俳優の山田裕貴(34)、古田新太(59)らが6日、都内で行われた映画「ベートーヴェン捏造」(9月12日公開、関和亮監督)の製作報告会見イベントに出席した。
かげはら史帆氏の歴史ノンフィクションの傑作「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」を原作に、お笑いタレントのバカリズム(49)が脚本を担当し、実写映画化。偉大なる天才音楽家・ベートーヴェン(古田)の誰もが知るイメージは秘書・シンドラー(山田)によるでっちあげだったという物語。
山田はベートーヴェンのイメージについて、「天才だったんだろうな、くらいしか知らなかったです」と明かし、「なので、原作やバカリズムさんの脚本を読んで、映画で使われる曲を日々流して、自分の中に音楽を刻みました。あとベートーヴェンの会話帳が残っていて、まだ見られると知ったので、本物の会話帳を見ながら想像を膨らませて(シンドラーを)演じました」と撮影の日々を振り返った。
“天才”について、「天才に僕もなりたいんで…と言っているのは、本当に(自分は)凡人なので天才には憧れてしまう」というが、「ある漫画の受け売りで、『憧れは理解から最も遠い感情だよ』という言葉があって、中学生の時にぶっささりました。なるべく人に憧れすぎないように、憧れすぎると『すごい!』としか思わずに、理解しようとしないで止まってしまうので。今回は逆だったので、そこは俯瞰(ふかん)しながら演じられました」と語った。
脚本を担当したバカリズムは山田と古田の演技について「二人とも完全に人間として、何かが欠落している。役柄的にね」と話し、「山田さんは最初はすごくさわやかな好青年なんだけど、だんだん時間が経つにつれてキモくなっていって。やっていることは変わらないですけど、異常性が加速していくので、いいキモさでした」と独特な表現でその演技を絶賛した。