タイで最も予約が取れないラーメン店と呼ばれる人気店が日本に初出店しました。日本のラーメン文化に魅せられた職人たちの、国境を越えた技術と情熱を取材しました。
日本仕込み タイの超人気店
「フジヤマ55」「大勝軒」「らーめん山頭火」など、いくつものラーメンの有名店。実は、これらはすべてタイ・バンコクにある店です。タイ国内にあるラーメンの店舗数は800店と年々、増加しています。
「(タイのラーメンは)比較的レベルは高いと思う」
日本人客もうなるタイのラーメン。なかでも人気なのが「新道らぁ麺」です。
店主は日本に留学経験のあるタイ人のジョーさん(41)です。日本でラーメン修行をしたのち、8年前にこちらの店をオープン。去年、日本の大会「ラーメン登竜門」で国外から初の決勝進出を果たしました。
看板メニューの新道らぁ麺。気になる、そのお味は?
ナンプラーなどのエスニックな香り、エスニックな味が後からやってきて、食べたことのない新感覚のラーメンになっているとのことです。
かえしには、あさり出汁をベースに、タイの食文化を象徴するナンプラーやオイスターソースをブレンド。スープは名古屋コーチンを中心とした動物と魚介の融合系です。
日本のだし文化に、タイ料理ならではのうまみをとけ合わせた一杯。およそ7年の歳月をかけて完成しました。
「最も予約が取れない店」日本に初進出
今回、「新横浜ラーメン博物館」の目玉企画である“逆輸入ラーメン”プロジェクトに新道らぁ麺が選ばれ、日本初出店が決定。
番組は、日本デビューに向けて奔走するジョーさんに密着しました。
エンジニアとして来日後、ラーメンの魅力にはまったジョーさん。「この一杯に、自分の人生を懸けたい」と一念発起し、新道らぁ麺を開業しました。
元々は客で、現在は仕事上のパートナーであるデューさん(37)と共に“ラーメンの本場”日本での出店に挑みます。
そんな彼らを今回、全面的にサポートしたのが“ラーメンの鬼”と呼ばれた「支那そばや」の創業者、佐野実さんの妻で現店主の佐野しおりさんです。
出店を前にジョーさんとデューさんを受け入れ、研修を行った飯田商店の店主、飯田将太さんからも、2人の熱意に太鼓判が…。
名店の店主らの協力を得てたどり着いた、日本デビューの味。
「日本はラーメンの本場です。タイのラーメンを外国人に紹介できるのはうれしいが、同時に難しいことでもある。新道らぁ麺に少し『タイらしさ』を加えて届けたい」
オープン当日。
「(Q.オープン日ですが今の気持ちは)緊張している。頑張りたいと思います」
緊張感が漂うなか、タイから家族が応援に駆け付けてくれました。
オープン後、すぐに店内は満席になり、10分後には行列が…。待ち時間はなんと45分!ジョーさんは、ひたすらラーメンを作り続けます。果たして、日本の客の反応は?
「おいしいです。エスニックな感じがします」
「タイにラーメンが結びつかなかったけど、食べてみようと思って。これ3杯目なんですけど、いけちゃいます」
豪快にスープまで飲み干す人もいました。
ピーク時間が過ぎ、いち段落した2人に感想を聞いてみると。
日本デビューを果たしたジョーさんとデューさん。すでに次なる夢を描いていました。
(「グッド!モーニング」2025年10月29日放送分より)















