演出家の三谷幸喜氏(64)、歌舞伎俳優の松本幸四郎(52)、片岡愛之助(53)、中村獅童(53)が20日、都内で行われた「三谷かぶき『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)幕を閉めるな』」の囲み取材に登場した。
三谷氏が脚本・演出を務める“三谷かぶき”第2弾。「令和7年11月歌舞伎座 松竹創業百三十周年『吉例顔見世大歌舞伎』」(11月2日〜26日)の夜の部で上演される。
伊勢の芝居小屋「蓬莱座」では、狂言作者の花桐冬五郎(幸四郎)や座元の藤川半蔵(愛之助)が、人形浄瑠璃で人気となった「義経千本桜」を、山本小平次(獅童)が演じる歌舞伎として上演しようとするが、その上演をめぐって大騒動が巻き起こる。
三谷氏は「今回の僕のテーマは、歌舞伎座始まって以来の、ガラスが割れるくらいの拍手と笑い声に満ちたコメディーをやりたいなと。なぜかというと、僕の知っている歌舞伎役者はコメディアンとして優れた人たちばかりなので。こんなに笑いのセンスのある喜劇俳優が集まった劇団はそうはないので、それをフルにいかして最高の喜劇を作りたい」と意気込んだ。
くしくも現在、歌舞伎座では「義経千本桜」が上演されているが、三谷氏は「たぶんこっちの方が面白いと思う」と自信たっぷりだった。
稽古について「皆さん力がある方なので、すぐに役を自分のものにしてくれて順調に進んでいる」と明かしたが、獅童については「結構ふざけた方で、わりと脱線する。急に(アドリブでしゃべり方が)田中邦衛さんタッチのシーンが出てきたりするけど、ああいうのやめてもらっていいですか」と冗談交じりにクレーム。
幸四郎は「そういう脚本だから」とニヤリと横から“フォロー”すると、三谷氏は「それは読み込めてないだけだよ。そういう面白さではない」とバッサリ切って、笑わせた。
獅童は「稽古場ではいろいろな自分を出したほうがいい。しゃべり方の感じを変えている。毎日同じじゃなくていろいろな自分を出している」と“釈明”。幸四郎は「(演技プランを)迷っているってことですね」とツッコんでいた。