経済

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2026年8月26日 16:00

鈴木農水大臣に聞く コメ価格下落に農家悲鳴『需要に応じた生産』本当に可能?

鈴木農水大臣に聞く コメ価格下落に農家悲鳴『需要に応じた生産』本当に可能?
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スーパーのコメの平均価格は、年初に比べ1200円以上安くなり、農家は悲鳴をあげています。

鈴木農水大臣が掲げた『需要に応じた生産』はコメ作りを守れるのか、大臣に直接伺います。

■コメ下落 新米と古米 価格の逆転も 農家から不安の声

下落するコメ価格と農家の方の現状についてみていきます。

スーパーのコメ販売価格です。
直近の価格は、5キロ3191円と、最高値を記録した2026年1月より、1200円以上安くなっています
これは1年10カ月前と同水準です。

価格が下がる中、新米と古米の価格の逆転現象が起きています。

都内のスーパーでは、新潟県産コシヒカリの古米が3580円なのに対し、千葉県産あきたこまちの新米が2780円となっています。

なぜこのようなことが起きているのでしょうか。
要因の一つが概算金の下落です。

JAなどが農家からコメを集荷する際に支払う『概算金』の価格が各地で大幅に下落しています。
▼福井県のコシヒカリが1万7000円で、前年より41%減
▼新潟県のコシヒカリが 1万8500円で、前年より38%減
▼北海道のななつぼしが1万7000円で、前年より41%減
となっています。

農家が採算割れしない目安として、コメの業界団体が定めた『コメの生産コスト指標』は2万535円です。
多くの産地でこのコスト指標を下回る価格となっています。

千葉県のコメ農家の方は、
「肥料も農機も燃料も高騰し、概算金は少なくとも2万円はないと収支はマイナスになる。このままではコメを作ってもメリットがなく、農家の大半が離農するだろう。農水大臣はこの状況をどうするつもりか」と話しています。
こうした声に対して、鈴木農水大臣です。
「それなりの生産コスト割れということになれば、当然厳しい状況が続くということになって、結果として、我が国の食料安全保障、食料供給力というのが落ちてしまう。この危機感は私も共有している」
視聴者の方からは、こんな声が届いています。
「令和の米騒動前は、5キロ2000円以下でお米を買っていた。せめて5キロ2500円以下で買いたい
スーパーの利用者、60代の男性は、
「去年、コメが品不足で高騰した時に、めん類とパンなどの代替食に切り替えた。それが今も続いている。コメの価格が安定しないと積極的には買う気にはなれない」ということです。
消費者からは「まだ高い」という声や、価格の安定を求める声について、鈴木農水大臣は、
「いいものをそれなりの値段で買いたいという方もいれば、ある程度安くないと生活が厳しいという方も当然います。大事なことは、様々な需要に対して、生産地側がしっかりと応えていけるかどうか。これは国もそれを意識をして、需要というのは1本ではないということを考えなければならない」としています。
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■『需要に応じた生産』可能?鈴木大臣「海外の需要拡大」も

鈴木農水大臣が掲げる『需要に応じた生産』についてみていきます。

2025年8月、当時の石破政権は「増産にかじを切る」と明言しました

石破総理は、
「農業経営の大規模化・法人化やスマート化の推進などを通じた生産性の向上や消費者ニーズに応じた付加価値の向上に取り組んでいく。『コメを作るな』ではなく、生産性向上を目指す農業者が増産に前向きに取り組める支援に転換する」と話していました。
それから約2カ月後、高市政権の下で、鈴木さんが農水大臣に就任すると、
『需要に応じた生産』これが基本。需要がないにもかかわらず大幅に生産を増やせば、供給過剰となってマーケットメカニズムで米価は下がる」と話し、事実上の方針転換をしました。

コメの生産量と需要量の関係を表したグラフを見ると、2024年は需要が生産を上回り、供給不足からコメ騒動が、2025年は逆に、生産が需要を上回り、供給過多になり、現在、コメ余りの状況になっています。

コメ農家の方からはこんな声が届いています。
「『需要に応じた生産』はコメの過剰生産を防ぎ 値崩れを防止するという点では評価できるが、需要が減り生産量も減らすと、コメ市場は縮小し、生産者は立ちいかなくなるのではないか」と話します。
『需要に応じた生産』は可能かという問いに対して、鈴木農水大臣です。
「需要に応じた生産をやらなければ、逆にそれは不安定になる。価格が不安定になると、消費者にとってもよくないし、生産者にとっても経営の安定上よくない。どの産業でも当たり前だと思うが、需要に応じない生産というのは、まずあり得ないというふうに思う。問題なのは、需要が国内の主食用だけ見ていると、すごく下がり続けてきている。これに対して歯止めをかけることが現実的に私たちはできていないということは本当に問題で、ここをどうにかしなければならない」
需要の予測という点については、
「なぜ令和のコメ騒動が起こったかといえば、私たちの需要の見通しというのが、インバウンドや直近、消費者の消費量が増えていたいうことをきちんと把握をしないで、トレンドだけで考えていたということにまず問題がある。従って、この需要の見通しの立て方を、もう少しかなり厳密にやる。直近の消費がどうなのか、インバウンドでどのぐらい消費されてるのかというのもよく踏まえてやる。また、流通の段階で、どのぐらいの在庫を持ってるのかというのが、現状で消費が増えているのか減っているのかを見極めるいい材料になる。ここの把握も今まで明確にはできていなかったので、これもこれから把握をしていくことで、今までとは違って需要の見通しというのは精緻なものになる」としています。
鈴木農水大臣はコメの需要について、
「政府が前面に立って、海外でのコメ需要を拡大する」と話し、需要創出のため、海外マーケットの開拓を行うと話しました。
これに対して、コメ農家兼卸の方は、
「世界的にコメの需要はあると思うが、東南アジア産の安いコメに比べて、日本産のコメは価格の高さがネック。日本国内で縮小していくコメ需要を輸出の拡大で補えるのかには疑問もある」と話します。
鈴木農水大臣です。
「それなりに価格競争力というのは大事だが、必ずしもすべてが価格が下回っていないと海外と対抗できない、輸出が伸びないかといえば、まったくそうではない。アメリカにしろ、ヨーロッパにしろ、物価が高く、食品の価格はすごく高い。必ずしも日本の米がすごく高いという状況にはない」
「単純に安いから高いからということではなく、日本産の良さというのをきちんと伝えて、なぜ日本産にするとお寿司やおにぎりのクオリティが上がるのか、科学的に伝えなければいけないこともあるので、そうしたことも丁寧にやっていくのが大事」

コメの輸出についてです。

コメの輸出量と輸出金額です。 
2020年の輸出金額は53億円でしたが、2025年は139億円と、5年で2.6倍ほど増加しています。
輸出量は2020年が1万9781トンで、2025年は4万6573トンと、5年で2.4倍ほど増加していますが、伸び率をみると、2024年から2025年では3%にとどまっています。

鈴木農水大臣は輸出量の伸びが鈍化した理由について、
「国産米価がかなり高水準で推移した。輸出するうえで当然価格は重要だ」としています。

国産米と海外産米の価格差を見ると、1キロあたり国産米が616円、アメリカ産は146円、中国産は126円、タイ産は65円となっています。

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■農地拡大進まぬ現状 大規模化に課題 コメ作りどう守る?

農地の規模拡大についてです。

2025年、閣議決定された『食料・農業・農村基本計画』には、
『水稲は規模拡大により生産コスト削減効果が図れる典型的な作物』だと明記されています。

コメの生産者の推移をみると、個人や世帯で農業を行う『個人経営体』は、 2010年に約116万でしたが、2025年には約52万と、約55%減少
農業法人などの『団体経営体』は、2010年に約9200でしたが、2025年には約1万7000と、約85%増加しています。

一方、水田の整備状況ですが、労働時間の大幅な削減が可能とされる1ヘクタール以上の大区画に整備されている面積は、全体の6.5%に留まっています。

大規模コメ農家の声です。

約100ヘクタールで耕作を行う徳本さんは、
「担い手がいなくなった田んぼを集積しているが、点在しているため生産効率は上がらない地権者も細分化されているため、合意形成が難しく集積しづらい状況」
法律の見直しを含め、土地改良や基盤整備を国がアップデートしない限り、民間ではもう限界にきている」といいます。
中山間地域の約20ヘクタールで耕作を行う梶谷さんです。
「高齢・過疎化で離農者が増加する中、農地周辺の草刈や水路の修繕、獣害対策などの負担も年々増えている。管理作業の効率を考慮した基盤整備が進まないと、これ以上、規模拡大はできない」
生産コストなどは上昇し、米価は乱高下する厳しい現状。10年、20年後を見据え、安心して経営努力できる環境が欲しい」といいます。
鈴木農水大臣です。
「日本全部の産業で人口は減る。人口が減った中で、食料供給をしっかりと維持をしていく、向上させていくことを考えれば、いかに1人の人が効率よく、大きい面積を担えるかというのは不可欠なので、土地改良基盤整備は不可欠。ただ、1年でどんどんできるかといえばそうではないので、計画的に次の世代にいい状況で引き渡していくということが大事」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年8月26日放送分より)

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