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2025年8月8日 05:00

【詳細解説】HALCALIが再ブレークした理由は…TikTok総再生回数が16億回突破

2025年8月8日 05:00

【詳細解説】HALCALIが再ブレークした理由は…TikTok総再生回数が16億回突破
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2人組女性ラッパー・ユニット、HALCALI(ハルカリ)が22年前に歌った「おつかれSUMMER」がアジア圏だけでなく、米国にも飛び火し、世界的に日本の“平成レトロ・ブーム”が巻き起こっている。「おつかれSUMMER」はTikTokの総再生回数が16億回を突破した。音楽配信サービス「Spotify」が発表するバイラル・チャート50でもランクイン。その勢いは伸び続けている。

HALCALIは、HALCAとYUCALIによる音楽ユニットで、2003年1月にシングル「タンデム」でメジャー・デビューした。プロデュースしたのは、人気ヒップホップグループのRIP SLYMEのメンバーだったRYO―ZとDJ FUMIYA。「彼女たちの才能をいち早く目をつけていました」と音楽関係者は振り返る。

3枚目シングル「ギリギリ・サーフライダー」がオリコン・チャートでベストテン入り。デビュー1年後に発売したファースト・アルバム「ハルカリベーコン」(03年9月)は初登場5位にランクイン。「ヒップホップ系のキャッチーなリズムで人気を高めていった」(前出の音楽関係者)と言われている。

もっとも、現在再ブレークしている「おつかれSUMMER」は、彼女たちにとってのメイン曲ではなかった。と言うのもアルバム「ハルカリベーコン」の収録曲の中の1曲で、当時は話題に上ることもなかったから。関係者が再ブレークのキッカケを調べると「アジア圏の音楽ファンによって投稿されたTikTokの画像がバズったようです。ただ、その背景の一つには、この4月にRIP SLYMEが5人体制での活動を再開したこともあるとは思いますが」と話す。今年6月頃からアジア各国で楽曲がクローズアップされ始めたようだ。

さらに、フォーライフの関係者は「斬新なヒップホップと彼女たちの音楽性が見事に融合した楽曲がうけたようです。TikTokでは国内外の人気クリエーターやダンサーによる投稿で大変な賑わいを見せていましたが、HALCALIの場合は、最近の傾向として、新たに2人組男子、中でも10代後半のダンス動画が大バズりしているようです。この傾向はさらなる広まりを見せています」。

実際、海外でも多数のダンス動画で音源を使用されて拡散、第2のムーブメントを巻き起こしており、その結果、TikTokで総再生回数16億再生を突破したものと分析している。

さらに、「Spotify」が独自に指標化したランキング「バイラル・チャート」では、これまでマレーシア、タイ、ベトナム、カザフスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、韓国といった国々で人気を見せてきたが、ここに来て米国にも飛び火。ビルボードのジャパニーズ・ソングス・チャートでは25位から一気に8位にランクアップした。

また、Spotifyの音楽配信も再生数が急増し続けており、月間リスナーは100万人を突破、デイリー30万回を超える再生数をたたき出し、8月3日時点で日本・アメリカを含む35カ国のバイラル・チャートでトップ50にランクインするなど、世界各国でHALCALI旋風が起こり始めている。

わずか3カ月で22年前の楽曲がリバイバル・ヒットするケースは異例。日本のヒップホップは海外でも受け入れやすくなってきていると言うが、ただ、誰もが「ノーマークだった」と言うHALCALIの快進撃に、さらに注目が集まりそうだ。

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