TBSは25日、公式サイトで「芸能関係者と当社社員の関係調査についてのご報告(追加)」と題した発表を行った。
「当社は、TBSグループ人権方針にのっとり、芸能関係者とTBSテレビ社員との会食等をめぐる実態を把握する調査を実施してきました。調査の結果、当社社員が参加した芸能事務所が主催する会食等で参加者から不適切な言動があった事実は確認していないこと、また、当社社員が不適切な目的で会食等を設定した事実も確認していないこと等を2月21日にご報告しました」とした上で、「調査はその後も引き続き行われ、これまでにアナウンサーを含む当社社員、役員、退職者から聞き取り調査を行いました」と公表。「その後の調査で、過去の事案ではありますが、番組出演者の当社社員に対するハラスメントについて当社の対応が不十分であった事案を確認しました」とし、「その概要と今後の取り組み」を報告した。
「当社の対応が不十分であった事例の概要」として挙げたのが次の通り。
・約25年前、当社のアナウンサーが番組出演者から収録の際に舞台袖で身体接触の被害を受けた。当該アナウンサーは直接やめてくださいと伝え、その場にいたスタッフが注意したが、出演者の態度はその後も変わらなかった
・約20年前、当社のアナウンサーが番組出演社に食事に誘われ、交際を迫られた。当該アナウンサーは上長らに被害を訴え、対処を求めた。責任者が当該出演者を口頭で注意したが、降板等の措置は取らず番組出演は続いたため、被害を受けたアナウンサーは当社の対応に強い不満を持った。
・約15年前、当社の複数のアナウンサーが番組出演者からスタジオで身体接触の被害を受けたが、適切な対応がとられなかった。
・約15年前、番組の懇親会で、当社のアナウンサーが番組出演者からキスを求められ、困っていたにもかかわらず、その場にいたプロデューサーら番組関係者はこれを止めなかった。
そのうえで「こうした事案に適切に対応できなかった原因は、当時、ハラスメントに対する当社の認識が不足しており、研修や相談の体制なども不十分だったことにあります」とし、被害を証言した一人が「昔だから仕方がないという考えはやめていただきたい。心の傷となって話すまでかなり時間がかかりました」と話したことも明かした。
TBSは「こうした声を重く受け止め、当社が社員を守れなかった事実を深く反省し、被害を受けた方々にあらためておわび申し上げます」と謝罪した。
「今後の取り組みについて」は、「ハラスメント事案が発生した場合の通報に関しても『TBSホットライン』『ハラスメント相談窓口』を設け、社内だけでなく外部の窓口も設置して、相談しやすい環境を整えております。通報体制に関しても社内の周知徹底を行い、対策を強化してまいります」とした。
また、「今後、新たに公表すべき重大なコンプライアンス違反の事案が確認された場合は、速やかに公表いたします」としている。