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「潮来笠」のヒットで知られる歌手の橋幸夫(はし・ゆきお)さん(本名・橋幸男)が4日午後11時48分、亡くなった。82歳だった。所属の夢グループが5日、発表した。
橋さんは今年5月、中等度のアルツハイマー型認知症であることが公表され、6月から入院中だった。今月1日、同グループの石田重廣社長が、都内でトーク&歌謡ショーを開き、橋さんの近況について語ったばかりだった。
橋さんは中学2年時から作曲家の遠藤実さんに師事。高校在学中にビクターのオーディションに合格し、1960年「潮来笠」でデビューした。同年、同曲の爆発的なヒットに伴い日本レコード大賞に新人賞が新設され、初の受賞者となった。同年NHK紅白歌合戦に初出場(以降17回連続出場)。62年には、吉永小百合とのデュエット曲「いつでも夢を」で、66年「霧氷」で日本レコード大賞を2度受賞した。舟木一夫、西郷輝彦とともに“御三家”と呼ばれ、芸能界で人気を博した。
2023年5月に歌手活動の引退を発表したが、24年4月に謝罪会見を開き、引退を撤回。今年5月には、中等度のアルツハイマー型認知症と診断されたことが公表されていた。
5月31日、自宅で突然左手に力が入らなくなり、体調に異変を感じたため救急搬送された。病院では一時的に脳の動脈が詰まり、脳梗塞の症状が出る「一過性脳虚血発作」と診断され、検査のため入院。その後退院し、6月11日には滋賀県内で行われたコンサートでステージ復帰したものの、同13日、認知症の症状が悪化したため、再び入院していた。
通夜は9日午後6時から、葬儀・告別式は10日正午から、いずれも浄土宗無量山傳通院(東京・文京区)で営まれる。喪主は妻の橋真由美さん。
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