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俳優の伊礼彼方(43)、音月桂(45)らが8日、東京・新国立劇場で舞台「スリー・キングダムス」スペシャルトークイベントを行った。
イギリス演劇界の奇才サイモン・スティーブンス氏が現代社会の闇を描いた衝撃作。今回が日本初演で、変死体の女性が見つかった殺人事件を追うイギリス人刑事・イグレシアス(伊礼)は、ヨーロッパ全土に広がる国際的な犯罪組織にたどり着き、事件の真相に迫る一方で、自身の過去も突き付けられ、事態は思わぬ方向へ展開していく。
この日は開幕を来月に控え、約150人のファンを前にしたプレトーク。国際的な犯罪組織も絡む社会派の作品とあり、伊礼は「これだけのお客さんを前に深刻な話をしてもしょうがないでしょう」と客席に呼び掛けた。
それでも、「この作品は非常に難しくて、ミステリー要素があって、サスペンスがあって、ホラーもあって、不条理もあって、何じゃこりゃって台本を読んだ時に訳が分からなかった」と率直な感想。理解を深めようと「ネットで感想文を漁ったけど、やっぱり日本で上演されていないので、海外のサイトを漁ったら賛否両論で、攻めた作品なんだなという感想があって、そこに携われるっていうのはありがたい」と真面目なトーンで話した。
また、観客と舞台をつなぐミステリアスな存在など3役を演じる音月も「本を読んだ時は自分の中では消化しきれず、どういうものになるのか予想が付かなくて、稽古場で演出をしていただいて、立体的になってきてから作品の面白さが分かってきて、ギャップ萌」と言い、「本で見るのと、実際に人が演じるのとで、こんなに世界が広がっていくんだなと感じた」と同作の魅力を語った。
同所で12月2日〜。
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