料理に関するものなら何でもそろう「かっぱ橋道具街」。外国人も絶賛の便利グッズが続々!それにしても独創的なアイデアグッズは誰がどのように考えているの?注目の“発明スタジオ”に潜入しました。
キッチン便利グッズ3選 外国人に人気な商品は?
料理に関するものなら何でもそろう、ご存じ「かっぱ橋道具街」。年に一度の「道具まつり」には、掘り出し物もいっぱいと多くの人が便利グッズを求め殺到します。
「素晴らしい街ね。アメリカにはこんな所はないわ」
「キッチン用品をほとんど買い替えちゃったよ」
お菓子作りの道具専門店「馬嶋屋菓子道具店」には、クッキーの型だけで、なんと1500種類あります。
「トウキョウタワーのクッキー型、すてきだわ」
突然ですが、キッチン便利グッズクイズ!
なんともかわいらしい見た目の商品名は「ママの手」。何に使う道具か分かりますか?ヒントは、このように、お皿のふちに囲むように付けて使います。
正解は、ラップをかけると、ママの手がやさしく食べ物を守り、そのままレンジOK。料理を型崩れから守ってくれるアイデアグッズです。
「『食品をつけないでください』と書いてあるラップが多い」
「いいじゃない」
「ケーキを作った時クリームがつかないようにするのに良いわね」
「これ欲しいわ」
かっぱ橋のシンボル、コックさんのオブジェでおなじみ「ニイミ洋食器店」、創業はなんと明治40年です。「洋食器店」と名乗りながらも、その品ぞろえは実にユニークです。
「すごーい」「便利」と女性たちが絶賛するのは、何やら白いプラスチックの箱。
のせるのは、豆腐一丁!それを上から押し込み、ふたをスライドするとサイの目になった豆腐がザクザクと。その名も「豆腐カッター」495円。手間のかかる麻婆豆腐も、時短で本格派に!
今の季節に大人気。不思議なカタチですが、あの秋の味覚を手を汚さずに食べられる便利グッズ。分かりますか?
正解は…ブドウの皮むき。クルッと一発で、この通り。爪の間が汚れ、皮が少し残ってしまうストレスともこれでおさらばです。
「WOWグッドアイデア。なんてクレバーなの、これ買うわ」
そして、この老舗で外国人に人気なのが…、実はお子様ランチのプレート。
「面白いよね。ロシアにはこんな立体的なお皿はありません。おいっ子が絶対に喜ぶよ」
ロシアでのお子様ランチ、映像を送っていただきました。
「シルニキ」とは、チーズを使ったロシアの伝統的なパンケーキ。フルーツを添えて、ロシア版お子様ランチの出来上がり!たっぷりかけるのは練乳。
「おいしいね。ニッポンのお皿だとおいしくなるんだ」
昭和から愛されるお皿ですが、実は意外な進化も。日本橋三越では、ドライアイスで煙がモクモクと…、かっぱ橋老舗オリジナルの自信作です。
名物社長も絶賛“進化系グッズ”
ひときわ大行列なのが、100年を超える老舗「飯田屋」。8500種類以上をそろえる、まさにキッチングッズのワンダーランド。
そして、この店の名物社長が、これまで1万点以上の便利グッズを見てきた6代目の飯田結太社長です。
「細かいところに手が届く商品は、日本がすごく得意なんですよ」
そんな飯田屋に来るのが夢だったという福井県から来た女性は、ちょっと興奮ぎみ。
「年末のおろしそばの大根おろし担当が私だから、すごく時間がかかって手も痛い」
そんな時にピッタリなのは、手が痛くならないおろし器。特殊なセラミックの刃に加え、底にシリコンゴムがつき、押さえなくても片手で軽い力でもOK。
さらに女性が喜んだのが、小さな穴が開いた容器のようなもの。
でも、これさえあれば簡単。水をはったフライパンに乗せて、ふたをして加熱するだけ、およそ10分で蒸し野菜が完成。電子レンジにも対応し、蒸し器やせいろがなくてもOKという「お手軽蒸し器」です。
今、人気商品のキーワードは「ありそうでなかった」。
新商品で、3万5000個売れたヒットグッズ“透明な落としぶた”。煮物で面倒なのが、ちょうどよく火は通ったかの煮加減の確認。これなら煮込み具合が一目瞭然。ふきこぼれの心配なし。
「これは意外とない!」
「いいですね、アイデア商品」
定番のピーラーも、飯田屋ではその数、実に100種類以上。ユニークな切り口にカットしてくれる魔法のようなやピーラー。
その中で、今売れているのが何とも奇妙な“エビ型”のピーラー。
「こっちが普通はついていないですよね。これの意味は何なんでしょう?」
実はコレ、下の部分がストッパーになり、安全に皮をむけるというピーラー。カボチャのような丸みのある食材にこそ、真価を発揮。
そして今、特に外国人に人気なのが。
「こちらになります。このスライサーの特徴は両刃構造です」
なんと、刃が両刃構造になっていて、片刃に比べ効率は2倍。両刃式でこれほどコンパクトなのは珍しいといいます。
さらに手元のスイッチで料理にあわせて厚さの調節も可能という優れもの。
「私たちのスライサーは大きいから置いて使わないといけないんだ」
「小さいと楽でいいわ、素晴らしいグッズね」
外国人絶賛の「かっぱ橋グッズ」トップ3
外国人も魅了するニッポンのアイデアキッチングッズ。そこで外国人観光客55人に調査しました。「買って帰りたいかっぱ橋グッズトップ3」は?
まずは、第3位。
「なんて面白いの!これアメリカで人気になるわ」「絶対売れるよ」「アメリカ人はこういう目新しい道具が大好きだから」とアメリカ人が絶賛なのが、この見たこともない形のグッズ。
中に入れるのは半分に切った市販のバター。後は握るだけで。カットバター、食パン1枚分がこの通り。「バタースライサー」2420円。その都度、包丁を使うこともなく、さらにそのまま冷蔵庫で保存もOK。
続いて第2位は、料理用には見えない便利グッズ。その正体は、サイコロ型のおにぎりを作る便利グッズ。赤いパーツにご飯を詰めて、黒いパーツで押し出すだけ。こんなオシャレなおにぎりも簡単に作れる!というわけです。
「形がとてもかわいい」
「見た目がオシャレだからゲストが来た時に絶対いいわ」
そして、55人中25人が「買って帰りたい」と答えた第1位は、不思議な形のスプーンのようなグッズ。何に使うグッズか分かりますか?ヒントは先端にあいたこの穴。あの食材を絶妙に溶きほぐしてくれます。
正解は…卵をかき混ぜるためだけに生まれた道具。4000円以上と決して安くないのに、5万個も売れている大ヒット商品。箸で卵をとくと、どうしても残りがちな白身の部分。しかし、「ときここち」で卵をとくと、黄身と白身が完全に混ざっています。
その秘密は、職人が手作業で研いだ厚さ0.7ミリのリング。細いステンレスの線が白身を断ち切ることで黄身と白身が完全に混ざるのだとか。
卵焼きにしてみると、その差がよく分かります。ときここちで作った卵焼きは黄色一色。完全に混ざっています。
「オーマイガー、ソークール。夫が作るオムレツは白い部分が多くて本当は好きじゃなかったの。これがあれば夫も私好みのオムレツを作ってくれるわ」
と、ここで外国人からのハテナ。
「こんな効率的で独創的なアイデアはどう生まれるんだろう?」
便利グッズ発明工場に潜入
今や世界が注目するニッポンの便利グッズ。一体、どうやって生まれているのでしょうか?
向かったのは、「モノづくりの町」として知られる新潟県燕市。
あの飯田社長が“日本が誇る発明スタジオ”と絶賛するヒットメーカー「曙産業」。
手間のかかるキャベツのみじん切が、包丁もまな板も使わずあっという間にできると話題になったスライサーや、先ほどの「サイコロおにぎり」マシンもこの会社のヒット商品。そして、一番話題になっているのがベビーチーズをサイコロ状とスティック状にカットするためだけのニッチな専用カッター「ベビーチーズカッター」です。
「今なんでも値段が上がっているけど、ベビーチーズ1個をいかに長く楽しめるかを考えて作りました」
便利なだけでなく、遊び心にもこだわるのがモットー。
訪れたのは、まさに商品開発会議の真っ最中。
「水溶き片栗粉はちょっとでいいじゃないですか。それをいっぱい出し過ぎた時の悲しさ」
料理の困りごとを出し、解決アイデアを出し合っていきます。
今までに生み出した便利グッズは200点、佐藤部長のこだわりが…。
今はアイデアが生まれると、すぐに3Dプリンターで試作品を作成。先ほどの「片栗粉をちょっとだけ出したい」というグッズ。
「さあ、どうだ。いいじゃないですか」
このような試作品は年に500以上。
「熱いご飯を握らないでおにぎりを作りたい」とつくられた変形しゃもじ。
「(Q.手で握ったほうが早くない?)そうなんですよね」
ということで、ボツ。実は、試作品のうち、商品化は50個に1個程度という狭き門、そこを潜り抜け、今かっぱ橋で外国人に大ヒットなのが、こちら。
まるで鉛筆削りのようなハンドルが付いています。ヒントは、ハンドルで中の歯車を回すと、あるかたい食材を砕いてくれます。
中に入れるのはナッツ。ナッツを入れ、ハンドルを回すだけでクラッシュナッツが簡単に出来上がり。
「包丁を使わずナッツを楽しく砕きたい」とひらめき、つくったところ大当たり。
「簡単だし砕ける様子がクセになるわ。見た目以上に良い仕事するわね」






































