一日の利用客が300万人を超える東京の新宿駅で今、大規模な再開発工事が行われ、道に迷う人が続出しています。外国人からは「新宿ダンジョン」と呼ばれる状況になっています。
都庁超え 巨大ビルを建設中
新宿駅構内のど真ん中に定点カメラを設置してみると、日本人や外国人が次から次へと警備員に声を掛けています。それぞれ、警備員が案内します。
日本人も外国人も迷ってしまう超巨大ターミナル・新宿。2時間で250組が道を尋ねる状況になっています。
進められているのは、小田急百貨店の解体。跡地に建設されているのは地下5階、地上48階、高さおよそ260メートルの巨大ビルです。
「(2029年度の)竣工(しゅんこう)時点では、新宿エリアで都庁を超える最も高いビルになる予定です」
オフィスと商業施設が入る都庁超えの超高層ビルが建つのです。
国立競技場の建設にも携わった大成建設プロジェクト部長兼統括所長・八須智紀さんはこう話します。
一日300万人が利用し、5つの鉄道会社12の路線が乗り入れ、クモの巣のように絡み合う新宿駅。鉄道を止めずに工事を進めるのは、至難のワザです。
新宿ダンジョン 外国人迷子
鉄道を通常通り動かしながら進む、新宿駅の再開発。利用客への影響を最小限に抑えるため、駅構内には緻密に計算された迂回(うかい)路があります。
新宿駅には、西口・東口をはじめAやBといったアルファベットで示されたものなどを含めると、番組調べでは少なくとも138の出口があります。
あまりの多さに外国人観光客は声をそろえて「新宿ダンジョン」、つまり「迷宮」と呼んでいます。この迷宮から抜け出す救世主になっているのが警備員。安全に通行できるように注意喚起するほか、迷った人の道案内のために20カ所に配置されています。
午後1時半、やってきたドイツからの観光客2人組は「都庁に行きたい」と話します。
都庁へ行くには地下通路を真っすぐ進むだけですが、複数の分かれ道でキョロキョロとあたりを見渡している状況。配属1年の三和警備保障・近藤彰太さん(29)さんがこう伝えます。
片言の英語を使い、出口の方向を指し示して案内します。そして地下通路を抜け、目的地の都庁に到着しました。ドイツからの観光客はこう話します。
出口を探しているというスイスからの観光客2人組。これからどちらへ行くのでしょうか?
出口を見つけると、思わずガッツポーズ。地上に上がると、度々スマートフォンに目を向けます。
ようやくたどり着いた店を目にすると、この後すしと刺し身を堪能しました。
ゴジラビル たどりつけない
「東口の出口にある、歌舞伎町に行きたい」
新宿・歌舞伎町の人気スポット「新宿東宝ビル」、通称「ゴジラビル」にあるホテルへ行くのが目的です。
近藤さんは「ゴーストレイト、ライトサイド、ポリスオフィスサイドシー、エレベーターアップ」と案内します。
地上に出ると、スマホの地図を確認しながら進みます。そして、目的地に到着しました。
警備員の近藤さんは「もうだいたいストレイトとかライトかレフトかみたいな感じで、単純な言葉しかしゃべれないので、分かりやすく説明しています」と話します。
新宿駅から離れている「東京スカイツリー」に行きたいという外国人観光客もいます。新宿駅からは都営新宿線を使い、スカイツリーの最寄り・押上駅へ行くよう伝えました。
この日、最も切羽詰まった状況がありました。
新宿警察署に向かうという中国からの観光客。そのわけは、2台持っていた携帯電話の1つを失くしてしまったといいます。無事見つかったのでしょうか?
新宿はどのように生まれ変わる?
工事の責任者の八須さんはこう話します。
今後、新宿はどのように生まれ変わるのでしょうか?小河原さんはこう話します。
(「グッド!モーニング」2025年11月7日放送分より)








