経済

ABEMA TIMES

2026年8月10日 14:00

28年ぶりの日米協調介入、“アメリカ側のメリット”は何? さらなる為替介入はある? 記者が解説

28年ぶりの日米協調介入、“アメリカ側のメリット”は何? さらなる為替介入はある? 記者が解説
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 1ドル=164円に迫る歴史的な円安が記録される中、日本とアメリカは米国東部時間7月31日に協調して円を買う為替介入を実施した。この協調介入の発表後に円相場は155円台まで円高方向に動いた。日米による“円買い”の協調介入は、およそ28年ぶりとなる異例の事態であり、その背景や今後の見通しについてテレビ朝日経済部の平山明秀記者が解説した。

【映像】「アメリカ側のメリット」は?

 今回の協調介入は市場では相当な衝撃をもって受け止められているが、アメリカ側にもメリットがある。過度な円安はアメリカに輸入される日本製品が割安になり産業の脅威になる。そのため介入で円高方向に動かすことで日本の競争力をそぐ狙いがあると市場では指摘されている。また、日本の財務省側が米国債を売却するのではなく担保にしてドルを借り入れる仕組みを紹介した点も特徴的だ。米国債の価格が下がり金利が上昇するのを回避する目的もあるとみられる。

 協調介入が話題になる中、財務省は7日、2026年の4月から6月にかけて実施された為替介入の1日ごとの金額について公表した。公表データによると、4月30日に6兆2787億円、5月4日に7802億円、5月6日に4兆6759億円と、3営業日で計11兆7349億円にのぼるドル売り円買い介入が行われた。このGWの介入直前には三村淳財務官が「最後の退避勧告」や「断固たる措置を取る」と警告を発していた。こうした口先介入から数時間という短い期間で実際の介入が行われたのが特徴だった。

 一部報道もあり市場関係者の間では「国際通貨基金(IMF)のルールにより半年間で3回までしか介入できない」という回数制限の見方も広がっている。しかし、財務省側はIMFの分類に過ぎず「ガイドラインですらない」「介入の制限は一切ない」と完全に否定している。必要であればいつでも市場へ介入を行う構えだ。

 今年に入って、すでに2度のタイミングで為替介入が実施されたが、市場では再び心理的な節目とされる160円台が再び意識されている。放置すればさらに円安が進む状況になれば、追加介入が行われる可能性があると市場関係者は指摘する。アメリカのベッセント財務長官もSNSでさらなる協調介入への参加をためらわない意向を示しており、市場では引き続き高い警戒感が続く。今回の介入による円高効果でエネルギー価格などのインフレ圧力が一定程度弱まる可能性はあるものの、国民が物価高の落ち着きなど生活実感として効果を得るには、円相場が長期的に安定することが重要となる。

 また、為替介入などのために設けられている外国為替特別会計にも注目が高まっている。円買いの為替介入では「外為特会」が運用する米国債などを売却してドルを調達し円と交換する。過去の円高ドル安時代に購入した外貨建て資産を今回の為替介入で売却したため、大きな利益が出ているはずだという声も聞く。しかし法令上、外貨建て資産を売買した場合、2カ月前の為替レートとの比較で損益が生じる仕組みだ。そのため財務省関係者からは「今回の介入による利益はほとんど出ていないのではないか」という声も聞かれる。為替介入で生まれた剰余金がどこまで食料品の消費減税の財源になり得るかも今後の焦点だ。

(ニュース企画/ABEMA)

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