元放送作家の鈴木おさむ氏(53)が企画したNetflix映画「This is I」の制作が決定した。
来年2月に世界配信予定で、当時タブー視されていた性別適合手術の扉を開いた性別違和を持つ主人公と、その医師との絆を描くヒューマンドラマ。監督は「Noise ノイズ」(2019)で長編デビューし、海外映画祭で高い評価を受けた松本優作氏が務める。
企画のきっかけは2021年、鈴木氏は大阪・梅田のショーレストランを訪れ、そこで医師・和田耕治氏の実話を知った。和田氏は性別違和を持つ人々を救い続けた医師で、その人生を記した書籍に深く心を動かされたという。そこに登場した「A」と記された人物こそ、ニューハーフタレントのはるな愛(本名・大西賢示)だった。
鈴木氏ははるなと交流があり、彼女から人生の話を何度も聞いていた経験から、和田氏の物語とはるなの経験を組み合わせたドラマ化を構想。「多くの人を応援する作品になる」と確信し、企画を進めた。
物語は、「アイドルになりたい」という夢を抱きながら、自分らしさに悩み、周囲の視線に苦しんでいた少年・賢示。その運命を変えたのは、過去に患者を救えなかった経験から苦悩を抱える医師・和田との出会いだった。和田は賢示を通じて初めて性別違和の現実に向き合い、やがて賢示は和田が初めて執刀する性別適合手術の第1号患者となる。偏見や社会の壁にさらされながらも、二人は信頼と絆を築き、「自分らしく生きる」ための道を見つけていく。
主人公・賢示役は、オーディションで選ばれた18歳の新星・望月春希。トランスジェンダー当事者を含む幅広い応募者の中から、繊細な感情表現と存在感が評価され、満場一致で選ばれた。
医師・和田耕治役は、俳優の斎藤工(43)。これまで600人以上の性別適合手術を執刀し、患者に寄り添い続けた実在の医師を熱演する。
