各社が激しいシェア争いを繰り広げる外食うどんの業界に、「焼肉きんぐ」を運営する企業が新たに参入しました。勝算はどこにあるのでしょうか。
焼肉きんぐ運営 うどん参入
かつお節と昆布など7種類の風味豊かなだしに、もっちりとした麺。黒豚がたっぷりとのっています。
「もちもちしています。中のほうが結構コシがあって、ツルツルなんですよね。おだしがかなり上品でサラッとしているので、さっぱり食べられます」
ここは、今年5月、神奈川県座間市にオープンした「もっちりうどん源次郎」の1号店です。
この日は月曜日にもかかわらず、開店から1時間半で店内の93席は、ほぼ満席になりました。
一番人気は「霧島黒豚の肉讃岐うどん」869円です。一口サイズにカットした宮崎産霧島黒豚のバラ肉を使用しています。
「お肉の脂がこのツルツルを通り越して、コシの部分によく染みますね。お肉のうま味で余計甘さが増しますね。おいしい。肉汁がしっかり感じられますね。ちゃんと噛み応えもあって、満足感が高いですね」
サッと炊きあげ、醤油などで味付けされた豚肉が麺とよく合います。
この店をオープンしたのは、「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」など22ブランドを展開する売上高1239億円(2025年6月期)の物語コーポレーションです。
セルフ式うどん店の市場規模は、去年1949億円に達し、丸亀製麺とはなまるうどんを運営する2社でおよそ8割を占めています。一方、フルサービスのそば・うどん店の市場規模は5800億円と、セルフ式の3倍に上りますが、シェア1割を超える店はなく、いまだ、群雄割拠の状態です。
「セルフサービスの業態は、申し上げる通り上位2ブランドで寡占化が進んでいるのですが、フルサービスは上位ブランドでもシェア率が1割程度と、後から参入しても、まだまだ私たちが取り込める余地があるのではないかと思い。うどんなのですが、フルサービスのほうで勝負しようというふうに決めて、今やっています」
フルサービスで勝負
では、どんな差別化を図っているのでしょうか?
出迎えてくれるのは、入口に設置されたかつお節削り機です。すると、スタッフが席まで案内してくれ、注文の際も、食券機やタブレットではなく、スタッフが対面でオーダーを取るシステムです。
天ぷらは注文を受けてから調理開始。麺と同時に提供できるよう、こんな工夫が。スタッフ同士で声を掛け合い、天ぷらが揚がるタイミングで、うどん調理の準備を開始。揚げたてを提供するために、緻密(ちみつ)に時間配分を行っているのです。
できあがったうどんも席までスタッフが運び、客は動くことなく、食べられます。
「席を動かなくていいので楽です。お店の人とやり取りができるのでとても良いと思います」
「こうやって(うどんを)持ってくるのは、ちょっと大変。だから、ここのがいい」
サービスが手厚い分、人件費がかかるはずですが…。
「セルフサービスのお店では体感いただけないこととか、ここがこうだったらいいのにな、みたいなところって絶対にあると思うんですね。それをすべて私たちが叶えることによって、お客さまが喜んでいただけるだろう」
特注「うどん専用圧力釜」
特徴は、うどんの製造過程にもありました。うどんは粉から店内で仕込み、毎日打ち立てが食べられます。
注目は特注の「うどん専用圧力釜」です。うどんがゆで上がるには、通常の鍋だとおよそ15分かかりますが。
圧力釜でゆで始めると。振動が大きくなって、シューという音もだんだん大きくなってきます。音とともに湯気がもくもくと出てきました。
圧力釜によって、ゆで時間が短縮されるだけでなく、麺の中心までしっかりと熱が入ることで、もっちりとした食感が生み出されるといいます。
「とてももちもちしていて食べやすいです」
「うどんはすごくもっちりしていて、コシがあってすごくおいしいです」
4玉まで同一価格
さらに、この店ならではのうれしいサービスもあります。
驚きなのは、1玉から4玉まで同じ価格!「国産牛煮込の肉讃岐うどん」の場合、1玉食べても4玉食べても、979円です。
「食べる量というのは、こちらで決めるよりもお客さまに決めていただく。人によって違いますので、ちょっとでいいというお客さまから、たくさん召し上がられたいというお客さま、すべてのお客さまの望みをかなえたいというところから、それを実現するということを目標に頑張ってまいりました」
「めっちゃボリューミーで幸せです。あんまりお金を気にせず、たくさん食べられるので、たくさん来てたくさん食べたいです」
「以前来た時に2玉だったのですが、ハマってしまって、永遠に食べ続けたいおいしい味だなと思って」
こだわりのかつお節
卓上には無料のトッピングが並びます。七味唐辛子や天かすのほか、かつお節も。鹿児島県の枕崎産の荒節を使用。その薄さがすごいんです。
薄さはなんと0.02ミリ。極限の薄さで削っています。その理由は、追いだしならぬ追いかつお節。うどんにかけて、食べてみると。
「一瞬でだしが染み込むんですけど、中に入れると透き通っています。かつお節入れると、香ばしさが増しますね。香りが高くなります。スモークな感じを増長させてくれるというか。香りが芳醇(ほうじゅん)になります。かつお節がお肉をマイルドにしますね。油のうま味は生かしているんですけど、よりサラッとさせますね」
0.02ミリの薄さによって、だしに入れた時の口どけがよくなり、よりうま味を感じやすくなるのが特徴です。
3世代で来店できる
さらにこだわりは、訪れる客層にもありました。「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」などを運営する会社が新たに参入したうどん店。店内を見渡すと、さまざまな世代の顔がありました。
メインターゲットはファミリー層。カウンターやボックス席だけでなく掘りごたつ式の席を用意することで、高齢者にも利用しやすい3世代を意識した作りになっています。
なぜ、“うどん”に新たにチャレンジするのでしょうか。
「多くのお客さまから愛されるのではないかと考えて(うどん店を)選択しました。(今後は)まずはやはりよりお客さまにご不満に感じていただかない、ご満足をずっと提供できるように、商品からサービスまですべてを磨きあげていくことを最優先で考えています」
(2026年8月11日放送分より)












