経済

ABEMA NEWS

2026年11月8日 17:00

「49円の不正利用→被害額40万円に」半年で4億人分の個人情報流出…ダークウェブで売買も“名寄せ”による第2波の脅威とは

「49円の不正利用→被害額40万円に」半年で4億人分の個人情報流出…ダークウェブで売買も“名寄せ”による第2波の脅威とは
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 企業への不正アクセスによる個人情報流出が相次いでいる。政府の公表資料では、4月からの半年で流出した個人情報は延べ2億6000万人分とされている。番組では、最新の情報を加えると延べ4億人分にのぼり、日本の人口のおよそ3倍に相当する規模になると紹介された。

【映像】ダークウェブで取引されるパスポートや運転免許証(実際の画面)

 企業などへの不正アクセスが相次ぎ、会員情報などの漏えいが続いているが、それら情報の行き先の一つとして注目されているのが「ダークウェブ」と呼ばれるネットワークだ。

 『ABEMA Prime』では、ダークウェブとは何か、そして個人情報が流出した後に私たちは何ができるのかを考えた。

■「200円」「49円」から始まるクレジットカード不正利用

多田文明氏

 詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明氏は、10月中旬にクレジットカードを不正利用された経験を明かした。「カード会社から『アメリカのAmazonで買いましたか』と連絡があった。その時は九州で講演していたので、買うわけがない。金額が200円で、実は少額で最初引き落として、次に大きなお金を取る手口だ」と語る。

 多田氏は「電話をかけてきた人が詐欺師の可能性もある。私は1回切って、かけ直したところ、本物だった」と述べた。情報が漏れた経緯については、「全部漏れたのではなく、おそらく『クレジットマスター』というやり方だ。カード番号をたくさん入力して編み出す。4桁だけ情報漏洩したとしても、相当な確率で番号が割り出されてしまう」と推測する。

 ギャルタレントのあおちゃんぺも同様の被害を打ち明けた。「数カ月前に40万円を不正利用された。その月の明細を遡ってみたら、先に49円やられていた。海外のサイトで不正利用されていた。少額で試すのは、一般的な手口だと思う」。そして「異常に気付いたらすぐカード会社に言った方がいい」と注意を呼びかけ、支払い義務は免除されたという。

■“ダークウェブ”の仕組みと、名寄せの脅威

杉浦隆幸氏

 日本ハッカー協会代表理事の杉浦隆幸氏は、ダークウェブについて「インターネットからは簡単には見られないサービスで、特に誰がやっているかがわからず、『Tor』などの特殊なブラウザを使ってアクセスする」と説明する。

 Torは「The Onion Router」の略で、玉ねぎのように何層にも暗号化され、複数のサーバーを経由することで匿名性を高めている。杉浦氏は「ダークウェブだと、6段階ぐらい必要。ほぼ追跡できないと思った方がいい」と説明した。

 ただし、ダークウェブ自体は違法というわけではない。杉浦氏は「単純な匿名化できる技術で、その技術自体を止めることはなかなか難しい」と指摘する。一例として、BBC(英国放送協会)が検閲下の国の人々に情報を届けるためミラーサイトを開設するなど、報道や人権保護の側面でも使われているという。

 多田氏は漏えいした情報の流通について、「本当に使える情報は既に販路があるはず。売れなかった情報などがダークウェブに出ているのではないか」と予想した。さらに、名簿屋が複数の情報を集めて「名寄せ」し、価値を高めて売る手口についても説明した。

 今後警戒すべきは、流出した情報が「名寄せ」され、個人が標的となる第2波だ。多田氏は個人情報を把握した相手から詐欺電話を受けた実体験を語る。「警視庁をかたる詐欺電話がかかってきて、40分くらい付き合った。向こうがAIで作ったとみられる警察官の顔を出し、私の住所、マンションの部屋番号まで知っていた。ちょうど1カ月前に、ある企業から私の住所と電話番号が流出していた」。

■「調べてからかけ直す」自衛のポイント

漏えい情報の悪用に対する理想的な対応

 杉浦氏は「警察が本当に使っている番号から電話をかけることもできる」と、発信者番号偽装の危険性も指摘する。あおちゃんぺは「1回切って、全部調べてからかけ直すのを徹底している。それで大体わかる」と対処法を明かした。

 多田氏は「どんな電話がかかってきたとしても、確認するのは大前提。手口を知っておく、そして電話を切る、確認する。不審な電話を受けるとパニックになることもあるため、周りに相談することが大事だ」と強調。「『あなたの個人情報が流出しました』と電話をかけてくると、本当に流出しているため、信じざるを得ない状況になっている」と警鐘を鳴らした。

 杉浦氏は「電話を自動録音にしておくと、詐欺師はすぐ切ってくれる」とも助言。さらに、情報漏えいの通知メールを装ったフィッシングや、乗っ取られた企業の正規メール配信システムからのフィッシングなど、手口の高度化も指摘した。

 コラムニストの小原ブラス氏は、根本的な制度面の課題も訴える。「買い物をするときにクレジットカード情報を入力しなければいけない仕組みは、これでいいのか。アップルペイでは、暗号化された情報をやり取りしている。そういう技術が使えるのに、いまだにアナログな入力システムが許されている。ユーザーを守る国側の動きも必要だ」と提言した。

(『ABEMA Prime』より)

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