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2025年12月11日 19:41

日中関係悪化で私たちの生活に影響は?担当記者が3つの分野を徹底取材

日中関係悪化で私たちの生活に影響は?担当記者が3つの分野を徹底取材
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 日中関係が悪化の一途をたどっています。このまま続くと、私たちの生活にはどのように影響するのか。各業界の本音を聞きました。

値上げの恐れ 大きな懸念も

100円ショップぴっくあっぷ大山店
三坂護社長

「今、店内では約3割が中国製だと思う」

 中国製の商品を多く取り扱う都内の100円均一ショップ。日中関係の冷え込みに、大きな不安を抱えています。

「延長コード、これが中国製。3年前も値上げが著しかった時があって、もともと100円で売っていたが今300円。今、中国との関係が悪化していて品物が止まってしまうとか、再入荷の時に値段が上がる。そういうことが非常に心配な商品」

 現時点で入荷がストップした商品はないといいますが、それが現実となれば待ち受けているのは値上げです。

「(仕入れの値上がりが)5円10円だったら我慢して売るが、100円を超えると売価を変えないと並べられない」

 改善の兆しが見通せない日中関係。私たちの生活にどう影響してくるのでしょうか?身近な3つの業種について、担当記者が解説します。

 まずは、なんといっても欠かせないのがスーパーなどでの食品のお買い物。

 高市早苗総理の国会答弁から1カ月以上が経過しますが、影響は出ているのでしょうか。

食品への影響
食品への影響
経済部(小売り担当) 石橋侑子記者
「すでに影響が出ていると話すのが大手ディスカウントストア。この店は、外国人観光客が多く来店するといい、中国人客が減っていることで、その分の売り上げが減少しているといいます」
「また、ある大手コンビニも、最近はSNSの広がりによって日本のコンビニの人気が高まっていることからインバウンドの客が増えているといい、観光地の店舗などではすでに影響が出ているということでした」
「一方で、ある大手スーパーに話を聞くと中国産の食品の仕入れなども通常通り行えているそうで、今のところ価格への影響などは出ていないということです」

 ただ、小売り業界は大きな懸念を抱えているといいます。

「あるコンビニ関係者は『食料品の原材料は中国に頼っているものが多くあり、それを切り替えざるを得ない状況になると、価格を維持するのが難しくなる』と話していました」

 また、日本国内だけでなく中国に出店している店舗への影響も不安視しています。例えば、2012年に尖閣諸島を巡る問題が起きた時には、店舗が破壊されるなどの行為が起きたそうです。

現状は落ち着いているが…
現状は落ち着いているが…
「複数の小売り関係者が注視しているのは中国の国民感情です。現状は、現地の店舗も落ち着いて通常通り営業しているということですが、個人レベルで反日感情が湧き始めたら影響は大きくなると話しています」
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日中対立 給料にも影響…?

 続いては、「すでに中国人客が減っている」との声も上がってますが、大きな影響が懸念されるのが観光業界です。

 中国外務省は11日、日本への渡航を自粛するよう改めて国民に呼びかけました。今度は「青森県沖で地震が発生し、後発地震注意情報が発表されているから」などと理由を説明しています。

 果たして、観光業界は今…。

観光業界は
観光業界は
経済部 村野俊デスク
「大手旅行代理店に話を聞くと、確かに高市総理の発言以降、中国からの旅行の予約は減少していて、当然その分の収益は減っているそうです。ただ、日中関係が悪化する前から旅行各社はグローバル事業に力を入れていて、いまや中国だけに依存しておらず、ダメージは最小限だとも話しています」

 日本に訪れる外国人観光客の数は中国人以上に、欧米などからの客の伸びが顕著だといいます。

「加えて、旅行代理店の関係者は『観光は減っても出張が残っている。法人需要は手堅い』とも話していて、ある大手航空会社の関係者も『キャンセルは一定数あるけど、機内がガラガラというわけではない』と現状を語っていました」

 飛行機の場合、仮に中国便が飛ばせないとなっても機体を別の路線へ切り替えることがすぐにできるといい、毎日1便しか飛んでいないところを2便にするなどして対応するそうです。

期待感も?
期待感も?
「もちろん『日本への旅行の自粛が長続きすれば、ボディーブローのように効いてくる可能性はある』と話していましたが、『それ以上に国内を旅行する日本人からはオーバーツーリズムが解消されることや、宿泊費が安くなることへの期待感もある』というのが現状だということです」

 では、この業界はどうでしょうか?

経済部(電機担当) 松岡大将記者
「最悪の場合、多くの人の給料に影響が出ます」

 日本の基幹産業である電機や自動車などの製造業。日中の対立が働く人たちの給料にどう影響するのでしょうか?

 日中関係の悪化が私たちの生活に影響するのか?洗濯機や冷蔵庫はもちろん、生活するうえで欠かせない家電製品ですが、実は…。

製造業は
製造業は
「日本の電機メーカー各社の関係者は『ほとんど影響はないのではないか』と口をそろえます。というのも、かつて日本の主力だった家電事業は中国などのメーカーに押され、そういったメーカーに製造を委託したり、傘下に入っていたりするところが多いんです。仮に、今後、日中の対立によって中国で製造した製品が輸出トラブルで入ってこないということがあったとしても、影響を受けるのは親会社の中国メーカーなので、今のところそうしたトラブルは起きないのではないかとの意見が業界では多いんです」

 つまり、日中関係の冷え込みが家電の製造や価格に影響する可能性は、現時点で低いということです。一方で…。

「気になるのはレアアース輸出規制」
「気になるのはレアアース輸出規制」
「気になるのはレアアースの輸出規制です。レアアースとは、電気自動車などのモーター用の磁石に欠かせない重要鉱物で、中国は世界生産の多くを占めています。この輸出が止まれば、最悪の場合、自動車の製造が止まってしまいます。自動車は日本の基幹産業で、メーカーだけにとどまらず、日本国内の工場で多くの人が働いています。その人たちの給料にも影響が出る可能性があるんです」
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