子どもたちのある物を治すドクター。治癒率95%。子どもたちを笑顔にしつつ、物に愛着を持って使うことの大切さを伝えている。
すご腕!費用ほぼ無料
都内にある2畳ほどの部屋で何やら細かい作業をするのは、角文喜さん(78)。角さんの自宅にはほぼ毎日、子どもたちがやってくる。
ここは何らかの理由で動かなくなってしまったおもちゃを治療する「国分寺おもちゃ病院」。角さんは25年前からおもちゃドクターとして、ひっきりなしに運び込まれるおもちゃの患者を1人で引き受けている。
その治療費は、ほぼ無料だという。
8歳と10歳の兄弟が受け取りに来たのは、ヒーローの変身ベルトだ。
音が出ず変身できなくなっていたが…完璧に治った!
無線操作が利かなくなっちゃったブルドーザー。5歳のともき君が誕生日プレゼントにもらって大切にしてきたという。
無事治療を終えて、ともき君は家に帰った。
これまで1万件 カルテも
さらにその際、必ずある物を渡している。なんと、おもちゃのカルテだ。
修理の詳細がしっかりと記載されている。
修理の過程を知ることで、より愛着を持ってほしいという。
「(Q.これも全部カルテ!?)開院してからのカルテなんですよ」
そんなおもちゃドクターの原点があると案内されたのは、とある施設。ここは東京・国分寺市にある「国分寺市プレイステーション」だ。
0歳から17歳までの子どもが誰でも自由に遊べるこの場所は…。
月に10件ほど壊れたおもちゃが届く、もう一つのおもちゃ病院だ。実はこの施設、角さんにとって特別な場所なのだ。
元々は、特別支援学校で教員をしていた角さん。教材に使用するために知り合いなどから、壊れたおもちゃを譲り受けることもあった。
治す喜びを知った角さんは、教師を続けながらおもちゃ病院を開院。退職後には電子工学も学んだ。
障害のある子ども用に改良
そんな角さんは、当初から研究を続けているものがある。
障害のある子ども用に作ったスイッチだ。例えば、ロボット。専用のリモコンを改良し、先ほどのスイッチをつなげてみる。
すると、本当に触っているか触っていないかくらいの力加減で動いてくれる。色々な日が楽しめそうだ。
この日、角さんを訪ねてやってきたのは、都内在住の齋藤さん一家。持ち込まれたのは、8歳のあんじゅちゃんのオルゴール付きのぬいぐるみ。音が出なくなってしまったという。
3年前に山梨県で離れて暮らす、95歳のひいおばあちゃんからプレゼントされた大切なぬいぐるみだ。
早速、治療開始。ぬいぐるみからぜんまいを取り出すと、問題はぜんまいではなかった。
懸命な微調整は続き、そして治療すること30分…あんじゅちゃんは「治んないと思ってたけど、治ったからうれしかった」と笑顔で話した。
角さんは体が動く限り、この病院を続けていくと話す。
院長が思い描く未来図
角さんはおもちゃのカルテも書いて、愛着を持って、おもちゃを大事にすることを伝えてくれている。
そんな角さんが思い描く未来図がこちらだ。おもちゃのカルテを模して書いてもらった。
2100年のおもちゃのカルテ。これまで角さんが治療したおもちゃの画像というのが、たくさん貼られていて、2100年の未来でも修理したおもちゃを大切に使い続けてほしいという願いが込められている。
また、これからのおもちゃ病院は子どもたちがおもちゃを持ってどんどん訪ねてくるような、より自由で活発な場所になってほしいという。
(2026年2月23日放送分より)










