俳優の市村正親(76)らが6日、東京・日比谷シアタークリエで、音楽劇「エノケン」の囲み取材&公開ゲネプロを行った。
今作は、“エノケン”の愛称で親しまれ、人を笑わせることに命をかけた喜劇俳優・榎本健一さんの波乱の人生を、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(45)が新作戯曲として書き下ろした。
榎本健一役の市村は、「この役は喜劇王ということで、僕はほとんど悲劇が多いんですけど、今回は一生懸命勉強して、喜劇をしっかりやろうと思っています。年齢に負けないように、パワフルに演じております。どうぞお楽しみに!出ずっぱりなので、全部見せ場です」と挨拶し、「とても良い感じに仕上がっているのではないかなと、自負しております。ぜひ期待していてください」とアピールした。
全編出ずっぱりにもかかわらず、「台本では1曲しか歌わないんですけど、1曲じゃ最初の“何でこんなに頑張っちまったんだろう”というセリフが言えないからと、2曲増えて、しょっぱなから3曲歌う演出にしました」と自ら曲を増やしたことも明かした。気を抜く暇もないが、「相手の人がセリフをしゃべっている時は(気を)抜いてます」とジョークで笑わせつつ、「でも、やっていて、僕自身が役者を目指して早54年、役者を目指そうと思っていた頃の青春を思い出しながらやっている部分はありますね」と語った。
エノケンとの共通点を聞かれると、「エノケンさんって歌って踊って芝居の人。そういう意味でいうと僕も歌って踊って、芝居でだんだん踊りが出来なくなってきて、やっぱりひざが悪かったりしている。エノケンさんはもっとひどい目にあうんだけど、そういうところは自分の実感としてやれるので、途中からエノケンなのか自分なのかという。役者は、自分の体験やイマジネーションを役に溶け込ませていく仕事なので、割と実感でやれているような部分はかなりありますね」と語った。
公演は同所で7日〜26日まで。