日本人が使用した中古品が外国人から高い人気を集めています。中古品の販売イベントでは、日本の中古は世界一だと、大量に購入する外国人の姿が見られました。
総額20億円セール 破格商品も
先週末、オープン前から200人以上の行列ができていたのは中古品の販売イベント。並んでいたのは、海外からの買い物客。およそ7割が外国人客だといいます。
「友達から『早く並んだほうがいいよ』って聞きました。私たちは午前4時に来ました」
「今回はこのイベントのために来たの。午前5時45分から並んだわ」
「ドイツにはこのような中古品のイベントはないの」
会場にはルイ・ヴィトンやエルメス、シャネルなどの高級ブランドバッグや、ジュエリー、家電などおよそ7万点、総額20億円超えの中古品が並びます。
新品で購入すると、およそ48万円するヴィトンのトラベルキャリーバッグが半額以下の18万円。およそ41万円する旅行用バッグもおよそ12万円と破格の商品もありました。
ブランドバッグ、貴金属、衣類、家電、4つに分かれたフロアはおよそ2000平米。広い売り場で、買い物客はお目当ての商品に向かって急ぎます。
人気のブランドバッグのコーナーはみるみる人が集まり黒山の人だかりになりました。
フランスから来たというバイヤーは新品の半額以下となっているルイ・ヴィトン定番の旅行用バッグ「キーポル」を含めた14点を購入しました。
このイベントのためにカナダから往復9万円をかけて来た女性は、次のように話しました。
「これはお母さんにあげるの。全部で8万円ぐらい買ったわ。カナダで買ったら3倍から3.5倍くらい」
わざわざ来日 体中にカバン…12点
次々に中古品を購入する外国人客。外国人がわざわざ来日して日本の中古品を買い求める理由がありました。
「日本の中古品は15年間使われたものでも、ちょっとした傷と皮が柔らかくなっているくらい。でもカナダでは1年使われただけでも、ごみ箱から拾ってきたみたいになっている」
「日本の中古品は世界一。日本の人たちは物を大事にする方法を分かっている」
日本の中古品の「品質のよさ」。日本人は丁寧にものを扱うため、中古でも品質が良く“ユーズド イン ジャパン”は人気だといいます。
台湾に住むカクさんも、品質の良い「日本の中古品」を求める1人。このイベントのために来日しました。
会場に入るやいなや、狙いのバッグ目掛けてダッシュ。到着から1分も経たないうちにカクさんの左手には、すでに4つのカバンがあります。
「値段は見ません。まず商品の状態と見た目で選びます」
15分後には、体中ヴィトンだらけで、確保したカバンは、なんと12個になります。
「あとから精査します」
台湾の友達からもカバンを買ってくるように頼まれたカクさん。気になる商品をひたすら手に取り、SNSで友達に確認し、数点を購入しました。
その後も、ブランド商品を次々と購入したカクさん。しかし、クレジットカードが使えません。
「先に振り込みしたよ」
「(カード会社から)詐欺に遭っていないか心配されていました」
利用額が大きいため、詐欺にあっていないか心配され、カードが使えなくなってしまっていたといいます。
電話の後、カードは使うことができるようになり、無事に購入が完了しました。
中古市場4兆円規模に拡大 信頼のワケ
6時間以上にわたり中古品を吟味したカクさん。その後も買い物を続け、今回使った総額は…。
「(3日間で)171万円使いました。旅費を掛けて日本に買いに来た方が台湾で買うより価値があります」
外国人客が殺到したこのイベント。海外メディアも注目しています。
「日本の中古販売イベントについて、香港の人たちに伝えるため、撮影に来ています」
香港のケーブルテレビ局が取材に来ていました。さらには。
「TikTokを見て来ました」
「インスタグラムを見て来ました」
一度イベントを訪れた外国人がSNSで発信。それを見た人も訪れているといいます。
「外国の方は日本で買うっていうことがステータスになっていますので。安心して買っていただけるんじゃないかなと思いますよね」
日本の中古市場は、ブランド品だけでなく、衣料品や家電、日用品まで注目を集め、今急成長しているといいます。
2010年にはおよそ1.1兆円だった市場規模は、おととし3兆円を超え、5年後には4兆円規模に拡大すると推計されています。
世界で信頼される“ユーズド イン ジャパン”。信頼されるのは、物の扱いだけではありません。
「偽物の心配が全くないし、とても信頼がある」
「日本の中古品は99.99%本物だって確信している。鑑定の面で日本は世界でトップクラスなんだ」
日本の中古品はチェック体制が厳しく、日本で買ったものイコール正規品という信頼があるといいます。
こうした“日本の中古品”への絶大な信頼は、どのように生まれているのでしょうか?
真贋見極め 徹底調査
都内に本社を構える、買い取り専門店。
「常に店舗と協力体制のもと、二重、三重のチェックを重ねて金額の方をご案内しております」
買い取った商品は「バイヤー向けオークション」に出品。店舗と本社での2度のチェックの後、オークション前に最終チェックも行います。
鈴木隼輔さん
「(1つの商品で)だいたい付属品がついていると、9個とか8個ぐらいは見ますね」
「素材の質感」や「金具の状態」「縫製の仕上がり」に「ロゴのバランス」など、さまざまな角度からチェックを行います。他にも…。
「きょう午前中ちょうど結構精巧な基準外(偽物)が入ってきた。最初袋に入ってたんですよ、そのバッグに関しては。こっち(下)の袋は本物なんですけど、こっち(上)は基準外(偽物)。ちょっと(文字の)色味が違うのって分かります?偽物の方が青っぽいんですけど」
さらに、バッグの付属品の縫い目にも注目。
「こういうところが。この中の赤い生地なんですけど、 赤い部分が出ちゃってるんですよね」
「(Q.本物だとない?)ないです、ないです」
トリプルチェックを経ることで真贋の正確さは、99.8%を誇るといいます。
日本企業の徹底した検査に中古品を仕入れている海外バイヤーはこう話します。
「この仕事をして1年です。日本では偽物を見たことがないです」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年12月3日放送分より)














