ロックバンド「スピッツ」の楽曲「楓(かえで)」を原案としたラブストーリー映画「楓」が、12月19日に公開されることが17日、発表された。
楽曲発表から27年を経て、行定勲監督と高橋泉脚本によるオリジナルストーリーとして映画化される。主題歌には「楓」が使用され、世代を超えて愛される名曲が新たな物語を彩る。
同楽曲は、1998年に発売された8枚目のアルバム「フェイクファー」に収録されている。切なくもいとおしい歌詞と歌声が多くのファンの心をつかんできた。松任谷由実、上白石萌歌、Crystal Kay、Uruら、さまざまなアーティストにカバーされ、現在も幅広い世代に親しまれている。
スピッツは、ボーカル・ギターの草野マサムネ、ギターの三輪テツヤ、ベースの田村明浩、ドラムスの崎山龍男の4人組ロックバンド。1987年に結成し、1991年にメジャーデビューした。バンドデビュー34年目にして、スピッツの楽曲が原案となる映画化は初めてとなる。
監督は「世界の中心で、愛をさけぶ」「ナラタージュ」「劇場」などで知られる行定勲氏。脚本は「ソラニン」「東京リベンジャーズ」を担当した高橋泉氏が務め、オリジナルのラブストーリーが紡がれる。
行定監督は「この映画は喪失から立ち直れない人々を描く物語です」とし、「楓の花言葉の一つ『遠慮』を物語の核にして恋愛を描きたい」と明かした。「スピッツの名曲にインスパイアされた再生の物語に携わるという巡り合わせに胸を熱くしている」とコメントした。
映画の詳細なストーリーやキャストは未発表だが、物語は人生のなかで大切な人を失った二人の男女が主人公となる。今回公開されたアナウンス映像やビジュアルには、ニュージーランドで撮影された壮大な青空や美しい景色が映し出されており、作品の世界観を象徴している。