映画「爆弾」(永井聡監督、10月31日公開)のサプライズイベントが24日、東京・西武新宿駅前のペペ広場で行われ、主演の山田裕貴と佐藤二朗が登壇した。
作家・呉勝浩氏の同名小説が原作。酔った中年男性・スズキタゴサク(佐藤)が警察に連行され、自らの霊感で都内に爆弾が仕掛けられていると予告するところから物語は始まる。秋葉原で爆発事件が発生し、スズキはさらに1時間ごとに爆発が続くと予知。主人公・類家(山田)や刑事らに謎めいたクイズを出し始め、男の正体や爆弾の真相が物語の核心となっていく。
ペペ広場に山田と佐藤がサプライズで登場。自らチラシを配布し、「『爆弾』見てください!」と直接呼びかけるゲリライベントを敢行した。現場は騒然となり、雨にもかかわらず、多くの通行人が足を止め、熱気に包まれた。
山田は「『爆弾』を広めるためにやってきました! あいにくの雨ですが、映画の不穏な空気にはぴったりかなと」と語り、佐藤も「天気予報は晴れだったのに!『爆弾』が雨を降らせたのかも(笑)」とユーモアたっぷりに応じ、会場は温かい笑いで包まれた。
夢だったというチラシ配りについて、山田は「自分の作品のチラシを配るのが夢だったので、初めて配れてうれしかったです。みなさん集まってくださってありがたかったです! 本当にたくさんの方々に広まるといいなと思います」と笑顔。佐藤も「学生時代ポケットティッシュ配りのバイトをしていたので、今日はその“ハイテクニック”を披露できて、こうしてお客さんの近くで渡せてうれしいですね」と語り会場をわかせた。
また、佐藤は、イベント会場となった西武新宿駅に深い縁があることを明かす。上京して初めて暮らしたのが西武新宿線沿いの駅の野方で、偶然にも映画でスズキが警察に連行されてくるのが野方警察署。「スズキタゴサクは僕と共通点が多くて、どこにでもいる中年オヤジな風貌、メタボ、『スズキタゴサク』という割と平凡な名前、中日ドラゴンズファン、そしてこの映画は野方警察署が舞台になるんですけど、東京で初めて住んだのが野方なんですよ。そういう意味では、西武新宿線はなじみが深いんです」としみじみ語った。山田も「西武新宿の近くの居酒屋さんでアルバイトしたことがあって、外で呼び込みもしていました」と懐かしそうに笑い、二人の“新宿ゆかりトーク”に客席も和やかな空気に包まれた。
二人は、劇場での鑑賞を強く呼びかけ、イベントの最後には街頭演説さながらに観客へ熱烈アピール。すると、雨が上がるという劇的な締めくくりになった。
