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茨城県水戸市の名産と言えば納豆ですが、その中で「納豆の王様」とも呼ばれる「わら納豆」が今、販売を中止せざるを得ない状況になっています。
納豆包む稲わら確保できず
稲わらに煮た大豆を包み、付着する納豆菌で発酵させたわら納豆。培養した納豆菌で作られたパックの納豆と比べると、独特の風味と強い粘り、しっかりとした食感が特徴です。
水戸黄門像が出迎えるJR水戸駅の北口。その反対側の南口には、わら納豆デザインの記念碑が建てられています。
135年もの歴史があるわら納豆が今、危機を迎えています。1889年(明治22年)創業の「笹沼五郎商店」。初代が当時の水戸鉄道の開通に合わせ、駅前で納豆を販売し「水戸の納豆」を全国的に広めたとされる老舗です。
この店だけでも、年間でおよそ16万本を売り上げる大人気商品・わら納豆。しかし、納豆を包む「わらつと」の確保が難しくなり、創業以来初めて販売を中止せざるを得ない状況になっています。
笹沼五郎商店 笹沼寛代表
「当社が使っているわら納豆のわらの包材は、コンバインで刈ったものではなく、手刈りかバインダーという特殊な稲刈り機で、天日干しした稲わらを使っている。年をとると重労働なので、毎年供給いただける農家が年々減り続けていっている。農家の平均年齢を聞くと、80歳オーバー」
「当社が使っているわら納豆のわらの包材は、コンバインで刈ったものではなく、手刈りかバインダーという特殊な稲刈り機で、天日干しした稲わらを使っている。年をとると重労働なので、毎年供給いただける農家が年々減り続けていっている。農家の平均年齢を聞くと、80歳オーバー」
今年確保できるわらつとは、去年と比べて半分ほどにまで減りました。
「つらい。せっかくこれを求めて、水戸を訪れた人に売りたいけどないというのは、大変申し訳ない気持ちでいっぱい」
来年こそは…稲わら確保を
こうした状況に水戸市も立ち上がりました。農家とタッグを組んだ支援プロジェクトを立ち上げ、わらつとを供給すべく奮闘していますが…。
「市もあげて応援していただいているのですが、バランスがとうとうここにきて逆転してしまった」
来年こそは十分なわらつとを確保したいと意気込みます。
「(わら納豆を)続けていくことは間違いないが、来年に向けてまたわらの確保が非常に難しくなることは想定している。来年の秋の稲刈りの時期に向けて、加工業者と作戦を考えないといけない。観光土産の一つとして水戸市では大事にされている商品なので、どうしても継続的に作って残していきたい商品の一つ」
(「グッド!モーニング」2025年11月25日放送分より)
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