フランス・パリのルーブル美術館で14日から導入されたのが「二重価格」です。外国人観光客の入館料はおよそ4000円から5900円になりました。続々と海外で導入が進む二重価格ですが、日本の社会でもなじんでいくのでしょうか。
“二重価格”日本でなじむ?
パリを象徴する観光名所のルーブル美術館は、14日から新たな料金体系になります。二重価格が導入されます。
ルーブル美術館の新たな入館料は、ヨーロッパ以外からの訪問客の入館料が10ユーロ値上がりし32ユーロに。日本円でおよそ5900円となります。老朽化に伴う大規模改修のための値上げですが、EU加盟国などヨーロッパに住む人の入館料は据え置きです。
住む地域などによって料金を分ける二重価格は、世界の観光地でも広がっています。ニューヨークのメトロポリタン美術館や、世界遺産のエジプトのピラミッド、インドのタージマハルなどでも導入。
そして日本でも、去年7月にオープンした大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」は、外国人よりも国内在住者が割安な料金に。
さらに政府は、多額の公費が投じられている国立の美術館や博物館に外国人料金を設定することを検討しています。
飲食店で物議も 検討すすむ
日本で二重価格はなじんでいくのでしょうか。
「二重価格設定をやることによってリスク背負ってやっている」
二重価格を導入している大阪のラーメン店では、今年に入り外国人とのトラブルが起きていました。
日本語で書かれたラーメンは1000円ほど。英語表記のラーメンはおよそ2000円ですが、その分、インバウンド向けの味付けや具材が入った特別仕様にしていたといいます。
外国人観光客が差額の返金を要求。店員と口論に発展したということです。
“二重価格”どんな批判?
東京都内にも二重価格を導入した飲食店があります。
米満尚悟オーナー
「日本人・国内在住者であれば、1100円値引き5478円で案内」
カニやイクラなど豪華な海鮮の食べ放題が売りのこちらのお店。おととしのオープンから、国内に住んでいれば値引きになる二重価格を導入しています。その目的は?
二重価格にすることで外国人観光客の数を抑えて、人件費などのコストダウンを図っているといいます。しかし…。
一体どんな批判があったのでしょうか。二重価格導入の現実です。
外国人のアカウントから「今すぐ二重価格をやめるか店を閉めろ」などとメッセージが送られてきたといいます。それでも人件費などを削減するために、今後も今の価格を続けていくということです。
多くの外国人観光客が訪れる「豊洲千客万来」の海鮮丼専門店。豊洲市場直送の新鮮な本マグロをふんだんに使った丼は、二重価格を導入せず、日本人と外国人も同じ価格です。
「皆が同じ価格がいい。そのほうが公平だと思う」
「僕の意見は違う。二重価格でいいと思う。観光で来る人はお金を持っているから」
「国籍などそういうところ、日本人と見た目が変わらない人もいっぱいいるから、そこを1回1回確認して違うからいくらアップですって、そのやりとりが難しいと思う」
民間運営 いっそうの丁寧な説明
観光業に詳しい専門家も見極めが課題だと指摘しています。
西川亮准教授
「1つはパスポートで判断する方法もある。日本に在住している外国籍の人が多くいるのでパスポートでは不十分。マイナンバーカードも1つの方法だが普及率が100%ではない。これが最善の策だというのは、まだ見えていない」
二重価格が受け入れられるために必要なのは“納得感”です。
国立の博物館など公的な施設の場合は、多くの税金で管理・維持されていることから、税金を納めていない外国人観光客が高い入場料を支払うことは納得しやすいといいます。
一方で、民間が運営する飲食店などでは、よりいっそう丁寧な説明が求められます。
(2026年1月14日放送分より)









