去年、1玉1000円を超えたと話題になったキャベツですが、今はだいぶ手に取りやすくなっています。なぜ今、安くなっているのか。そして、お買い得はいつまで続くのかを「野菜のプロ」に聞きました。
野菜高騰も 1玉100円台
寒い冬に食べたくなるロールキャベツ。高嶺(たかね)の花だったキャベツが今、家計の心強い味方になっています。
「129円(税抜き)は安い」
なんと!ひと玉100円台!
「ご奉仕価格。一番、高いときと比べ5分の1」
恩恵を受けていたのが東京・新宿にある老舗洋食店「アカシア」。
看板メニューはロールキャベツ。チキンスープでじっくり煮込み、特製のシチューをかけました。黒毛和牛と国産豚をあいびきし、新鮮なキャベツで包んでいます。
「スプーンで切れて、柔らかくて。お肉もジューシーでおいしい」
「寒くなったから温かいのがいい。スープがコクがあって、うまくミックスしている」
そんな、人気の洋食店ですが、去年はキャベツの高値に苦しみました。
「(1箱の仕入れ値が)通常1000円台前半。それが去年は5000〜6000円だったので。3倍以上ですね」
天候不順の影響などで生育が遅れ、店頭では去年12月はひと玉555円(税抜き)。今年1月には700円(税込み)。もはや手の届かない存在に。
「都内のスーパーでも大玉になると1個1000円とか、びっくりするような値段」
ところが今、キャベツ前線に異変が起きています。
1キロ当たりの小売価格は、1月のピークで500円台でしたが、5月以降は100円台に落ち着いています。
洋食店は、週末ともなると1日およそ1000個のキャベツを使います。
首都圏に4店舗を経営する店は、仕入れ値が去年と大きく変わりました。
「去年と比較すると本当に3分の1。(安さが)続いてほしい希望感はあります」
八百屋さんにも、お得なキャベツが並びます。キャベツひと玉が、税込み139円。大玉でも182円です。
「安くなっているので、けっこう売れています。きょうあたりで20ケース持ってきている。夕方には無くなる」
財布にやさしい価格に客も…。
「129円(税抜き)に関しては安い」
「これ一つね。安いでしょ。安いからね。比較的、他の葉物から比べれば」
お得なキャベツ いつまで?
野菜の卸売価格を見ても、ナスやニンジン、レタスなどが前の週より値上がりする中、なぜキャベツだけ安いのでしょうか?
野菜のプロの卸売業者の本多諭さんに聞きました。
「夏場の産地が群馬の嬬恋ですけど、こちらがまだ入荷が続いていて。一方で秋以降の産地で千葉産とか茨城産、入荷をしていますので重なってる状況」
東京の市場では、キャベツの産地は、夏は群馬の嬬恋。秋から冬にかけては、千葉や茨城へリレーします。
今年は天候に恵まれ、嬬恋産の収穫時期が長く続いたところに秋の関東産も重なりました。その結果、市場にキャベツがあふれ、価格が下がっているといいます。
「入荷が多いと、余剰品も出る。もっと安く仕入れ、客に安価で提供できる」
では、キャベツの安値はいつまで続くのでしょうか?うれしい答えが返ってきました。
去年1玉1000円台に跳ね上がったキャベツが、今年は100円台とお買い得に。
「(キャベツは)安くなっています。去年あたりだと天候不順と雨が少なかったから、400〜500円になった時もあった」
産地リレーの影響で、市場にキャベツがあふれたのが安さの理由でした。
この先の産地は愛知。今後、価格はどうなるのでしょうか?
「今のような状況であれば、おそらくこの愛知県産の間、春先ぐらいまでは、比較的安定した価格になる。3月初旬ぐらいまでは、順調と予測。サイズなんかにもよりますけども198円から200円前半で、販売されることが多いんじゃないか」














