年末に食べる機会が増えるホタテが歴史的な不漁で高騰する中、西日本で特産の見た目がそっくりでお得な“ある貝”が注目されています。東京都内でも食べることができるといいます。
味そっくり肉厚&濃厚「南国のホタテ」
缶を開けると出てきたのはカラフルな貝。熊本県天草産のヒオウギガイの蒸し焼きです。とにかく目を引くのは貝殻の色。オレンジ、黄色、紫、赤などの鮮やかな貝の中には、ホタテのような貝柱が。別名「南国のホタテ」と呼ばれています。
縁起の良い見た目から、西日本では年末年始にヒオウギガイを贈る風習があるといいます。
味は濃く、しっかりとした味わいと甘さが口いっぱいに広がります。貝柱は肉厚で弾力があり、味もホタテそっくりです。
「うまい、うまい」
「(Q.ヒオウギガイ食べたことありますか?)初めてですね。ホタテより小さいけど味は濃い」
「三毎」では大ぶりの北海道産のホタテ1枚が1320円、ヒオウギガイは660円で提供しています。
「ホタテと倍くらいの金額の差があるので、ヒオウギガイの方がより食べ頃な金額でいただける」
ヒオウギガイは西日本が特産。海の中で養殖され、1年〜1年半で食べ頃に。水揚げされた時には、フジツボや藻などがくっついていてカラフルな見た目は分かりませんが、金属製のブラシで磨いて付着物を落とすと、鮮やかな貝が姿を現します。
上席主幹研究員 木藪仁和さん
「人工的なものじゃないかというご質問もあるんですが、天然の色です」
「(Q.色が異なるのはなぜですか?)これはもう遺伝ですね」
北海道や青森県などでは、ホタテが歴史的な不漁に。中でも北海道では水揚げ量が前年に比べて、16.9%減の33万6000トンにとどまる見込みで、6年ぶりに40万トンを下回る可能性も。
シャキシャキ&さっぱり味 関東近郊でもまれに水揚げ
番組が調査していると、西東京の飲食店からホタテに劣らぬ味の貝を仕入れたという情報がありました。
箱に入っていたのは、赤褐色の貝。愛知県産のツキヒガイです。この貝の特徴は?
「赤側が太陽で、裏側が月」
これをホタテと比べてみると…。
「(左が)ホタテです。(右が)ツキヒガイです。殻の形もそっくりだし、身の入り方も非常に似ております」
大きさはほとんど変わりません。西日本で流通することが多い二枚貝です。
味はホタテとそっくりですが、シャキシャキ感が特徴で、よりさっぱりとした味わいで楽しむことができます。身は透明感のある乳白色で、みずみずしさが際立っています。
愛知産のツキヒガイは1枚330円。「田無漁港直売所」で売られている北海道産ホタテの半額です。
「おいしい。(ホタテの)半額だったら安いね」
客(60代)
「シャキシャキ・コリコリする感じが好きだから、それがこっち(ツキヒガイ)の方がホタテよりかある」
「(客から)ホタテの甘さそっくりで、お値段が安いので、すごく安くて楽しめるねという声は聞こえます」
関東近郊では、三浦半島周辺でまれに水揚げされることがあるということです。
(「グッド!モーニング」2025年12月19日放送分より)






