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俳優の浅野ゆう子(64)と歌舞伎俳優の中村梅雀(69)が出演する朗読劇「たとへば君 四十年の恋歌」が上演されることが22日、発表された。
原作は、ドラマ化された歌人夫婦、河野裕子さんと永田和宏氏が紡いだ、短歌と随筆で綴られた同名の歌集。
「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」は河野さんが、永田氏と出会ったころに詠んだ歌から同著のタイトルとなった。
上演台本・演出は演出家の星田良子氏が担当。音楽は、中村匡宏氏のオリジナル楽曲をピアノとチェロで心情描写を表現する。
同著者の二人の出会いは1967年頃、京都の大学生たちが集まって作った短歌の同人雑誌創刊の歌会。やがて結婚し、河野さんが64歳で亡くなるまでの四十年間、お互いを恋の対象として詠み合った「相聞歌」や、妻を看取った夫が詠んだ「挽歌」、日常の暮らしの中で普段の言葉を交わしながら、歌で心を通わせる夫婦の姿や葛藤が赤裸々につづられた“歌人夫婦の恋の物語”。
「女性の表現者」を演じる浅野と「男性の表現者」を演じる中村は、亡くなる直前まで歌を詠み続けた歌人・河野さんと、看取った歌人・永田氏の心揺さぶられる歌を絶唱する。
同公演は、9月17日より東京・新国立劇場で上演される。