アジアやアメリカを中心にブレークしている、2人組女性ラッパーユニット・HALCALI(ハルカリ)の22年前の作品「おつかれSUMMER」のTikTokの総再生回数がこのほど、30億回を突破した。
この盛り上がりに、発売元のフォーライフでは19日に、東京・神宮前のミュージック・バー「原宿ペニーレーン」で同曲のミュージック・ビデオ(MV)の公開イベントを開催する。
TikTokでの30億回は、国内の楽曲ではトップクラス。ここ数年では広瀬香美の「ロマンスの神様」が22年に16億回を記録し、TikTokで上半期の「トレンド大賞」を受賞した。昨年には、KOMOREBIの楽曲「Giri Giri」(24年5月発売)が、「ギリハッピー」というキャッチーなフレーズと「ギリハピダンス」で爆発的な人気を集め、総再生回数は23億回を突破している。
HALCALIの、それも22年前の作品のブレークに、音楽関係者は「22年前の楽曲が、わずか5カ月という短期間にリバイバル・ヒットするケースは前代未聞」とした上で、「誰もが『ノーマークだった作品』に注目が集まるのは、音楽業界にとっても大きな起爆剤になっている」と評価した。
TikTokだけでなく、音楽配信の「Spotify」では再生回数が2,700万回を超え、月間リスナーは165万人に達している。バイラル・チャートでは、米国をはじめマレーシア、タイ、ベトナム、韓国など、世界35カ国でトップ50にランクインしている。
HALCALIは、2003年1月にシングル「タンデム」でメジャーデビュー。2013年に活動を休止するまでに17枚のシングルと7枚のアルバムを出した。
「おつかれSUMMER」のブレークは、アジア圏の音楽ファンによるTikTokへの動画投稿だったと言われる。だが、同曲は彼女たちにとってのメイン曲ではなく、デビューして1年後に発売したファースト・アルバム「ハルカリベーコン」の収録曲の中の1曲だった。
それだけに、この異例の盛り上がりに、フォーライフも本格的に動き出すことになった。新たにMVを制作、プロモーションを行うことに。旧譜カタログとしては異例の展開だ。同社にとって今年は設立50周年のアニバーサリー・イヤーでもあり、9月19日午後7時から「Music ber presents Otsukare SUMMER night」と題したイベントを原宿ペニーレーンで開催し、新作のMVを公開することになった。
同社では「当時のファンも戻ってきている。ペニーレーンでお酒とともに音楽や映像を楽しむイベントにしたい」と意気込んでいる。