新曲「君の明日」が好調なフォークシンガーの松山千春(69)の秋のコンサートツアーが10日、埼玉・越谷市のサンシティ越谷市民ホールからスタートした。12月24日の北海道・札幌文化芸術劇場公演まで全国20都市を回る。東京公演は12月12日の東京国際フォーラム。
開演の10分前から“千春コール”が響き渡る中「I LOVE YOU」で幕を開けた。千春は「6年ぶりにやってまいりました」と挨拶。同会場は昨秋のツアーで、初日に予定されていたが、狭心症の悪化による冠動脈バイパス手術を受けたことから中止に。それだけに「今日は1年前のリベンジのつもりで頑張って歌いたい」と意欲を語った。
「銀の雨」「時のいたずら」とデビュー当時の作品を熱唱すると、当時を振り返り「あの頃は、髪の毛もふさふさしていた」と話しだし、「私には娘が1人いるんだけど、娘は私に髪があったことを知らないんだよ。ずっと『お父さん、タコさん』なんて言うんだよな」と自虐ネタで会場を笑わせた。
そしてトークは「さっき、テレビに高市自民党総裁が映っていたけど…」と政権の話題に。
「みんな今日はコンサートに来て、知らない人もいるかもしれないけど、公明党が政権から離脱してな、自公政権ではなくなった。これは大変なことなんですよ。次は誰が総理になるのかって話になってしまった。日本の政治が、とんでもない方向に変わってしまう可能性も十分にある」と言うと、続けて「何せ、自民党と公明党とでも過半数を割っていたのに、それが、公明党が離れたことで、自民党としてはますます政権を取れなくなってしまう。逆に野党。立憲、国民、維新、それに公明が乗っかったら野党の政権が出来てしまうわけだけどな。とは言っても立憲と公明が一緒になれるかっていうと、それもどうだろうかな。今までの経緯からしたら、そうは簡単になれないとは思うけど、ただ、政治家はわからんからな。俺は、うちの鈴木宗男(参院議員)を見てきたからだけど、本当に何があるか分からない」と、持論を語ると「正直、こんなとんでもない時に『銀の雨』なんて歌っている場合じゃないですよ」と会場を沸かせた。
コンサートは2部構成で、「長い夜」「大空と大地の中で」など2時間半で17曲を力いっぱい歌い上げた。