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2026年8月18日 15:11

沖縄で広がる「みらいチケット」 協力店は220店舗 根底には“ゆいまーる”精神

沖縄で広がる「みらいチケット」 協力店は220店舗 根底には“ゆいまーる”精神
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 夏休みシーズンの沖縄で、小学生が多く集まる飲食店。実は、子どもたちのよりどころとなる、ある共通のシステムがあった。沖縄県内で広がる取り組みを取材した。

子どもに無料で食事を

 夏休みまっただなか、那覇市にある飲食店「三食堂」ではこの日、子どもたちだけでかき氷屋さんを企画・運営していた。

近隣住民
「こんなふうにして小学校時代に、こういったイベント企画ができると頼もしいね」
タコライス
タコライス

 実はこの店、普段は、沖縄のソウルフード“タコライス”を目当てに子どもたちが集まる「子ども食堂」でもある。

 店を運営しているのは、一般社団法人タコライスラバーズの本仮屋まさみさんだ。

本仮屋まさみさん
本仮屋まさみさん
本仮屋代表理事
「下校時に子どもさんが毎日、三食堂立ち寄ってくださって、おやつを食べたり、タコライスを食べたり、宿題をしたり、子どもさんが安心して行き来できる場所を作れたというのは本当幸せなことです」

 2024年にオープン以来、地元の子どもたちのよりどころとなってきた。

子どもが使って無料で食事ができる
子どもが使って無料で食事ができる

 そんな三食堂、子ども食堂としては、一風変わった仕組みで運営している。それが「みらいチケット」だ。

 店の利用客が自身の飲食代とは別に、みらいチケットを購入。金額は店によって異なるが、マグネット式になっているチケットを店内のボードなどに貼っておく。すると、来店した子どもがそのチケットを使って無料で食事ができるという仕組みになっている。

食で地域の子どもたちを支える仕組み
食で地域の子どもたちを支える仕組み

 つまり、店の利用客も支援者となって、子ども食堂を通して、地域の子どもたちを支えることができる仕組みなのだ。

 チケット購入者はこう話す。

「一人っ子で幼少期に母が病気で、食べることに困っていた時期があって、それで周りの方にいろいろお世話になったことがあって、その恩返しではないんですけども、子どもたちが未来につないでいけるようにと意思を込めてみらいチケットを購入しています」
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協力店は220店舗

沖縄は全国と比べひとり親家庭の割合が多い
沖縄は全国と比べひとり親家庭の割合が多い

 実は沖縄は、全国と比べひとり親家庭の割合が多く、子どもの貧困の実態が深刻な状況にある。

 「子どもたちのおなかも、心も満たすことはできないか…」本仮屋さんたちは6年前から、みらいチケットを始めた。現在、みらいチケットの協力店は、沖縄県内で220店舗まで広がっている。

 チケット導入の第一号店があるのは、アメリカ軍基地のある金武町だ。

リカモカカフェ 山川梨香オーナー
リカモカカフェ 山川梨香オーナー
リカモカカフェ 山川梨香オーナー
「子ども食堂ってやりたい人がいても場所とか開催する時期とかあるが、これ(みらいチケット)だと普段のお店でできるので、誰もが参加しやすいし協力もしやすい」

 店の向かいにあるアメリカ軍基地キャンプハンセンの関係者もこの取り組みを高く評価してくれたという。

「来られた際にちょっと説明したら、じゃあって言ってカードで20枚とか買ってくれた時には私もびっくりしました」

 夏休みの子どもたちに使ってほしい、みらいチケットを始めて6年。賛同する店舗は飲食店以外にも広がっている。

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次世代への好循環

賛同する店舗は飲食店以外にも
賛同する店舗は飲食店以外にも

 店の利用客が自分の分とは別に購入することで子どもたちを支援できる「みらいチケット」。今や飲食店だけでなく理髪店など、さまざまな店が仕組みに賛同し、参加している。

ギュスターヴバーバーショップ
宮城大弥さん

「本土のほうにいる友達も送金で買ってくれたりとかして、2日ぐらいで50枚以上は売り上げて、みんなすごい考えに共感してやってくれてる」

 みらいチケットに参加する店が感じているのは、次世代へとつながる好循環だ。

たこ焼き みくに 平良瑞明代表
たこ焼き みくに 平良瑞明代表
たこ焼き みくに 平良瑞明代表
「今使ってる子らが大人になって、次の世代へつながるようにいったらいいな。『小学校の時はお世話になりました』って」

 “ありがとうの気持ち”が次世代へとつながっていく。それこそが何よりの喜びだ。

松川修一事務局長
松川修一事務局長
みらいチケットを運営するタコライスラバーズ
松川修一事務局長

「元々(遊びに)来てた子たちが、お客さんに変わるというのもあって。地域の見守りとか、地域貢献プラス地域のお店の支援にもつながっているなと実感」

 地域の人が子どもたちを支えていくみらいチケット。地域の輪が広がっていった根底には沖縄の言葉で“助け合う”という意味の“ゆいまーる”の精神があるという。

“ゆいまーる”の精神
“ゆいまーる”の精神
本仮屋代表理事
「“ゆいまーる”は『美しくめぐる』という意味。人様が集まってくださって、子どもさんの活動を一生懸命応援してくださる。ここで美しい“ゆいまーる”が生まれているなと感じています」
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「みらいチケット」奈良発祥

 次の世代につながる支援の輪を目指しているということだが、この沖縄県内で広まりをみせる「みらいチケット」、実は沖縄県外のお店がモデルとなったそうだ。

「みらいチケット」奈良発祥
「みらいチケット」奈良発祥

 それが、奈良県のある飲食店だ。こちらが始めたみらいチケットの仕組みを手本に、タコライスラバーズの前代表が始めた。沖縄では、複数の店が「協力店」として加わることで、地域で子どもを支援することが可能になったそうだ。

協力店は220店舗
協力店は220店舗

 現在導入しているお店は220店あり、沖縄本島だけでなく宮古島、石垣島などにも協力店がある。

 ただ、応募すれば必ず協力店になれるというわけでもない。深夜営業など、子どもが入れない店は運営側から断る場合もあるそうだ。

「ゆいまーる」とは
「ゆいまーる」とは

 本仮屋さんがこの活動の広がりを表現していたのが「ゆいまーる」という沖縄の言葉だ。協働作業を意味する「結い(ゆい)」と「まわる」を意味する「まーる」がくっついた言葉で「ゆいまーる」なんだそうだ。

 沖縄に昔からある言葉で、元々は複数の農家が協力し、互いの畑仕事を順番に手伝うことを意味していた。現在はそこから発展し、人と人がつながり合い、助け合うことを指す言葉として広く使われているそうだ。

「全国にも広がってほしい」
「全国にも広がってほしい」

 本仮屋さんは、「『ゆいまーる』の精神が、沖縄だけでなく、全国にも広がってほしい」という思いをお持ちだそうだ。

(2026年8月18日放送分より)

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