就職や進学など新生活のシーズンを迎えて今、宅配便の取扱数が急増しています。ただ、ガソリン価格が急騰していて、宅配業者にとって非常に深刻な問題となっています。
巨大テレビに苦戦
先週、配達員が運んでいたのは、なんと75型の大型テレビ。玄関に入れるのも一苦労です。
この時期、新生活を始める人の家具や家電で宅配便の取り扱い数が急増しています。
「ちょっと倒していいですか?」
配達員
「はい」
大森さん
「左ギリギリで。引かないで、左ギリギリで」
「そっちから見てどうですか、いけそう?」
配達員
「もうそっち振れないですよね?」
大森さん
「振れないですね」
配達員
「ここで詰まりますよね」
大森さん
「いやぁ、これはしんどいなぁ…」
設置場所は、まさかの2階。階段の幅が狭いうえに途中で折り返しているため、大きなテレビを運ぶことができません。そこで、玄関の外でテレビを取り出し、再び挑戦しました。
「これだったら斜めでいける気がするんですよ。ギリギリまで左攻めてゆっくりいきますよ。一段ずついきましょう」
なんとか、傷つけることなく無事に75型テレビの搬入に成功です。
家具や大型家電の宅配急増
午前6時すぎ、トラックから運び込まれる大量の荷物。東京・立川市や府中市を中心に展開している宅配業者「デリバリーサービス」では早朝から作業に追われていました。
段ボール一つひとつを確認しながら、人の手でルートごとに仕分けしていきます。
この日、配達する段ボールのサイズは通常よりも大きいものが多いといいます。
「家電だったりとか。新生活に向けてのものが増えてきましたね。通常に比べて繁忙期になってくると、倍の荷物の量が入ってきてますね」
3月は、新生活を始める人などによる需要で取り扱う荷物の数が増えるというこちらの会社。一日で運ぶ荷物の数は、この倉庫だけでもおよそ1500個。通常の倍の量です。
ドライバー歴12年の大森洋明さん。この日は37件の配達を担当します。
「(インターホンごしに)配送です」
「その上に置けばよろしいですか?」
女性
「はい」
大森さん
「(テレビを玄関に置く)失礼します」
テレビや折り畳みベッドなど、大きな荷物を順調に配達していく大森さん。しかし、こちらのマンションでは…。
「(Q.どうでしたか?)お客様不在でしたね」
「大きい宅配ボックスだったら、ギリギリ入るかなというサイズでした。残念ながら空いていませんでした。本当なら持ち帰りたくないんですが、お客様としても早く手元に持ちたいと思うんですけど、それが一番もどかしいところです」
不在のうえ、宅配ボックスに入らない荷物は一度、持ち帰り再配達に。再び荷物を運んでも、配達料金は1回分のみで、追加料金を得られるわけではありません。手間とガソリンが余計にかかってしまうのです。
ガソリン急騰 繁忙期直撃
そのガソリンを巡り、物流業界に忍び寄る暗雲。それは、イラン情勢の影響で史上最高値になったガソリン価格です。宅配業界にとって大きな負担になるといいます。
「かなりやっぱり厳しいと思いますよね。負担増でしかないので。急きょ値上がりがあってというところなので、変えようもない」
コストに直結するガソリンの高騰。配送料の改定や値上げで吸収する方法もありますが、すぐには対応できない事情があります。
「年明けに、だいたい1年に1回か。運賃の交渉をしてですね。4月に上げさせてくださいという話なのが、交渉が決まった後で燃料が高騰というふうになって。最悪のタイミングですね」
3月ならではハプニングも
新年度を前にした、この時期ならではのハプニングも…。
「(インターホン押すけど鳴らない)エラーですね」
「(Q.今何が起きたんですか?)おそらく新しく引っ越してきて、まだ入居前で、インターホンがつながっていない」
「(Q.鳴らなかったですよね)そうですね。この時期は特にこういうことがよくありますね」
インターホンに電気が通っておらず呼び鈴すら鳴らないという、まさかの事態。すぐに受取人に電話しますが…。
「…出ませんね」
結局、この荷物も持ち帰ることになりました。
「お客様もその日に来るって分かってはいるはずなんですけど…」
受取人の不在による電話での確認や、再び荷物を積み込む作業には。わずかとはいえ時間がかかります。
その「わずかの時間」の積み重ねが配達時間に大きな影響を与えることに。そんな時は…。
「(トラックから荷物を取り出し、別の車へ持っていく)じゃあよろしくお願いします」
「(Q.今何をされていたんですか?)(先に配達を終えた)フリーの1トン車に、これから置いてくる荷物を少しお手伝いお願いしました。終わり次第応援していただくというのは、結構チームの連携でやっております。効率よく配達できるということですね」
依頼された日時に荷物を届けるため、ドライバー同士が助け合います。
「この流通業界で特にみんな集中していますね、3月は。非常に荷物量としてはこれから増える一方で、家電製品や家具と、非常に増えてくるかなと予想はしています」
配送時に家具・家電の設置
この会社では、去年の春から希望があれば配送時に家具・家電の設置も行っています。
洗濯機を室内に運び、ホースの取り付けなど、手際よく作業を進め、給水・排水のテストまで、10分足らずで作業終了。
「(Q.一日(設置で)どれぐらい回る?)多い時10(件)超える時もありますね」
こうした設置の際にも、この時期ならではのハプニングがあるといいます。
「水道が通っていないから、電気が来ていないから、洗濯機の試運転ができなかったとか、配達はできて、セッティング、配線もできるんですけど、最後(動作確認)だけできなかったとかというのはたまにあります」
年度末で大忙しの宅配業界に追い打ちをかけるガソリン価格の急騰。今後の宅配料金はどうなるのでしょうか。
(2026年3月19日放送分より)














