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2025年7月29日 13:18

原田龍二 不倫スキャンダルから6年「良いことも悪いこともすべて自分の足跡。1日たりとも考えない日はないです」

2025年7月29日 13:18

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「世界ウルルン滞在記」(TBS系)、「水戸黄門」(TBS系)、「相棒」(テレビ朝日系)、「バラいろダンディ」(MXテレビ)などに出演し、俳優、歌手、タレント、司会者、YouTuber、作家等、幅広いジャンルで活躍している原田龍二さん。2022年には「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけないシリーズ」(日本テレビ系)にアキラ100%さんと共に出演し、「丸腰デカ」として全裸でおぼん芸に挑戦。2019年に不倫スキャンダルが報道され謝罪会見が注目を集めた。2022年、小説「精霊たちのブルース」(万代宝書房)を出版。8月8日(金)に主演映画「ハオト」(丈監督)の公開が控えている。(この記事は全3回の後編。前編と中編は記事下のリンクからご覧になれます)

■ほかの人にオファーがいかなくて良かった

2013年に旅番組で訪れた「満願寺温泉」がきっかけで「温泉俳優」と称されることに。入浴するときには何も身に着けないのが信条。「特別に許可をいただいてバスタオルを着用しています」というテロップが出るのは、他の人はともかく自分のときには絶対に嫌なので、全裸で入浴することにしているという。

2016年には「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけないシリーズ」にアキラ100%さんと共に出演。「丸腰デカ」として全裸でおぼん芸を披露して話題に。

――全裸のおぼん芸は衝撃的で話題になりましたね

「そうですね。でも、やっぱり我々は本当に求められないと何もできないですから、オファーをいただいたときは『いいセンスをしているな』と思いましたよね。原田龍二にやらせるというのはいいセンスだなと思ったし、他の人にオファーが行かないで良かったなと思いました(笑)」

――肉体美も注目を集めました

「それぐらいで喜んでいただけるんですね(笑)。でも、一生懸命やりました」

――「笑ってはいけない」と言われても、出てきた瞬間に皆さん笑っていましたね

「笑っていました。良かったです(笑)。かなり緊張しましたけどね。どんな番組でもやっぱり出させていただくということはありがたいことだし、何でもやってみないと人に話せないじゃないですか。俳優だけをやっていても俳優での話はできるけど、それ以外の話をすることで、その人の人となりがわかりますよね。

なので、僕は俳優じゃない部分の仕事をすることで、本当はこういう人間なんだっていう、また違った部分もこうやってお話できますけど、俳優だけやっていたら、多分ストレスが溜まっていたんじゃないかなって思います」

――「バラいろダンディ」や「5時に夢中!」(MXテレビ)の司会など、原田さんの素の部分が出る番組もいろいろありましたね

「そうですね。YouTubeもそうですけど、素の部分がどうしても出ちゃうというのも結構やっています。でも、本当は『この人は何だろう?普段何をやっているのかな?』って思わせるのが一番カッコいいと思います。田村正和さんとか、高倉健さんみたいに徹底して。

それはそれで全部さらけ出すのとはまた違った疲れは伴うかもしれませんけど、僕は逆ですよね。ドキュメンタリー番組でいろいろさらけ出しているんだから、やっぱり自分を隠しては生活できないですしね」

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■不倫スキャンダルが発覚!妻の「原田アウト!」が名言と話題に

2019年、不倫スキャンダルが発覚。謝罪会見では一切弁明せずに自らの非を認め、どんな質問にも真摯に対応。落ち込む原田さんに妻・原田愛さんが「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の決めゼリフ「原田アウト!」と活を入れたことも明かされ名言と話題に。

――不倫スキャンダルが報じられて6年になるのですね。

「はい。早いんだか遅いんだかわからないですけど、毎日思い出しますよ、毎日。反省の日々です。1日たりとも考えない日はないです」

2021年には、妻・愛さんが「別れない理由」(講談社)を出版。自らの生い立ちから原田さんとの出会い、結婚生活、不倫騒動に対する思いも赤裸々かつユーモラスに綴られている。

――「別れない理由」を読ませていただきました。原田さんへの壮大なラブレターですね。愛を感じました

「ありがとうございます。30年以上一緒にいる中で僕らに起きた出来事が書かれています。いろいろなことが書かれていますが、妻はあれでもまだ書き足りなかったと言っていました」

――謝罪会見で過去のマスコミにバレていない浮気のことも自らおっしゃっていましたが、今、振り返っていかがですか

「それも全部自分の足跡の一つですから。恥ずかしいことに関しても。それがなかったら、今どうなっていたかもわからないですし。騒動があってから仕事が増えたのではないかと言う人もいますけど、仕事が増えたとか減ったということもわかりません。あれがなかったとしても。なので、あったことは変わらないので、人生って面白いなって思います」

――あのあと、奥さまと一緒にCMに出演されました

「そうですね。あれはすごいなあと思いました。山本漢方製薬さんからのアイディアですからね。あのあともCMに使い続けてくださっただけでなく、『大麦若葉のCMに奥さんと一緒に出ませんか?』って言ってくださって。それをカミさんに言ったときには喜んでいました。

カミさんももともと芸能活動をやっていた人間ですから、そういう風に自分なりに表現したいというのがあったみたいです。それに、ああいう面白いCMですから、楽しんでやっていました。あれからカミさんと一緒に…と声をかけていただくことが結構多くなりました」

――何事も包み隠さずオープンに…という姿勢がいいですね。スキャンダルの話はNGで…ということもなく

「僕は、NGはないです。全部自分でやってきたことの一つですからね。良いことも悪いことも全部ひっくるめて今があるわけですから」

2021年、小説「精霊たちのブルース」を出版。この小説は、1995年に原田さんがドキュメンタリー番組のロケでベネズエラを訪れた際に出会った裸族・ヤノマミ族のもとを大学教授と教え子の大学生がフィールドワーク(実地検査)で訪れ、さまざまな体験をする様を描いたもの。

――主人公の大学生・ナオキが原田さんと重なりますね

「そうですね。僕は、文才がないので、自分が体験してないことは書けないですから、ヤノマミのエリアに入ってからの諸々の出来事や展開は、僕の体験が土台になっています。あのときに出会ったヤノマミ族の長に自分たちの存在を伝えて欲しいと言われていたのですが、ようやく実現することができました」

2022年、水谷豊さんが監督された映画「太陽とボレロ」に出演。この作品は、ある地方都市の経営難に苦しむオーケストラを題材に、音楽を愛する普通の人々が織り成す人間模様を描いたもの。原田さんは、チェロ奏者・与田清役を演じた。

「水谷さんは、本当に感謝を忘れてはいけない先輩の一人です。監督作品は拝見していたので、『ようやく出させていただける』ってうれしかったですけど、『この役は俺じゃなくてもいいんじゃないかな?』って(笑)。

『龍二はやっぱりチェロでしょ』って言われたんですけど、チェロはやったこともないし、楽譜も読めないので、きっともっと器用な人はいると思ったんですよね。

でも、『龍二がチェロをやっているのを見たいのよ』って言われたので、だったら一生懸命やろうと思って。一生懸命やりました」

――チェロの練習は大変だったでしょうね

「楽器の練習はみんな必死でやっていたみたいですね。僕も必死でやりました。もう本当にひどいところから始まりましたから。最初は音なんて鳴らないんですよ(笑)。必死でした」

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■特攻を志願した弟との別れのシーンの涙は…

(c) JOE Company

8月8日(金)に公開される戦後80周年平和祈念映画「ハオト」に主演。この作品は、太平洋戦争末期の東京郊外にある特異な患者が集められ、表向きには精神科病院と称されていた、小学校を改装した特殊機密施設を舞台に、病院内との対比で外界の狂気を問うテーマを、シリアスなだけでなく、ユーモアとサスペンスとファンタジー要素も織り交ぜで描いたもの。

患者は、元エリート海軍兵の水越(原田龍二)、原子爆弾開発間近に解離性同一性障害となった荒俣博士(片岡鶴太郎)、虚言癖と診断されたが、戦況を語るその虚言が100%当たる「閣下」(三浦浩一)、21世紀の未来の男性と交信していると伝書鳩を飛ばし続けている藍(村山彩希)。貝瀬婦長(高島礼子)、梶谷医師(植松洋)、真関看護師(倉野尾成美(AKB48))が患者を担当し、銃恐怖症のため発砲することができない若い兵士「ボン」(清水一光)が、病棟の監視を担当している…。

原田さんは、親代わりに育てたたったひとりの弟・正和(石田隼)が特攻を志願したことが原因で突然軍を辞め、戦争や軍を批判し精神疾患扱いをされた主人公・元エリート海軍兵の水越役を演じた。

「ちょっと珍しい切り口で戦争をテーマにしていますし、戦場での場面がないのがいいなと思いました。やっぱりどうしても戦場での芝居になるとちょっと寒くなっちゃうので。

本当にこういう世界観の場所(長野県佐久市の旧志賀小学校)で撮影していましたから、ファンタジーでもあるし、ノスタルジックな雰囲気も感じられる映画なんですよね」

――原田さん演じる水越は、元エリート将校でしたが弟が特攻を志願したことで変わっていく

「はい。弟のことが原因で思考が反戦になって精神科病院に入院させられることになって。冒頭、エリート時代の場面は出てきませんけど、新たな指揮官としてやってきた海軍将校が友人で、彼の話から水越も普通にやっていたら偉くなっていたんだろうなということが推察できますよね」

――撮影はいかがでした?

「まずこの場所に行けて良かったです。長野県の佐久市というところの廃校を使わせていただいたんですけど、そこから20分ぐらいのホテルが役者の定宿だったんですね。そこから自車でその廃校まで行くんですけど、そこに着くまでに長野の自然を見ながら行けるというのが良かったです。

撮影が都内で部屋の中だけで…となると、またちょっと変わってきますよね。見た人にはこの小学校のロケ地が都内だろうが長野だろうが変わらないかもしれませんが、演じる方には全然違うんです。空気感も全然違いますし」

――桜のシーンが本当にきれいでしたね

「そうですね。一昨年ほとんど撮影を終えて、去年の4月に桜を入れ込んだワンシーンだけ撮りに行きました。ピンポイントでその日ってなっていましたから『桜が咲いてなかったらどうなっていたのかな?』って思うんですけど、ラッキーでした。天気も味方してくれたと思いますね」

――撮影で印象に残っていることは?

「僕の弟役をやっていた石田(隼)くんが初めて僕の顔を見たときにいい顔をしていたんですよね。すごい緊張した顔をしていました。つまり、僕がすごい緊張した顔をしていたと思うんですよ。僕もすごく緊張していたので。

『こいつはすぐ死にに行くんだなというシーンをこれから撮るんだ』と思うと、すごく緊張していたので」

――「仲間はみんな『お母さん』と叫んで敵艦に突っ込んで行くけど、僕は亡き両親に代わって自分を育ててくれた『お兄さん』と言って死んでいきます」というセリフが突き刺さりますね

「あれは、心がえぐられますよね。なので、あそこは、僕はもうお芝居はしてなかったですね。芝居できない。泣く芝居なんかできないですよ。あれは原田龍二が泣いているだけです。水越(役名)じゃないですね」

――この作品が戦後80周年の今年公開されることに関しては?

「戦後80年に公開というのは、節目としてはいいですけど、81年目も同じ気持ちで迎えたいなと思います。毎年訪れるわけですから」

2020年にYouTubeチャンネル「原田龍二の湯〜チューブ!」を開設したが、コロナ禍で「原田龍二の『ニンゲンTV』」にリニューアル。テーマは心霊スポット。霊能者とともに

さまざまな心霊スポットを訪れている。

――怖くて夜は見られないので、日中拝見させていただいています

「ありがとうございます。よく考えると、あれもおかしなことですよね。ネットにはここに行くと呪われるとか、お化けがいると言われてみんな行くじゃないですか。ちょっと怖いもの見たさで見るという感じで。でも、いるかどうかなんて、行ってもわからないんですから。

それをいい年をしてやらせてもらえて、しかもどんな人が見ているかわからないですけど、興味を持って見てくれる人がたくさんいるというのがありがたいですよね。

一緒に行っている霊感の強い人には見えているけど、それが僕に見えない。僕にはそういうのが全く見えないんですよ。だから『今、ここに霊が居ます』って聞いても怖くないんです。逆にそれがないと行く意味がないですからね、僕だけ行っても何も見えてないから。

でも、『目の前にいますよ』って言われるとワクワクしますよ(笑)。だって僕に見えないだけで、そこにいるんですから。『ここにいるんですね?』ってカメラを向けても映らないっていうところがいいじゃないですか(笑)」

――今後はどのように?

「時代劇で『やっぱり原田龍二は時代劇すごいな』って思わせるような作品と出会いたいですね。それと、今やっているYouTube『ニンゲンTV』で、いつかお化けは撮りたいです。

期待しています。体力も付けてしっかり準備して待ちたいと思っています」

いいことも悪いこともすべて自分の足跡だと言い、避けることなく真摯に応えてくれる姿が清々しい。好感度が高いのも納得。原田さんの挑戦の日々は続く。(津島令子)

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