経済

ABEMA TIMES

2026年2月27日 11:00

匿名の指摘が生む課題「コミュニティノート」の功罪「ついた時点で元の投稿がデマだと認識してしまう」古田大輔が指摘

匿名の指摘が生む課題「コミュニティノート」の功罪「ついた時点で元の投稿がデマだと認識してしまう」古田大輔が指摘
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 X(旧Twitter)に「コミュニティノート」という機能がある。投稿の下に「役に立つ背景情報を追加しました」という注釈で表示されるものだが、この機能によって投稿者が嫌がらせを受けたり、また社会の分断を加速させているという指摘が出ている。「ABEMA Prime」では、コミュニティノートにまつわる問題、課題について当事者や識者らで議論を展開した。

【映像】どっちがホント?実際のポストとコミュニティノート

◆コミュニティノートは「天の声」か「単なる追記」か

コミュニティノートとは

 コミュニティノートは、特定の組織やファクトチェッカーが判定を下すものではない。 一定の条件を満たした一般ユーザーが匿名で協力し、誤解を招く恐れのあるポストに背景情報を補足する仕組みだ。 しかし、その見え方が大きな誤解を生んでいると、2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は指摘する。

 「コミュニティノートがついている時点で『元の投稿がそのデマである』という認識をしてしまう。でも、コミュニティノートは情報を追加する機能。元の投稿もコミュニティノートも両方正しいことがあったとしても、元の投稿が間違っていると認識する。これはコミュニティノートがファクトチェックだと思い込んでしまう側(の問題)」。

 つまり、ノートがついた瞬間に「元の投稿は間違いである」という審判が下ったかのように周囲に映ってしまう。この「お墨付き」のような性質が、投稿者にとっての大きなプレッシャーとなっている。

 この機能によって深く悩まされている当事者の一人が、石川県珠洲市でボランティア活動を行う、おいこらちゃん氏だ。被災地の過酷な現状をリアルタイムで発信しているが、その投稿に度々コミュニティノートがつけられ、ウソつきのレッテルを貼られることに憤りを感じている。

 「政府の発表と、現場でどう運用されてるかは違う。それで、どう運用されてるかと書くと、『いや、政府の発表はこうだ』『ウソつきだ』とコミュニティノートがつけられる。他県から来た支援者や観光で来た人が『復興していない』と個人の主観でポストしただけで、そこに嫌がらせのわけがわからないコミュニティノートをつける人たちのグループがあると、もう能登に関してこれから何か発信しようとか支援しようと思わなくなってしまう」。

◆匿名性に隠れた「攻撃ツール」としての変質

コミュニティノートの仕組み

 本来、情報の正確性を高めるためのツールであるはずのコミュニティノートが、なぜこれほどまでにストレスを生むのか。識者たちは、日本のSNS文化特有の歪みを指摘する。 近畿大学 情報学研究所 所長の夏野剛氏は、かつてのインターネットにあった自浄作用が失われ、攻撃性が増している現状を危惧する。

 「(SNSの)匿名の文化は日本が異常に強い。コミュニティノートも、日本だと匿名文化の延長線上でやるので、ちょっと有名な人や名前が売れてる人、目立っている人に対しての攻撃的なツールに使われることが多い」。

 また、コラムニスト・河崎環氏は、コミュニティノートが投稿者に与える心理的ダメージの大きさを「審判」という言葉で表現した。

 「心理的に自分の投稿に対して、天の声というか審判が下るように見える。ユーザー側も、まるで訂正されたと思う人もいるし、投稿者本人も物言いをつけられたように思ってしまう」。

 コミュニティノートは、リプライ(返信)とは異なり、投稿そのものに紐付いて表示される。 逃げ場のない「注釈」として機能するため、投稿者にとっては自分の意見を否定するものを無理やり立てられたような感覚すらあるという。

 また日本ファクトチェックセンター編集長・古田大輔氏は、コミュニティノートについて、国際的なルールに基づくファクトチェックとは性質が異なるものだと指摘する。

 「コミュニティノートをファクトチェックって呼ぶ人がいるが、コミュニティノートは多くのユーザーが協力して役に立つ背景情報をポストに追加するもの。そもそも正しいか間違っているかを判定するような機能にはなっていない」。

 また、匿名性ゆえの弊害についても指摘する一方、日本における肯定的な側面にも触れた。

 「誰でも書けてしまうし匿名なので、単なる言いがかりや迷惑行為も発生してしまう。ただ、コミュニティノートが全部マイナスなわけではなくて、中には非常に素晴らしい情報が投稿につくことによって、プラスアルファの情報を学べることも多い。世界的な研究でも、日本からのコミュニティノートがすごく多く、しかもそこには役に立つ情報が非常に多い。質の高いコミュニティノートが多い国でもあるとも言われている」。 (『ABEMA Prime』より)

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