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2025年7月15日 13:50

渡辺裕太 報道番組に生中継リポーターとして10年間出演!舞台、ドラマ、映画にも…

2025年7月15日 13:50

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2022年に61歳の若さで亡くなった俳優・渡辺徹さんと、元大人気アイドルで俳優・タレントとして活躍している榊原郁恵さんの長男の渡辺裕太さん。タレント、リポーター、俳優、落語家など幅広いジャンルで活躍。「news every.」(日本テレビ系)、「所さんの目がテン!」(日本テレビ系)、「やさいの時間」(NHK)、「コウノドリ」(TBS系)、映画「メグ・ライオン」(河崎実監督)などに出演。映画「囁きの河」(大木一史監督)が現在公開中。(この記事は、全3回の中編。前編は記事下のリンクからご覧になれます)

■自分が報道番組の生中継をやることになるとは…

2013年、バラエティー番組「テレビシャカイ実験 あすなろラボ」(フジテレビ系)で

本格的に芸能界デビューを果たした裕太さんは、その翌年には「news every.」の中継コーナーに週4日出演することに。

「まさにその『テレビシャカイ実験 あすなろラボ』を見た日テレのプロデューサーさんがまたオーディションに呼んでくださって。2カ月後には、『news every.』の生中継の仕事が始まりました。

僕が報道番組、それも生放送に出演することになるなんて全く思ってもいなかったので緊張しました。絶対に変なことを言っちゃいけないし、スラスラ言わなきゃいけないし…もう無理だと思ったけど、何だかんだで、結果10年間やらせていただきました。

最初は週3日だったんですけど、その後週4日に増え、コロナ禍では週2日に減って、10年間で中継リポーターは卒業という流れでした。

あの番組で、こういうお仕事をする上で本当にいろんな経験をさせてもらいました。僕の場合は事件の現場などにはいかないというか、話題の場所とか、旬の場所にいろいろ行きましたね。

本当に中継をして、終わったら次の日の台本を見てそれを覚えるという感じで。繰り返し覚えるというか、(自分の中に)落とし込んで伝えなきゃいけないので、それはそれで、他ではなかなかないお仕事だったなあという感じです」

――慣れるまでどれぐらいかかりました?

「慣れなかったですよ。ずっと最後まで緊張していましたもん(笑)。毎日違う場所だし、『緊張しなくなったら終わりだな』って思うぐらいになっちゃっていたので、毎日緊張していました。

それこそ、その現場、その現場での人との触れ合いなので、その人が何を伝えたいかとか、

その人がどんな思いで野菜を育てているのか、その企画を立ち上げてイベントをやっているのかとか…そういうことがちゃんとわからないといけない。

そこのコミュニケーションがまずはすごく大事なので、そういうところはちゃんと伝えたい、知ってほしいと思ってやっていました」

――その間も舞台やドラマ、映画にも出演されて

「自分の劇団に結構限られちゃったりしたんですけどね。自分のスケジュールに合わせた本番スケジュールじゃないとダメなので、10年間はそういう生放送の仕事をメインにしていました」

――ドラマ「コウノドリ」(TBS系)にも出演されていましたね

「はい。妊娠のことがあまりよくわかってなくて妻が妊娠安定期に入ったからと、ハワイ旅行を計画して、危険だと注意される役でした。

でも、あれも単発のお仕事でした。ずっとお芝居は確かにやり続けていたんですけど、週に4日間決まった時間に生放送の中継があるという、自分のスケジュールに合ったものしかできなかったですね。

僕みたいな実績もないやつが、スケジュールがああだこうだってなると、『じゃあ、もういいです』ってなるじゃないですか。『どうしても裕太くんに出てほしいからスケジュール合わせます』なんて、そんな風にはならないので」

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■所ジョージさんは天才的な方

2016年から「所さんの目がテン!」(日本テレビ系)に実験プレゼンターとして出演。

「所さんと全員でしゃべることがすごい経験なんですよね。面白いので。番組としてはロケに行ってスタジオで見せるというものですけど、所さんは独特な発想を持っている方なので、プロセスをすごく大事にされるんですね。結果じゃなくて。

例えば渋滞していても、『渋滞が嫌だ』じゃなくて、『渋滞しているということは、今何ができる?』とか、『この時間ができたってことは家族でしゃべれるじゃないか』とか、『あの景色がゆっくり見られた』とか…そういうプロセスの中に喜びを見つけるのが天才的な方なので、そういう考え方をすごく教わりました」

――確かにとらえ方一つですよね。イライラして怒りまくるのか、ちょっと発想を転換して楽しみに変えるのか

「そうなんです。所さんは、そういうところが天才的なんですよね」

――裕太さんのYouTubeチャンネルでお部屋に飾ってある所さんが制作されたというオブジェがありましたね

「はい。モーニングルーティーンの動画ですよね?所さんからいただいたものも結構あって、飾らせてもらっています。独自の感覚で個性的な作品ですよね」

――結構体当たりなこともやっていますね。お部屋に芸人さんが来て、冷蔵庫のテキーラをぶちまけられたり…

「確かに(笑)。あれも僕がコントユニットをやっている仲間なんですけど、吉本の同年代の芸人さんなので、その当時コロナ禍の中というのもあって、舞台ができないからYouTubeをやろうということで作った一つの動画だったと思います」

――野菜ソムリエの資格を活かしてYouTube「渡辺裕太の野菜ソムリエチャンネル」などいろんなことをされていますね。

「はい。野菜ソムリエの資格はこのお仕事する前、大学生のときに取ったんです。そのとき暇だったというのもあって。僕は、野菜も確かに食べるのが好きなんですよね。演劇はやっていたけれど、時間はあったので、『何かに繋がるかな?この時間何かに活かせないかな?』と思って資格を取りました」

――野菜ソムリエの資格だけではなく、実際に畑を借りて野菜作りもされていて

「はい。今、ニンニクを自分で育てています。『news every.』でいろんな農家さんと出会ったんですが、ステキな農家さんがいっぱいいるのにうまく流通に乗ってないから、ずっとモヤモヤしていたんですね。

自分でマルシェを作って、その農家さんとか今まで出会った方、自分の好きな野菜を集めて何かイベントをやりたいと思ったんです。それで、何か自分でも作らなきゃいけないなって思って。

僕は、バーニャカウダ(オリーブ油、アンチョビ、にんにくで作ったソースを温めながら、野菜につけて食べるイタリア料理)が大好きなので、ソースを自分で作ろうと思って。

ソースの原材料のニンニクを自分で作ろうと思ったので、『news every.』で出会った農家さんと一緒にニンニクを作っているんですけど、ちょうど収穫が終わったところです。東京の青梅市にある畑で、めちゃくちゃステキなところです」

――YouTubeでちょっと拝見させていただきましたが、本格的ですよね

「そうですね。朝4時出発で、朝からずっと8時くらいまでは皮を剥いて。そこからお仕事に行くという感じです。『やります!』と言ったからには、ちゃんとやらなきゃいけないと思って」

――一生懸命真剣にやっている思いが伝わってきました

「ありがとうございます。畑は、まだ成果がそんなに出てないものも多いんですけど、とにかくやってみたいと思って。やり続けないとやっぱりわからないですからね。本当にそう思います」

――一人暮らしを始めたのは?

「26歳のときです。特にきっかけはなかったんですけど、母親はずっと『実家を出て行け、出て行け』って言っていたんですよ。『男が二十歳を過ぎて実家暮らしなんて』みたいな(笑)。

『早く出なさい』ってずっと言われていたので…という感じです。お仕事がちょっと軌道に乗ったというのもあると思うんですけど」

――初めて本格的に一人暮らしを始めていかがでした?

「もうたまらなく楽しかったですね。26歳からの一人暮らしは(笑)。何時に帰ってきても文句を言われないし。でも、レギュラーの仕事が入っているから、そんなにハチャメチャな生活はできませんでしたけど(笑)」

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■コメディセンスを発揮してユニークなキャラを体現

2018年、映画「ほっぷすてっぷじゃんぷッ!」(土岐洋介監督)と「ほっぷすてっぷじゃんぷッ!2」(土岐洋介監督)に主演。

この作品は、ピンク色の謎のカエルに噛まれたことで、カエル並みの跳躍力を手に入れた主人公・鶴岡一途(渡辺裕太)が、憧れの女子高生(天木じゅん)を守るために奮闘する姿を描いたもの。

――お話が来たときは?

「映像のお芝居はあまりやったことがなかったので、うれしかったです。かなりエッチな作品なんですけど、濡れ場があるとかじゃなくて、ちょっとイモっぽいというか。妄想して悶々とする感じで。僕のキャラに合うかなあって思って、やってみたいと思いました。楽しかったですね」

――可愛くてグラマーな女の子たちがいっぱいいましたけど、撮影現場はどんな感じでした?

「いっぱい女の子がいた…ということはあまり関係ないというか。でも、やっぱり舞台とか、テレビのロケ、バラエティー番組とは違うなあって思いました。

みんなでいろんなことを話して作って、いい形になったんじゃないかなって。カメラマンさん、技術さん、みんなで一体になってできたという感じで。すごくうれしかったですし、みんなで何か作る喜びというのはすごく感じましたね」

――カエルに噛まれてカエルの能力が身についてしまうというユニークなキャラでしたね

「はい。不思議なキャラで面白かったです。あれは2本同時に撮っていたので、スケジュール的にはすごく大変でした」

2020年には映画「メグ・ライオン」(河崎実監督)に出演。この作品は、50代の冴えないOLが、突然現れた全裸のイケメン男に口づけされて若い美女に変身。そんな彼女の秘密の力を手に入れようとするウルトラタイガー星人が、彼女に魔の手を伸ばしてくる…という展開。裕太さんは、ウルトラタイガー星人役を演じた。

「『メグ・ライオン』は、(河崎)実さんと一緒に特撮の撮り方で楽しませてもらったという感じでした。映像のお芝居ですけど、いい意味でふざけているので(笑)。

僕たちがやっている劇団「ポップンマッシュルームチキン野郎」は、ずっとコメディ作品をやっているので、劇団のことが、いつも舞台を見に来てくれている方以外の人にもちょっとでも広まればいいなという思いでやりました」

――イメージがまた全然違いましたね

「そうですね。やっぱり僕のことをリポーターという印象で見てくださっている方が圧倒的に多いので、こういうところもあるんだということを知ってもらえたらうれしいです。もちろん今回の映画「囁きの河」もそうですけどね」

いろいろなことにチャレンジしている裕太さんは、「天狗連俳遊」という高座名で落語家としても活動。父・渡辺徹さんが最後に見に来たのも寄席だったという。次回はそのときのエピソード、7月11日(金)に公開され、「ミニシアターランキング」(11日〜13日)で5位にランクインした映画「囁きの河」の撮影裏話なども紹介。(津島令子)

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