経済

モーニングショー

2026年4月15日 16:00

イラン情勢 食料品にも影響 野菜値上げ検討 出漁制限も 原油高&円安のWショック

イラン情勢 食料品にも影響 野菜値上げ検討 出漁制限も 原油高&円安のWショック
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イラン情勢の影響を受けて、食料品にも値上げの兆しが出ています。

さらに今後は、円安と重なる“ダブルショック”となる可能性もあります。

■コスト増で野菜の値上げ検討 卵に異変 養鶏農家に打撃も

イラン情勢が農業と漁業に様々な影響を与えています。

ハウス栽培をしている農家です。
ナフサが原料のハウスを覆っているビニールや野菜を包装するプラスチックフィルムが3割値上げするということで、栽培しているほぼすべての野菜を5%値上げすることを検討しているということです。

農園の伏田社長は、
「作業の合理化、機械化とか製造コストを下げる努力はしているが、もう追いつかない」と話します。

シラス漁の漁船は原油の供給不足で船の燃料である軽油が十分に確保できない状況で、軽油の給油回数を月2回まで、漁に出るのも週に3回までと制限されています。

漁協の伊澤課長は、
「早く戦争が終結して 潤沢に燃料が入って制限なく軽油も入れられて出漁できる形にしてほしい」と話します。

さらに養殖に使う魚粉の価格への影響も懸念されています。

養殖のブリやタイのえさとして使用される魚粉は、輸入品の約1割を中東のオマーンから調達していますが、海運の混乱で入手できない状況となっています。

国際的にはすでに値上がりが始まっていて、魚粉の主産地のペルーからの輸入価格は2025年に比べ、1.6倍になっています。

鹿児島の漁協では、飼料会社からの購入費用が15%値上げしています。

漁協の担当者は、
「魚粉の値上げは養殖業者にとって痛手。これ以上仕入れ値が上がれば、値上げを検討せざるを得ない」と話します。

今後、卵にも影響が出てくる可能性があります。

イラン情勢に伴う海上運賃の上昇で、夏以降に、輸入飼料代が大きく値上がりする可能性があります。

日本養鶏協会の岡田副会長は、
「(半年以上先の話として)飼料の値上げに耐えられない。養鶏農家の廃業で、供給が減る可能性もある」と話します。
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■食料品“世界同時”値上げ 肥料不足が拍車 日本への影響は

食料品の値上げは、世界で起きています。

国連食糧農業機関が出した、3月の世界の食料価格は、
砂糖が前月比、7.2%上昇、
小麦が、4.3%上昇、
植物油が5.1%上昇したということです。

食料価格上昇の理由の一つが、肥料価格の高騰です。

野菜などの肥料の原料である尿素中東産が世界市場の4割を占めていますが、ホルムズ海峡の封鎖などで供給が滞っています。
尿素肥料の国際価格は2月から3月で54パーセントも上昇しています。

国連食糧農業機関は、
原油と異なり肥料は国際的に調整された戦略備蓄がない。供給網の混乱を管理するのは、より難しい』として、危機感を示しています。

オーストラリアでは、尿素の国内供給量の60%を中東から輸入していて、国内の尿素は5月上旬までしか、生産者に供給できないと推定されています。
それに伴い、2026年の小麦生産量が2025年より約12%減少する可能性があるということです。

日本はどうなのでしょうか。

鈴木農水大臣は、
ことし春に必要な肥料は、ほとんどの農業者が調達済みであるため、当面の影響は限定的。ただ、秋作業以降に使用する肥料原料の調達 価格の動向はしっかりと見ていかなければならない」と述べています。
JA全中の神農会長は、
「(肥料など)物はあるけれど価格が上がるという心配は多くの生産者から聞かれている。今後、農産物価格への影響は避けられないという不安を生産者は持っている」と話します。
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■原油高&円安 物価に“Wショック”の恐れ

イラン情勢に関連した物価高は、原油高騰と円安のダブルショックが起き、より深刻な状況になる可能性があります。

WTI原油先物取引価格は、日本時間4月13日時点で、1バレル99ドル台でした。
(1バレルは約159リットルです。)
イラン攻撃前の2月27日時点と比べて、約32ドル上昇していますが、円安が進むとさらに負担が増えるといいます。

例えば、原油を1バレル99ドルのときに1ドル=115円で買うと、1万1385円です。
一方、原油を1バレル99ドルのときに1ドル=160円で買うと、1万5840円です。
同じ量を輸入しても、円安で負担が増えることがわかります。

イラン攻撃後の為替の推移です。

2月27日、攻撃前は1ドル=155円台でしたが、3月27日、戦闘長期化への懸念で、約1年8カ月ぶりに一時1ドル=160円台に下落しました。
4月13日は1ドル=159円台でした。
イラン攻撃前と比べると4円から5円、円安が進んでいます

さらに、『有事のドル買い』という現象があります。

戦争など“有事”が起きた際に、安全で流動性が高いとされるドルに世界中から資金が避難することです。
円が売られ、一層の円安要因になります。

慶應義塾大学総合政策学部教授の白井さゆりさんです。
原油高と円安のWショックが起きると、
「電気代や食料品をはじめとした物価上昇が加速企業経営をより圧迫する」といいます。
政府にジレンマもあるといいます。
「政府は減税や財政出動をしたいが、新たに国債(借金)を発行すると円安を促進する可能性も。国民目線で『いらなくなった支出は切る』ことができるかが重要」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年4月15日放送分より)

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