中東情勢の緊迫化を受け、16日から石油の備蓄放出が始まりました。ガソリン「200円時代」が迫るなか、価格が一番高い県と安い県を取材すると、1リットルあたり20円以上の違いがありました。
なぜ?ガソリン価格に地域差
ガソリン価格が全国的に急騰するなか、最高値と最安値の県を取材すると、20円以上もの差が。
「(Q.安いのは愛知県(取材した店では)177円)今で?177円?。安いね。安い方がいいよね。山形県は高いっていうもんね」
石油の「民間備蓄」の放出も始まるなか、あなたの街の石油価格は一体どうなる?
数日のうちに、ますます緊迫する中東の海。原油などの輸送の要・ホルムズ海峡を航行できず、多くのタンカーなどが滞留している状況ですが、この影響は、すでに…。
「木曜日以降に来た時に30円ぐらいに上がってて、びっくりして車の中で叫んだ。うわっ!みたいな」
「車に乗るのは毎日。200円ぐらいになったら車乗るのやめようかなと思う」
政府は急騰するガソリン価格を全国平均で170円程度に抑えるため、19日から元売り各社に補助金を支給。また安定供給のために、16日から石油の「民間備蓄」を放出します。
「備蓄を放出すると結局備蓄がなくなるイメージが強い。今はいいかもしれないが、その後がどうなるのか心配」
最高値の山形
政策の“効能”がいつまで続くのかも不透明な中、番組が取材したのは、最新の調査でレギュラーガソリンが全国最高値になった山形です。県内の平均価格は9日時点で、1リットルおよそ170円の全国最高値に。
イラン情勢の悪化もあり、16日は1リットル200円に迫る高値に。
「異常だね。いきなり150円→190円。できるだけ外出しないように。こっちは車がないとダメ」
とにかくガソリンが高い山形ですが、生活を脅かす存在は、それだけではありません。
「(Q.各家庭にタンクがある?)ほぼほぼ設置している」
「必需品。なくてはならないもの」
このタンクの中に入っているのは、部屋を暖めるストーブにも不可欠な灯油です。
取材したのは“隠れ積雪日本一”とも呼ばれる豪雪地帯の近く。灯油の配達サービスが住民を支えていますが…。
石油高騰の影響は、県の名産品にも。
「この場所で4缶使っている。冬場は雪が降ると(ハウスの)温度を保つために使う」
ハウスの中で青く実りつつあるのは、6月に収穫予定のサクランボ。その栽培にも灯油は欠かせない存在です。
ガソリンだけではなく灯油も県民を苦しめる始末。そもそも山形のガソリン価格が高い理由は?
小川竜二郎課長
「東北には仙台の製油所が1つしかない。東北各地に送る時に輸送費が販売価格に影響している」
ガソリンなどを一時的に貯蔵する施設の規模が小さく、仙台から直接陸路で輸送するため、他の東北の県よりもコストが上がっているといいます。
愛知「177円」も
続いて向かったのは、レギュラーガソリンが177円だった愛知県。先ほどの山形のスタンドとは20円もの差があります。実は愛知県、最新の調査ではその平均価格が最も安い都道府県です。
「ニュースなんかで見ると安いかなとは思うんだけど、ありがたいですよね」
愛知の安さの理由を聞いてみると。
「愛知はやっぱり車社会で車を利用する人が多い。少しでも安く。『1円でも安く販売しよう』とやってるんじゃないか。競争も激しい」
「安いって分かったらうちの方に来てくれる」
近隣店舗を見回り、1円でも安く。激しい競争を繰り広げています。
地域間ですでに大きな価格差があるなか、政府の補助金によって、その価格差は一時的にさらに広がる可能性もあると専門家は指摘します。
桃山学院大学 小嶌正稔教授
「補助金の影響というのはその市場の競争次第です。競争の激しい所では早く価格は下がります。逆に競争の緩い所では、逆に高いままある程度在庫量に引っ張られていくということもあると思います。(補助金には)県の間の価格差を縮める効果はありません」
(2026年3月16日放送分より)








