トヨタ社長「雇用と技術守る」“水素”でレース挑戦[2021/05/24 23:30]

トヨタ自動車が、世界初、水素を燃料にした車で『スーパー耐久第3戦富士24時間レース』に参戦しました。

水素エンジンでレースに挑む計画が持ち上がったのは、わずか半年前、豊田社長の決断でした。
豊田章男社長:「カーボンニュートラルということで、自動車会社として何をやればいいのか、じっくり考えたところ、今回の水素を使ったエンジンを回し、環境にいい水しか出さないモータスポーツにたどり着いた」

水素は、燃やしても、水しか出ません。そのため“カーボンニュートラル”脱炭素社会の夢の燃料ともいわれています。トヨタは、すでに、水素と酸素と反応させて発電し、モーターで走る『MIRAI』を販売しています。

ところが、今回は、ガソリンの代わりに、水素そのものをエンジンで燃やして走らせるという試みです。エンジンには、特別な改良を加えました。水素を入れる燃料タンクも、事故などの衝撃に耐えられるといいます。背景には、日本のモノづくりへの思いがあります。
豊田章男社長:「全部がEV=電気自動車になったら、この日本では100万人の雇用が失われる。ひとつの選択肢だけではなくて、今まで磨き、蓄積してきた、やり方によって未来がある」
燃料を変えるだけで、これまで培ってきた技術や、雇用を守れるといいます。

しかし、水素は、とても燃えやすい気体です。安全性をアピールするため、豊田社長もレーサー・モリゾウとして参戦します。同じく、ハンドルを握るレーサーは、こう話します。
ルーキーレーシング・小林可夢偉選手:「プレッシャーはない。これからの社会をみんなでどう変えていくかという一歩」

EVにない“魅力”に期待する声も上がっています。
モータースポーツファン:「EVはウィーンウィーンというだけで、水素エンジンが主流になれば、モーターレーシングは面白いまま」
モータースポーツファン:「世界が変わるのではないか。水素でいけるというのが、日本に一番合っている」

今回、トヨタは、水素を充填する特別なエリアを設置。ガソリンのように水素をタンクに入れる場所です。そして、水素エンジンで挑む24時間の耐久レースが始まりました。ホームストレートでの時速は約200キロ。ガソリン燃料と同じく、エンジン音を響かせて走り抜けます。ただ、走れる距離が短いため、約20分に一度、水素を充填しなければなりません。過酷なレースに挑み、データを集め、課題を浮き彫りにするのが、社長の狙いです。

ところが、深夜0時過ぎ、電気系統にトラブルが発生。修理に3時間ほどかかりましたが、無事、コースに復帰しました。最後は、社長自らが、レースをフィニッシュ。24時間を走り切りました。
豊田章男社長:「水素社会を知らなかった方々、自動車に興味のなかった方々、モータースポーツに興味のなかった方々、そんな方々が未来への扉を開き、我々とともに旅を始める準備ができたレースだったのではないかなと思っている」

こんな記事も読まれています

Copyright© tv asahi All rights reserved.