俳優の松雪泰子(52)が主演を務める、劇作家・演出家・俳優の岩松了(73)作・演出の舞台「危険なワルツ」が、2026年3月から上演されることが2日、発表された。東京公演を皮切りに、大阪、富山、宮城へと巡演する。
松雪は主人公・吟子役、岩松は夫・龍臣役を演じ、配管工の若い男・澤田一寿役を坂東龍汰(28)が務める。
本作は、岩松と演劇プロデュース「M&Oplays」による定期公演の最新作。これまで「クランク・イン!」(22年、眞島秀和主演)など次々と話題作を発表してきた。現在、巡演中の「私を探さないで」(25年)に続く新作となる。
物語は、若い頃に犯罪まがいの行為を繰り返し世間からドロップアウトした夫婦(松雪と岩松)が、新しい仕事を始めるため若い男(坂東)を仲間に迎え入れるところから始まる。3人のエゴがぶつかり合い、妻と若い男の関係が接近していく中で、初老の夫の嫉妬心が歪んだ三角関係を生み、人間が持つ深く不条理な闇をあぶり出していく人間ドラマ。
岩松は、「松雪泰子には、生活臭から抜け出そうとする女、自分も老いていくことを連れ合いが見せつけるような気がして、若さへ、悪へ傾いてゆく女を。坂東龍汰には、事情から身についてしまったニヒリズムのとりこになっている自分を持て余す若い男を演じてもらいたい」と役柄への思いを語った。
松雪は、「岩松さんの作品に参加できることは俳優として光栄であり、身が引き締まる思いです。岩松さんの戯曲には深い人間洞察や独特の詩情があり、その台詞一つひとつに世界へ広がる力を感じます」と作品の印象を述べた。さらに「吟子は過去や現在、愛や嫉妬、希望や絶望が交錯する人間味あふれる女性。一筋縄ではいかない彼女の揺れ動く心を丁寧に誠実に表現したい」と意気込みを示した。
そのほかキャストには、谷川昭一朗、中村加弥乃、但馬智が発表された。