スティング「日本へ来ると居心地がいい」日本への”特別な愛”を語る

スティングさん
「お会いできてうれしいです」

スティングさん
「私は今を生きようとしています。過去を振り返ることはありません。45年前に書いた曲を今も歌っていますが、演奏するたびに毎回新しい何かを発見します」
「私がここにいるのは、作られたレコードを再現するためではありません。ジャズミュージシャンのように“発見の旅”に出て、観客が気づく部分も気づかない部分も、突き詰めていくのです」

スティングさん
「その理由は、日本人は1980年以降、長年私に対してとても親切にしてくれているからです。最初に東京で演奏したのが1980年2月のことで、それ以降20回以上来ているかと思います。日本に来ると居心地が良いです」
「（ライブ中は）踊ったりしながら体で楽しむ人もいますが、（日本のファンは）主に耳と頭を使って音楽を聴いています。それを見るとうれしくなるんです」

スティングさん
「私たちはまだCDを売っていますから、とてもありがたく思います。私なんかはレコードに戻っていますよ。ライナーノーツを読みながらターンテーブルに乗せて針を置く、この儀式が好きなのです。CDは便利なものです。そして一つの芸術品です。ストリーミングはただの商品のようであまり好きではありません。実物のCDやアルバムこそ大切にすべきです。私のようにね」
「現代社会で欠けているのは、手で何かを作ることだと思います。昨夜、鉄板焼きのシェフがニンニクを切っている手さばきは、繊細でとても美しかったです」

スティングさん
「『ソウル・ケージ』というアルバム全体を通して“両親の死”についてかきました。それは1988年のことなので、もうすぐ40年になります」
「いまだに両親を悼んでいます。いまだに会いたいと思い出してしまいます。私は彼らを芸術的に悼むことができて、ある意味幸運だと思います。これらの曲を歌うとき、両親がステージに一緒にいてくれるのです」
「来年上演予定の『ザ・ラスト・シップ』というミュージカルは、このアルバムにインスピレーションを受けたもので、両親の死や、町の造船所の終焉（しゅうえん）などが混ざり合っているのです」

スティングさん
「働くのが好きなんです。仕事の合間に休んでますよ。休みの合間に仕事はしません」

スティングさん
「こちらこそ」

スティングさん
「はい、毎朝。美しい建物ですね」

スティングさん
「Thank you so much！サヨナーラ！」