外国人が日本で買う免税品の不正転売を防ぐ新たな制度が、今月からスタートしました。ここに日本企業が開発したデジタル通貨の活用が期待されています。
新たな免税制度のメリット
インバウンドの中心地、東京・渋谷にある酒店。国内外の酒を求めて多くの外国人観光客が訪れていました。
アメリカ人観光客は帰国後、家族や友人と楽しむために梅酒を購入しました。
日本に滞在して1カ月半。今月に入ってから、買い物をする際にある変化に気づいたといいます。
今月1日から始まった新たな免税制度。これまで外国人旅行者は免税価格で商品を購入できました。しかし新たな制度ではいったん、税込み価格で商品を購入。その後、帰国する際に空港で購入品を確認でき次第、支払った消費税分が戻る方式となりました。
制度の変更は店側にもメリットが。これまで免税品専用のレジ袋は特殊なテープで梱包するため、時間がかかる作業だったといいます。
「梱包(こんぽう)含め1分くらいは時間をいただくことがある。(免税用が)なくなるのは、すごくレジがスムーズになる。(袋の)購入費が月4~5万円かかっていた。店にとってもプラス」
変更背景は不正転売の防止
制度変更の背景にあるのが“前の制度の悪用”です。
濱田正義室長
「税抜きで購入した商品を国外に持ち出さずに、そのまま国内で転売するという制度を悪用した事例が散見されていた」
3年前、1億円以上の買い物をした外国人観光客57人を検査したケースでは、1人を除き購入した商品が確認できませんでした。
免税価格で買ったものを国内で転売し、利ザヤを稼いだ可能性があり、滞納額はおよそ18億5000万円に上りました。
デジタル通貨の活用
悪用を防ぐために今月から始まった新たな免税制度。還付方法としては、これまでの現金やクレジットカードの利用だけではなく、日本のデジタル技術の活用が期待されています。
「外国人旅行向けの消費税免税制度におけるリファンド方式については、『ステーブルコイン』活用の検討含め利用者目線の対応を進めます」
国が検討を進めているのが、デジタル通貨「ステーブルコイン」の活用。ステーブルコインは、円やドルといった法定通貨などと連動した暗号資産で、価値が安定しているのが特徴です。
都内の会社は、ステーブルコインの“日本円”、つまり“デジタル日本円(JPYC)”で免税を還付するシステムを開発しました。
「“いつ戻ってくるか”というところが、クレジットカードの還付は一般ユーザーから分からない。ステーブルコインだと送金手続きが数秒で終わる」
送金後、スマートフォンなどにひもづいたデータ上の財布(ウォレット)にすぐ届き、金融会社などを挟まないため、手数料もカットできます。
観光客を通じてスピードとコストに優れた「デジタル日本円(JPYC)」を世界に広げていくことは、将来的に日本の利益につながる可能性があるといいます。
「東南アジアなどは主要国と貿易する時の基軸通貨としてドルが確立されている。東南アジアの企業などに円のリザーブ(蓄え)を持ってもらうことで、円建てで取引をしてもらうことによって、円の需要が膨らんでくる。それが広がることによって、日本の国際競争力が上がってくる」
(「グッド!モーニング」2026年11月4日放送分より)






