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2026年8月21日 18:00

クロマグロ漁獲枠拡大へ 一方、太平洋東西で配分問題 放流?日本の漁業制度に課題も

クロマグロ漁獲枠拡大へ 一方、太平洋東西で配分問題 放流?日本の漁業制度に課題も
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 “海のダイヤ”とも呼ばれる高級食材、クロマグロの漁獲枠が25%拡大される見通しだ。ただ、国内の制度について課題が指摘されている。

拡大枠が“取り合い”

 クロマグロは、高級食材であることから「海のダイヤ」とも呼ばれる。ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロなど、世界のマグロ8種類のうちで最も大型だ。

 日本記録は1986年4月、宮崎県日南市の油津港で水揚げされたクロマグロで、体長288センチ、重さ483キロ。握りずしにすると約1万2000貫分になるという。

 水産庁の資料によると、太平洋クロマグロの産卵場は、奄美大島や沖縄などを含む南西諸島から台湾東方沖と、日本海南西部にある。

 今回、漁獲量の拡大で合意した背景を見ていく。

なぜ漁獲枠拡大へ?
なぜ漁獲枠拡大へ?

 クロマグロは乱獲により激減したことから、国際自然保護連合(IUCN)によって2014年、絶滅危惧種に指定された。こうしたこともあり、2015年から国際的な数量管理が始まった。クロマグロの中でも30キロ未満の小型魚は、1トン獲るのを控えると5年後には成長し、12トンの大型魚になることから、特に漁獲が管理されるようになった。

 その結果、産卵できる個体の総重量は2010年に約1万2000トンまで減っていた。ところが、数量管理が始まってから7年後の2022年には約14万トンとなり、回復目標の水準に達した。さらに2024年、これまでの数量管理を続ければ、今後も右肩上がりで増えていくとの将来予測が出された。こうした背景から今月18日、漁獲枠の拡大で合意した。

 その内容を見ていく。全体の漁獲枠については、太平洋の西側と東側で配分された。西側の日本、韓国、台湾が属する「中西部太平洋まぐろ類委員会」が80、東側のアメリカ、メキシコなどが属する「全米熱帯まぐろ類委員会」に20と、8対2で配分された。

 さらに、西側については大型魚の漁獲枠を25%拡大し、小型魚の漁獲枠は6%縮小する。東側では大型魚と小型魚の区別なく、漁獲枠を2%拡大することで合意したという。

漁獲上限などを議論するが…
漁獲上限などを議論するが…

 ただ、この拡大枠が今、取り合いになっているという。今年11月30日〜12月4日、オセアニアのバヌアツ共和国で開かれる西側の年次会合で、加盟する国と地域ごとの漁獲上限などを議論する。

 韓国はかねてから「増枠分については実績に応じた配分ではなく、均等配分すべきだ」と主張している。

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放流で網の修繕費も発生

 日本の漁業制度についても課題が指摘されている。

日本 クロマグロの漁法
日本 クロマグロの漁法

 クロマグロの漁獲枠は日本国内でも、自治体や漁の方法などによって、どれだけ取って良いか上限が決められている。クロマグロ漁には、主に「はえ縄漁」「まき(巻き)網漁」「ひき(引き)縄漁」がある。

 はえ縄漁は、1本の長い縄に仕掛けた多くの針で釣り上げる漁法だ。まき網漁は、魚群を囲むように網を落として閉じ、まとめて取る。ひき縄漁は、漁船から針の付いた糸を引きながら進み、魚を釣り上げる漁法である。

漁獲枠を超える場合は放流も
漁獲枠を超える場合は放流も

 さらに、日本や韓国の特徴的な漁法が「定置網漁」だ。魚の通り道に網を固定し、回遊してきた魚を取る。定置網漁のメリットは、漁場が港から近いことで新鮮な魚を水揚げでき、船の燃料消費も少なく済む。さらに、漁師も自宅から通えるため負担が少なくなる。

 ただその一方で指摘されている問題がある。クロマグロが多く取れても、自治体や漁法ごとに決められた漁獲枠を超える場合は、放流する必要があることだ。

 その際に1匹ずつ網から外す手間がかかるだけでなく、網が破れるなど破損し、修繕費などがかかることもある。最近は個体数が回復したことで、こうした事例が増えているという。

 では、漁獲枠が増えれば、定置網漁の漁獲枠も増え、放流の必要がなくなるのか。しかし、勝川氏は「NO!そうはならないのでは」と指摘する。

(2026年8月21日放送分より)

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