今が旬のシジミが不漁です。三大産地の1つ、茨城県涸沼では、シジミの数が3年前と比べて、10分の1以下に激減しました。原因の1つは本来この地域にいるはずのない魚です。
名脇役のシジミに異変
東京・新宿区にある1946年創業のとんかつ店。名物は千葉県のブランド豚「はやしポーク」を使ったロースかつ定食です。そんなとんかつと共に80年提供されてきたのが、シジミ汁です。
ジューシーなとんかつにあっさりとしたシジミ汁がよく合います。ホッとする味わいです。
そんな名脇役のシジミに今、異変が起きているといいます。
松本勢三店長
「(シジミが)仕入れの粒の大きさがまばらになりましたね。茨城県の涸沼産、2年前ぐらいは入ってきたんですけども、最近はもう全然入ってこない」
名産地・涸沼で起きているという異変。原因を探るべく、現地に向かいました。
名産地で漁獲量激減
竿の先についたかごを使って、シジミをとっています。機械を使わず、昔ながらの人力で漁をするのが特徴です。
シジミの日本三大産地の1つに数えられますが、去年から漁獲量が激減しているといいます。
市村彰組合長
「今年は例年と比べると3分の1くらい」
「(Q.例年だと、どれくらいとれるんですか)これが2カゴくらい。この辺まで入って」
県の水産試験場などの調査によると、去年のシジミの推定数は3年前と比べて、10分の1以下に減少。
しかし、シジミの子どもである稚貝の量は、大きく減っていないと言います。つまり、稚貝が成長する前に、何らかの理由で涸沼からいなくなっている可能性があるというのです。
“食い荒らす魚”
考えられる原因の一つが、新たに涸沼に住み着いた魚の存在です。
「『キビレ』といって、ひれが黄色いやつなんですけど、非常に貝類を好むらしいんですね。そいつらに食べられている」
これは、組合が捕獲した「キビレ」の写真。胃の中から出てきたのは、シジミでした。
もともと西日本などに生息する魚でしたが、温暖化の影響で北上し、5年ほど前から涸沼に定着したと考えられています。
シジミの不漁の影響は、地元の飲食店にも。
「今はまだ大丈夫なんだけど、冬場は制限されちゃう。(シジミを)買いに行っても。もう『入荷ありません』と(入り口)に書いておいた」
こちらの店の看板メニューは、涸沼産のシジミをたっぷり使った「しじみラーメン」。だしが味の決め手です。
「おいしいですね。だしがね。これがだんだん少なくなるのはさびしい」
店主は、今後に対する不安を口にします。
(2026年9月8日放送分より)





