お盆休みにお墓参りをする方もいると思いますが、いま、お墓の選び方が変化しています。
『墓じまい』する人が10年で2倍になっています。
変化する供養の形をみていきます。
■『合葬』のニーズ拡大 「墓じまい」「跡継ぎいない」実情
どのようなお墓が購入されているのか、2025年との比較です。
青が2025年、赤が2026年の割合です。
墓石型の『一般墓』や室内に納められる『納骨堂』は2025年に比べて割合が減少しているのに対し、『合祀墓・合葬墓』は14.6%から16.4%に増加し、『一般墓』『納骨堂』より高い割合になっています。
『合祀墓・合葬墓』とは、複数の遺骨をひとつのお墓に共同埋蔵するお墓で、墓所の管理者が遺族にかわり永代供養するため、子や孫など墓守がいない場合も管理や供養は継続されます。
実際に、『合葬墓』を選んだ人のケースです。
60代女性、都内在住で子どもは3人います。
2024年、夫が他界し都内のお寺の合葬墓に納骨。
そして、2025年、女性も夫と同じお寺の合葬墓を予約しました。
「両親のお墓は埼玉にあったが、管理が非常に大変だったので墓じまいをした。子どもたちに同じ負担をかけたくないので『合葬墓』を選択した」といいます。
両親が『合葬墓』を希望しているケースです。
都内に住む50代女性。
「うちは本家じゃないから、もしもの時入るお墓がないな、どうしよう…」ということで、合葬墓を予約。
「自分たちが亡くなったらそこに入れてほしいと頼まれている」といいます。
『合葬墓』を検討している人のケースです。
「跡継ぎがいなくても、管理や永代供養してもらえるのはありがたい。合葬は選択肢の一つ」だといいます。
■変わる供養の形 急増する『海洋散骨』一般墓の3倍『樹木葬』
続いて、墓じまいについて見ていきます。
墓じまいの件数は、2014年度が約8万4000件でしたが、2024年度は約17万6000件と、10年で2倍以上になっています。
墓じまい後の遺骨はどうなるのでしょうか。
まずは、自治体で遺骨を別の場所に移す『改葬許可申請』の手続きを行います。
その後、合祀墓、合葬墓や納骨堂に移したり、樹木葬や海洋散骨などが行われます。
海洋散骨の件数が急増しています。
集計を開始した2018年は1064件でしたが、2025年は6690件と、7年で6倍以上になっています。
石原慎太郎さんなどの著名人も海洋散骨を行っています。
散骨は、法的に問題がないのでしょうか。
墓地や火葬などに関するルールを定めた墓地埋葬法には散骨に関して記述されていません。
ただ、禁止するという記述もないため、自治体や厚労省などのガイドラインに沿って散骨を行うことは可能です。
『地域住民、土地所有者、漁業者等の関係者の利益、宗教感情等を害することのないよう十分に配慮』することや『海洋の場合、海岸から一定の距離以上離れた海域』で行うという内容が記されています。
海洋散骨を行う神社があります。
福岡・北九州市にある和布刈神社では、2014年に海洋散骨事業をはじめました。
事業開始から11年で累計3700件の海洋散骨を行い、海洋散骨と、それに伴う葬儀事業で、当時より年収が36倍になったということです。
費用は、神社に委託して行う場合、7万円、乗り合わせでの合同散骨は16万円、船を貸し切っての散骨は29万円です。
散骨後は、年に3回行われる慰霊祭で供養することができます。
慰霊祭の様子はユーチューブで配信されます。
個別で命日供養を行うこともできます。
神社では海洋散骨事業をフランチャイズ展開し、海洋散骨を行いたい神社に地域の漁協との交渉や、船会社との交渉の方法などノウハウを提供しているといいます。
「お墓や仏壇という形がなくなってしまうことに迷いもあったが、大切なのは形だけではなく、父を思い出し、手を合わせる気持ちなのだと思い散骨を行った。子どもたちにこれからお墓を守る負担をかけなくて済むことも、散骨を選んだ理由の一つ」と話しています。
「仏教伝来以前に神社で行っていた海への弔いの歴史を現代に紡ぎ、高齢者率が高く、墓の問題で困っている人も多いニーズに応えるため、海洋散骨をいち早く取り入れた」ということです。
続いて樹木葬の一種、神戸市の樹林葬についてです。
まず、購入したお墓に関する調査を見ていきます。
2026年1月の調査では、樹木葬が47.4%と最も多く、一般のお墓と比べ3倍以上となっています。
神戸市では、樹木葬の一種である、樹林葬の事業を2026年から始めました。
この事業に応募が殺到しています。
神戸市は20年間かけて、1600人の納骨を行うことを想定していたのですが、初年度80人募集のところ、1038人が応募し、急遽、要件を満たした人全員を受け入れることにしました。
神戸市がこの事業を始めた理由は、
▼墓じまい・お墓の無縁化増加への対応、
▼自分で生前に墓を考える時代の到来への対応、
▼葬儀や納骨の自然回帰志向の強まり
などのニーズに応えるためだということです。
樹林葬の詳細です。
神戸市北区の『ひよどりごえ森林公園』内の1200平方メートルの敷地を利用して行われます。
整備費は約7000万円だということです。
柵や、案内を設置し、どこの区域が樹林葬の区域かわかるようになっています。
樹林葬では、個々に墓標を設けないため、献花、お供え、線香などは出来ませんが、納骨されている区域の前でお参りをすることは可能です
費用は1人15万円、管理期間は50年の予定で、その後は、自然森林にする予定だということです。
「樹林葬の需要が想定以上に大きかった。今後、納骨できる人数を増やすことを検討する」としています。
続いて、近年需要が増えている、高齢者施設での『施設葬』についてです。
高齢者施設の入居している部屋で、遺体の安置や葬儀を行うことができる、『施設葬』が増えているということです。
施設葬を行っている高齢者施設では、家族や入所者、スタッフによる見送りが可能です。
増加の背景には、死亡場所の変化があります。
2004年は病院・診療所が82.3%、高齢者施設などの介護施設が2.7%だったのが、2024年は、病院・診療所が65.6%と減少し、介護施設が16.3%と増加しています。
「入居者の方から『私たちも故人とお別れしたいし、逆に自分も見送られたい』という要望が多くあった。また故人と長い時間を共に過ごした施設スタッフからも施設でお見送りをしたいという要望が多い」といいます。
■酷暑でリスク 暑さ避ける“夜のお墓参り”や“代行サービス”
猛暑が、お墓参りの方法に影響を与えています。
夏場のお墓参りでは、熱さに厳重な注意が必要です。
墓地では直射日光に加えて墓石からの照り返しもあるので、公表されている気温よりも、体感温度が高くなるといいます。
そのため、『熱中症で病院に救急搬送』されたり、『参拝者が死亡』したりする事例が毎年のように発生しているということです。
暑さを恐れる声も聞かれます。
「一人でお墓に行って倒れたら発見されにくくて危ないと聞き、一人で行かないようにしている」と話しています。
都内の霊園でもここ数年、お墓参り中に暑さで体調を崩す人が出ていました。
東京・江戸川区の證大寺では、お参りの最中に倒れて救急搬送されたり、参拝者が帰宅後に体調を崩したりするケースがあり、参拝者から、
「昼間のお墓参りがつらい。高齢の家族を連れていくのが心配」といった声が寄せられていたといいます。
そこで證大寺が始めたのが、夜のお墓参り『宵参り』です。
證大寺が運営する霊園では、夜でも安全に参拝できるように霊園内の通路をランタンで照らしています。
参拝者には手持ち型のランタンも貸し出しています。
酷暑のなか、お墓参りに行けない人に代わって、石材店のスタッフがお墓の掃除や参拝を代行して、その様子を360度カメラで撮影し、依頼者に届けるサービスも始まっています。
映像はスマホなどで見ることができて、一緒に届く『VRゴーグル』と組み合わせて見ると、上下左右、360度すべての方向を見渡せて、自分がお墓に立っているような感覚を味わえるといいます。
石材店の団体『全国優良石材店の会』が手掛けていて、料金は2万7500円から。
全国どこでも対応しているということです。
スマホを使った最先端のお墓参りがこちら。
墓石に取り付けられた二次元コードをスマホで読み取ってパスワードを入れると、故人の写真や名前、戒名、亡くなった日などが画面に表示されます。
二次元コードとパスワードを家族で共有すれば、お墓に行かずに、離れた場所からスマホを通して故人をしのぶことができるということです。
二次元コードの取り付けや、故人の画像の製作にかかる費用は、3万円からということです。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年8月12日放送分より)
















