いままで農林水産業の世界は、残念ながら、このデフレという経済もあって、安いものを極度に追い求めざるを得なかった実態もあって、コスト割れでも、生産をせざるを得なかった。ぜひ、私は、消費者の皆さんに、ご理解をいただきたいことは、やっぱり最低限、翌年も再生産ができる。これは翌年だけではなくて、機械設備の更新もかかりますから、10年先や20年先に向けて、設備投資もできる。そういった価格で買っていただける。そのことをぜひご理解いただきたい」
「いままで農林水産業の世界は、残念ながら、このデフレという経済もあって、安いものを極度に追い求めざるを得なかった実態もあって、コスト割れでも、生産をせざるを得なかった。ぜひ、私は、消費者の皆さんに、ご理解をいただきたいことは、やっぱり最低限、翌年も再生産ができる。これは翌年だけではなくて、機械設備の更新もかかりますから、10年先や20年先に向けて、設備投資もできる。そういった価格で買っていただける。そのことをぜひご理解いただきたい」
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