俳優の山時聡真(20)と菅野美穂(48)がW主演を務める映画「90メートル」が、来年3月27日に全国公開されることが12日、発表された。
本作は、直木賞作家・朝井リョウ氏の小説を映画化した「少女は卒業しない」(2023年公開)で商業長編映画デビューを果たした中川駿監督によるオリジナル企画で、商業作品としては3作目となる最新作。原作・脚本・監督を中川氏が手がける。
中川監督は、自身の母親を看病した経験をもとに、人生の岐路に立つ高校生の息子と、難病を抱えながらも我が子の明日を願うシングルマザーの姿を描く。親子の絆と生きる希望を見つめた、半自伝的なヒューマンドラマとなっている。
中川監督は、「主人公の藤村佑役を演じた山時聡真君はどことなく僕に似ていて、まるで若い頃の自分を見ているかのように感じることが多くありました」と語り、
「実は、佑と母の美咲は、僕と僕の母をモデルに作っているので、その点から山時君は佑を演じるのにうってつけの人物でした」とキャスティングの経緯を明かした。
山時は、「自分のやりたいことを押さえ込み、世の中と距離を取りながら生きていくしかない現実。それは誰にでも起こり得る事であり、実際に多くの方が直面している現実でもあると思います」と語り、
「佑の抱えている思いを100%理解しているかといえば、正直わかりません。しかし、佑として生きていく中で、自分自身との葛藤、母親の想い、沢山の方の優しさを感じました。今後の僕の人生を支える大切な糧になりました」と振り返った。
母・美咲を演じる菅野は、「それぞれが健気に生きているのに、でもどうにもならない現実に向き合わなければならない過酷さに、胸がつまりました。多感な10代で自分の事でも精一杯なのに、人生を考えなければならないやるせなさ、子どもを思う母の気持ち、どちらも分かって深く共感しました」とコメントを寄せた。
