地方への移住に関心が高まるなか、東京でも3人に1人が興味を示すという調査結果が出ています。移住専門誌が選んだ注目の4つの街と、その人気のポイントを聞きました!
半径2キロですべて完結?
リモートワークの普及もあり、年々希望者が増え続けている移住。そこで毎年「住みたい田舎ベストランキング」を発表している、宝島社発行「田舎暮らしの本」の生川貴久編集長に移住におススメの市町村を挙げてもらいました。まずは……。
「まずは長野県の宮田村です」
「宮田村、はじめて聞きました」
都心から車で約3時間、長野県の南部に位置する宮田村は、アルプス山脈を見渡せる自然豊かな村です。おいしい水やブドウで作るワインやウイスキーが、地元の名産品として有名です。
日常の中に自然がある生活に憧れ、宮田村への移住相談件数は年々増えていて、近年では空き家が出るとすぐ埋まってしまうほど。住みたい田舎ベストランキングでは、ここ5年、1位と2位を出し続けている人気の村。その理由は、田舎暮らしなのに不便ではない、コンパクトな村づくりにあるんです。
「コンパクトとは?」
「中心地から半径2キロ以内のエリアで、すべてが完結するというようなイメージです」
「自転車があれば、どこにでも行けるという形です。そこの中にスーパー、コンビニ、もちろん市役所も。生活利便施設がぎゅっと詰まっているので快適」
田舎暮らしのデメリットといえば、スーパーや病院が遠くて車がないと生活ができない、そんなイメージを持つ人も多いと思いますが、宮田村は生活圏を半径2キロ内に集めることで、超コンパクトで暮らしやすい村を実現。田舎の村は不便というイメージを払拭したのです。
実際に2年前、東京から宮田村に幼い子ども2人を連れ移住した尾野夫婦に、どんな生活なのか聞いてみると…。
「不便さは感じないですか?」
「不便さというのは全然感じなくて、むしろ東京よりも、子育て世代にとっては住みやすい」
「東京ってすごい渋滞するじゃないですか?それが本当になくて、車を運転する面でもストレスないですし、車を運転できない方でもコンパクトだからこそ、歩いて買い物に行けるのも暮らしやすさを感じています」
「本当に歩いて行けるんですね。買い物に」
「スーパーまで歩いて5分ですね」
「ドラッグストアも5分ですし」
「逆に便利ですね。村だから便利ということを感じました」
宮田村に来て驚いたことがありました。
「村って聞くと過疎ってるイメージ…荒廃しているようなイメージがありますが、逆にすごく整っていてきれいな村」
移住相談窓口やクリニックなど、村のイメージとは全く違うきれいな施設にビックリする移住者も多いんだとか。さらに宮田村が注目されているのは、お試し移住の宿泊施設。長野県では初となるチャレンジを行い話題になっているんです。
「無印良品を展開する『良品計画』と連携して、築55年の古民家をリノベーションして、きれいな状態にして移住体験を楽しんでもらうというような施設ができた」
「田舎の概念を覆されそうです」
「ここまできれいになるのか、という参考になるので、一度泊まってみるのもありかなと」
「ある種のモデルルームみたいな感じですね」
「夢がどんどん膨らむイメージです」
「都会から引っ越す方にとって、清潔感・利便性はかなり重要だと思うんですけど、それも実現しているということですよね」
「そうですね。宮田村が比較的きれいな施設が多いというのも、移住者にとって喜ばれるポイントと思います」
海も山も、そして新幹線も
編集長オススメの移住先、続いては東京から車で約1時間40分。鉄道を使えば約70分で到着するのが、千葉県南東部に位置するいすみ市です。マリンスポーツが楽しめる海や、四季を感じられる山々。海と山ハイブリッドな移住を求める人に大人気です。さらに、最近はやりの移住スタイルも広がっています。
「最近の傾向としては、すぐに移住ではなく、2拠点居住を考える方が多い」
必要な時には東京に戻ってくる2拠点移住が人気で、千葉県のいすみ市はアクセス的にもピッタリの移住先です。週末は港の朝市で海の幸を堪能して、平日は東京で仕事、という移住者もいるんだとか。
美食アワードの街
続いてのオススメ移住先は福井県坂井市です。住みたい田舎ベストランキングの北陸エリアで、なんと4部門全て1位を獲得しました。人気の理由は2024年春に北陸新幹線が福井県内まで伸びたことで、関東圏との距離がぐっと縮まったことです。
そのうえ丸岡城や東尋坊といった歴史や自然も楽しめて、都会と田舎を合わせたトカイナカのバランスが絶妙です。
他にも越前ガニや甘エビなどが有名で、美食都市アワードに選ばれるほど、日々の食卓レベルが高いことが移住者の増加につながっているんだそうです。
最先端の「稼ぐ自治体」
編集長オススメの移住先、最後は?
「茨城県の境町。ここを推したいなと思っています。実はここは最先端がぎゅっと詰まった町なんですよ」
東京都心から約50キロ、都内から車で約70分。茨城県西部に境町はあります。千葉と埼玉に隣接し、古くは利根川水運の拠点として栄えたこの町。極上の霜降りと、甘い脂が特徴の常陸牛や、江戸時代に初めて海外へ輸出された歴史を持つ、さしま茶が特産品として有名です。
4月は菜の花が河川敷を彩り、9月には3万発の花火が楽しめます。住みたい田舎ベストランキングではなんと3部門で1位を獲得するほど人気の町です。人気の理由は最先端の町、そして稼ぐ自治体として大成功していることです。境町の最先端といえば…。
「5年ぐらい前から、自動運転バスを無料で町中を走らせているんです。すごくないですか?」
「人件費の削減にもなりますし、テクノロジーの本当に最先端」
「未来を感じてしまいます」
斎藤ちはるアナウンサーも以前取材に行っていました。
「本当に公道を走っていますね。不思議!」
さらにすごいのが、ふるさと納税寄付金額を1万2000倍にした境町の経営手腕です。地場産地にこだわったふるさと納税の返礼品を開発し、寄付金を8万円から99億円に。その財源を活用して、子育て支援を拡充し、給食費や子どもの医療費、先進的な英語教育やハワイ・ホノルルへのホームステイまで無料で実施。
他にも国からの補助金を活用で、世界的なアーバンスポーツの施設を建設するなど、いち早く未来への投資をしたことが多くの移住者を呼び込むきっかけになったんです。
(2026年1月29日放送分より)









