数多くのシナリオライターを輩出してきた「テレビ朝日新人シナリオ大賞」(主催・テレビ朝日、後援・朝日新聞社、BS朝日、東映、幻冬舎)の授賞式と受賞発表会見が29日、都内で行われ、近藤佳菜子さんの「告解(こっかい)」が大賞に選ばれた。
第25回となる今回は「ミステリー」がテーマ。全国から825編の応募が寄せられ、大賞1編、優秀賞2編が決定した。最終選考までに10編に絞られ、今月6日、脚本家の井上由美子氏、岡田惠和氏、両沢和幸氏による最終選考会が開かれた。
「告解」は“正直こそ正義”と信じる家庭裁判所調査員が、兄殺しの少女の事件を担当するところから始まる。少女の供述に疑念を抱く中、亡き父の遺品から殺人を告白する手記を発見。父の過去と少女の秘めた動機が交錯し、やがて予想を超える真実へとたどり着くミステリー。
大賞には賞金500万円、優秀賞には100万円が贈られた。近藤さんは「長年、小説を書き続けてきましたが、『告解』はずっと形にできずにいた作品。昨年、思い立ってシナリオスクールに通い始め、テーマがミステリーと発表されたことをきっかけに応募しました」と語った。
さらに「プロの方に自分の作品を読んでいただけるのは夢のまた夢。今回の受賞は大きな励みになります」と喜びをにじませた。
優秀賞には、藤代耕平さんの「清らかな慕情」、寺井靖博さんの「盗作者たち」が選ばれた。
同大賞は2000年7月に創設。フレッシュで有能な脚本家の発掘・育成、制作現場の活性化、魅力的なコンテンツの提供を目的としており、これまで多数のシナリオライターを世に送り出してきた。
歴代受賞者には、第2回大賞を受賞した脚本家・古沢良太氏(映画「探偵はBARにいる」シリーズ、ドラマ「相棒」シリーズほか)、第6回優秀賞の坂口理子氏(スタジオジブリ映画「かぐや姫の物語」、最新作「てっぺんの向こうにあなたがいる」ほか)など、映像界を代表する作家が名を連ねる。
