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2026年5月19日 16:00

『物価高倒産』過去最多に ナフサ不足が追い打ち“オイルショック倒産”の懸念も

『物価高倒産』過去最多に ナフサ不足が追い打ち“オイルショック倒産”の懸念も
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ナフサの不足が、企業の経営を悪化させる中、4月から、倒産する企業が増えています。

物価高倒産が、過去最多のペースとなっています。

ナフサ不足と物価高でダブルピンチになっている企業について見ていきます。

■価格転嫁できず『物価高倒産』過去最多 原材料高騰が直撃

物価高での倒産が増えています。

物価高での倒産は、4月に108件ありました。
前の年の同じ月に比べて5割増えています
1カ月の発生件数は過去最多
年間の最多を更新する可能性もあるペースです。

物価高倒産というのは、具体的には、原油や燃料、原材料など、仕入れのが上昇
物価が上昇した分を価格に転嫁できず、収益が維持できずに倒産、ということが起きています。

主な要因です。

原材料の値上げが63件
人件費の値上げが24件。
電気、ガスなどエネルギーの値上げは16件。

■輸入食品店 経営破綻 コーヒー豆高騰&円安のWパンチ

経営破綻したケースを見ていきます。

輸入食品などを扱う、ジュピターコーヒーという1971年に創業した企業です。
全国に約90店舗。
年間の売上高が100億円を超えていました。
コーヒー豆を主力に、輸入食品やお菓子、調理済み食品、酒類などを販売していました。

ジュピターコーヒーは、コーヒー豆や食品価格の高騰などがあり、2026年1月に経営破綻
現在は投資ファンドに継承して、一部店舗は営業を継続しています。

コーヒー豆の高騰についてです。

輸入した生の豆の単価です。
2020年は1キロ289円でした。
2023年は1キロ571円に値上がり。
2025年は1キロ1010円になりました。
2020年と比べて、約3.5倍の値段です。
悪天候が続いて供給が滞り、世界的な備蓄が減少したことが一因だといいます。

帝国データバンク情報統括部長の藤井俊さんです。
原材料の高騰に円安が加わることによって輸入価格がさらに上がってしまい、企業にとっては採算性が悪化。円安が過度に進むと経営破綻する企業も増える

円安と企業の倒産件数についてです。

5年前の2021年4月は1ドル109円台で、1カ月の倒産件数は489件でした。
2026年4月は、1ドル159円台と円安が進み、1カ月の倒産件数は899件と増加しました。

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■スーパー閉店 なぜ価格転嫁できない?企業負担の実態

価格転嫁できず閉店した事例です。

ある地元密着型のスーパーです。
50年以上、複数店舗で営業していました。
2〜3年前から、毎月仕入れ元から商品の値上げの連絡が来ました。

値上げ幅は、コーヒーやチョコレートは、約2倍
そのほかの食料品も2割から3割程度値上げ。
2026年2月、物価高の影響などで全店閉店しました。

仕入れ値上昇への対応は、仕入れ値が上がった分の一部は販売価格に転嫁していました。
しかし、一番困ったのは、仕入れ値以外の光熱費や人件費の値上がり分でした。
販売価格に転嫁できなかったといいます。

なぜ価格転嫁できないのか、スーパーの経営者です。
「値上げしたら客は少しでも安いところを探して、そこへ行ってしまう。大手スーパーなど競合店の中で、ウチだけが値上げしたら、客に買ってもらえない

帝国データバンクの調査です。

コストの上昇分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁しているかについて、
すべて転嫁できている企業は4.7%。
まったく転嫁できていない企業は10.9%

どの程度価格に転嫁できているのでしょうか。
価格転嫁率は平均42.1%です。
例えば、仕入れやコストが増えて100円値上がりしても、実際には42.1円しか販売価格に転嫁されていません
残りの、約60円は企業が負担しています。

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■物価高 大企業も影響 生産終了や値上げに

物価高騰の影響は、大手企業にも出ています。

生産終了です。

べビー用品大手の『ピジョン』は、5月14日、ベビーカーなど23品目2026年内をもって生産終了とし、販売も順次終了すると発表しました。
原材料費の高騰や物流コストの上昇により、安定的な供給が困難になったためとしています。

値上げです。

大王製紙は、5月15日、『エリエール』ブランドのトイレットペーパーや生理用品、紙おむつなど、家庭用・業務用の全品を8月1日納品分から、15%以上値上げすると発表しました。
中東の情勢不安による原材料コストの上昇などのためとしています。

デザイン変更です。

食品メーカーの『カゴメ』は、5月14日、『カゴメトマトケチャップ』のパッケージのトマトのイラストを減らし、一部透明にします。
5月下旬から、順次デザインが変更されます。
中東情勢の影響で下地に使用する白いインクの供給が不安定になっているため、ということです。

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■ナフサ不足 建設業で影響大「2カ月続けば廃業」

ナフサ不足で、“オイルショック倒産”の懸念も出てきています。

建設業への影響です。

埼玉県川越市にある、美光塗装です。
主な業務は、戸建て住宅の外装塗装の塗り替えを行っています。

仕事に必須である『塗料』について、主な塗装の工程は2種類あります。
接着剤となる『下塗り』の後に、『上塗り』をして完成です。
ただ、下塗り用の塗料は出荷停止、上塗り用の塗料は出荷遅れと、メーカーから連絡があったといいます。

現状について、美光塗装の鯉渕社長は、
「いまの現場は販売店にある塗料の在庫をなんとか出してもらった最後の現場」と話していて、このあと5件ほど仕事が入っていますが、現段階ではいつ作業ができるかわからない状態だということです。

客側は、状況を理解して、待ってくれています

塗料の原料です。

外壁塗装で使われる塗料やシンナーの原料は、石油製品の『ナフサ』です。
そのナフサ不足が指摘されています。

中東情勢悪化の影響で値上げなどが相次いでいます。

5月17日時点までの各社の発表によると、塗料やシンナー製品について、日本ペイントは、75%の値上げを発表。
エスケー化研は、15〜30%の値上げを発表しています。

他にも住宅建設に欠かせない屋根材や雨どい、壁材や床材、ユニットバス、断熱材などについて、値上げや受注停止などが発表されています。

値上げについて、美光塗装の鯉渕社長は、
作業の1〜2カ月前に契約するが、その間にどんどん値上げしていた。当初の見積もりよりも大幅に料金が上がっているが、『差額分を上げさせてください』とは言いづらい

鯉渕社長の仕事仲間の塗装業者は、ゴールデンウィーク前から仕事ができず、運送業や宅配の仕事で生活をやりくりしているということです。

中小零細企業の声です。

別の塗装の会社です。
「材料が入ってこなくて仕事が出来ないため、引き渡しができず工事代金が入ってこない。この状況が2カ月続けば廃業になる
足場の会社です。
塗装業者の仕事がなくなり、並行して自分たちの仕事もなくなっている。現場自体がなくなり、組んだ足場を撤去する事態にもなっている」

ナフサ不足に、政府は、ナフサ由来の化学製品について、年を越えて継続した供給ができる見込みだとし、必要な量は確保できているとしています。

今後について、帝国データバンクの藤井さんです。
「今月以降、供給不足がさらに深刻化すれば、時間差をおいて(オイルショック)倒産が発生する可能性が高い

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年5月18日放送分より)

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