世の中にはいろいろなルールや仕組みがあります。中にはどうしてかな?と思うものもたくさんあると思います。でもその裏にはいろいろな人の「都合」があるんです。今回はそのあたりを解説してまいりましょう。
賞味期限はなぜ「枠外」?
賞味期限を確認するとき、よく「枠外に記載」という文字、見ませんか?
枠外ってどこ?フタ?裏?…など思わず探したりしますよね。もっとわかりやすく「枠内」に書いてくれればいいのに、と思ったことのある方も多いと思います。でもあえて「枠外」にするのはある都合があるからなんです。
それはパッケージの印刷です。メーカーとしてもコストの削減のため、パッケージはまとめて印刷したいわけです。でも賞味期限を入れてしまうとその分の枚数しか刷れません。そこで「枠外に記載」として製造時に日付を入れやすいところに表記をするようにしているわけですね。
賞味期限は昔はなかった!?
その賞味期限ですが、昔は違った表記だったこと、覚えていますか?そう、昔は「製造年月日」を表記していたんです。それがある「都合」によって今の賞味期限・消費期限の形に変わったんですね。
製造年月日より賞味期限のほうが都合がよかったのは「アメリカ」です。海外から輸入する場合、船便が多くなります。輸送期間が長くなりますから、製造年月日だと古く見られてしまうんですね。もちろん世界基準が「賞味期限」だったというのもありますが、日本が切り替えた直接のきっかけは「日本は製造年月日を表示しているせいで我が国の製品が売れないんだ!」というアメリカの働き掛けによるもの、と言われています。
製造年月日から賞味期限に切り替わったのは1990年代前半です。そんなに昔ではありませんが、すっかり忘れてしまっていますよね。
水害に弱いのに…なぜアンダーパス?
道路や線路の下をくぐるように作られた道をアンダーパスと言います。遠回りしたり踏切で待つ必要がありませんから、大変便利ですね。
しかしこのアンダーパスをめぐっては、大雨で冠水しても一瞬気づかない、車が取り残される、といった問題が最近よくニュースになっています。雨の多い日本。なぜ冠水の恐れがあるアンダーパスがたくさん作られているのでしょう。その「都合」とは一体どんなものなのでしょうか。
アンダーパスは全国で3800か所以上あるといわれています。でも渋滞回避だけのためなら地下ではなく高架式にする方法もありますよね。でも地下にするのはやはり費用の問題が大きいんです。特に大きな違いが出るのは鉄道です。日本は昔から踏切渋滞が大きな問題となっていました。そこで国や自治体は立体交差による渋滞解消を進めてきました。その時に鉄道自体を地下や高架にした場合の費用は約500億円、それに対し道路の立体化は40億円と10倍以上も違うんですね。
もちろん道路を高架にすることもできますが、その場合日照権や騒音が問題となるため、自治体はアンダーパスを選ぶことが多いんです。こんなところにも「都合」があったんですね。
今現金払いに戻す店舗が増えている!?
今キャッシュレスでの支払いは年々増加し、その割合は58%まで達しています。でも今になってお店の側が現金払いのみに切り替えるところが増えてきているんです。一体どんな都合があるのでしょうか。
イランをめぐる問題で原油が入りづらい、円安が進んでいる、などの理由でどんどん物は値上がりをしています。そんな中、キャッシュレスの場合はお店は売り上げの中から手数料を支払う必要があります。例えばカードの場合で3%程度とわずかではありますが、飲食店の場合の利益率はそもそも10%ほどといわれています。そこから3%も減ってしまうのではたまったものではありません。カードの利用者だけに料金を上乗せすることはカード会社のルールでNGと言われていますから、結果、全体的に値上げするしかなくなってしまいます。そこで物価高の中少しでも安く提供したい、とキャッシュレスをやめ現金だけに戻す、そんなお店が増えてきているんです。
カードの手数料…日本は高かった!?
カードの手数料、日本は3%ほどといわれていますが、実はこれは世界で見ても高い数字です。クレジットカードの加盟店手数料を見てみましょう。
EUは法律で上限が決められているため、0.6%と低くなっています。またアメリカも高いほうですが日本より低い2.3%です。日本はなぜ高いのでしょう。
実は日本人が大好きなポイントが大きく関係しているといわれています。
現金ではなくキャッシュレスで支払う理由として「ポイントが付く」ことを挙げる人が多いのではないでしょうか。EUなどでは手数料が安い代わりにポイントは基本的につきません。日本は手数料は取られますが、その分ポイントなどサービスが充実しています。さあどちらがいいでしょう、という話です。
こうして見てきますと、社会のルール、仕組みの裏にはいろいろな「都合」が隠れていることがわかります。これからは是非そんなところにも注目してニュースをご覧になってください。
(池上彰のニュースそうだったのか‼‼10月31日OA分より)
もっとたくさんのルール・仕組みの裏にある「都合」についての池上解説はTVerへ!







