スルメイカが取れすぎて休漁が続くなか、イカの王様アオリイカの一本釣り漁が解禁されました。流通量が少なく珍重されるアオリイカ漁に密着しました。
アオリイカ一本釣り漁解禁
「鮮度がいいですよね。光っている」
今、旬を迎えているアオリイカ。胴の長さ23センチ、およそ300グラム、春から夏にかけて生まれた新子と呼ばれる若いイカです。SNSには北は北海道から南は福岡まで釣果が続々と投稿されています。
都内の店では、アオリイカの生け作りが1980円。まずはしょうゆをつけた王道の食べ方で食べると、歯ごたえがあって甘みも感じられました。
さばく直前までいけすで泳いでいたイカは、身が透き通っていてプリっと弾力があります。
少しだけ塩をつけて食べるのが、おすすめです。塩のほうが甘みを感じられます。身がもちもちしていて、濃厚なうまみがかむたびに出てきます。
ゲソは好みに合わせて天ぷらや、焼きにできます。
「今の時期は(身が)すごく柔らかい。生まれたばかりのものが大体取れるので、すごく身が柔らかいのを食感と共に味わってほしい」
お客さんはこう話します。
「生け作りを食べられるなんて最高ですよね。本当酒の肴(さかな)にちょうどいい」
一方で、スルメイカは獲れすぎているため休漁に。旬にもかかわらず、名物の生け作りが楽しめない状況になっています。
30日はスルメイカが名産の函館市長らが水産庁に漁の再開を訴えました。
「目の前にいる魚を取りに行くことができないことが、いかに納得できないかということを強く申し上げてきたところ」
傷なしで高値取引 大物続々
そんななか、解禁されたのがアオリイカの一本釣り漁です。取材班は漁に同行しました。28日午後5時、横須賀市の長井漁港を出発します。
20分ほど船を走らせ、アオリイカが好む水深5〜15メートルの海藻が生えている岩場のポイントに到着しました。餌(えさ)となる小魚が豊富にいるのです。
エギと呼ばれる疑似餌を投げ入れたあと、船をゆっくり走らせ、弱っている小魚のように泳がせるトローリングという漁法で大物を狙います。
30分後。1匹目が釣れました。胴長25センチ、およそ600グラムの大物。その後も…。
600グラム級の大物が次々に釣れていきます。特別に、釣りたてをさばいてもらいました。新鮮ならではのみずみずしさがあり、かめばかむほど味が出てきます。
一本釣りのアオリイカは、キズがつかないため価値が高く、定置網にかかったものと比べて1割増しで取引されるといいます。相模湾では先週から豊漁が続いていて、スルメイカが休漁するなか、アオリイカに期待を寄せています。
「台風とかが来ると1回(アオリイカが)離れることがある。海が変わらずに豊漁がちょっとでも長く続くのを願っている」
(「グッド!モーニング」2025年10月31日放送分より)









